第2話 えふぴーえすげーむ
「ん、ここはどこじゃ?」
起き上がり、眠い目をこすりながら少女は問いかける。すると一人の男が返事をした。
「俺の家。連れてきたらまずかった?」
「いや、感謝する。そういえば昨日魔力の使い過ぎで倒れたのじゃったの」
「いきなり倒れてびっくりしたよ」
そう言った話をしていると、1つの大きな金属の塊がピピピといった聞いた事が無い音を立て、良い匂いを漂わせていることに気が付いた。
「何の音と匂いじゃ?」
「ん?トースターの音の事?パン焼くやつ」
「えらい便利じゃの」
「言われてみれば便利だな。とりあえず歯磨きでもしてきてー」
「分かったのじゃ!」
彼が昨日買ってきた子供用歯ブラシを少女に
渡した。
(この子が居た異世界は転生物でありがちな
ヨーロッパ系かな)
そんな事を考えながら、トーストを皿の上に
乗せて机に運ぶ。すると、彼女は帰ってきた。
「トースト食べれる?一応味付けはしたんだけど。」
「わしは魔王じゃからなんでも食べれる!」
そう言って彼女はトーストを頬張った。
「美味い!この国にはもっと美味いもんがあるのか?」
「あるかもね。ところで今日少しだけ大学に
行かないといけないんだけど、魔王ちゃんは何しとく?」
「ま、魔王ちゃん!?まあ良い。する事か……」
うーんと少女は考えた。
(情報収集はこの男からすれば良いし、魔力が完全に回復するまでする事ないと思うのじゃが)
「うむ、特にする事ないな!」
「そんな自信ありげに言うなよ。じゃあ
ゲームでもしとくか?」
男は無表情に言った。
「ゲームといえば遊びじゃな。一体どんな遊びがあるのじゃ?」
「多分魔王ちゃんが思ってるのとは違うと思う。来て!」
彼の自室だろうか。絵が描かれた布が壁に掛かっていて、これまた絵が書かれた透明な板が
飾られている部屋に案内した。
「これpcって言うんだけど、ネットゲームが
出来るやつ。」
彼はカチッと右手に持った何かのスイッチを
押した。すると、真っ暗だった画面が光出したではないか。彼女は驚き、声も出なかった。
「操作方法なんだけど……」
彼は魔王にpcそしてゲームの操作方法を
教えた。
「な、なるほど。お主が家にいない間はこの
えふぴーえすゲームとやらをすれば良いのじゃな?」
「うん!じゃ大学行ってくるから良い子にしててね。分からない事があったらネットで調べ
れば分かるから!」
「はーい!」
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