第24話 リスポーン ・ イベント情報


………


「………はっ!…ここは…」


俺が目を覚ますと、自分の土地にあるログハウスのベッドの上にいた。


…ここに、リスポーンするようになっていたのか…。ていうことは、モイカ達も…


「ぷいー!」


「ピィー!」


「カウっ!」


「モイカ!ハク!リア!」


モイカ達が俺に駆け寄ってくる。

よかった…。ちゃんと3人とも、ここにリスポーンしたらしい。

俺の目の前で殺された時は、正直めちゃめちゃに悲しくなったけど…、ちゃんと再会できた。


「よかった…。3人とも、どこか痛いところとかないか?」


俺は、駆け寄ってきた3人を撫でながら、聞く。

もしかしたら、何かしらのデスペナみたいなものがあるかもしれないから念のために聞いておく。


「ぷい!」「ピィー!」「カウ!」


うん、大丈夫そうだな。


俺も今のところは何も感じていないから、多分大丈夫だろう。

この感じ的に…、デスペナみたいなものはないのかな?それなら、嬉しい。


「そうか…。ごめんな、3人とも。守れなくて…」


俺は3人に謝る。


俺が一番気にしているのはそこだ。

3人をテイムしておきながら、俺は3人を守ることができなかった…。3人は俺のために、戦って、走ってくれていたのに…。

そこが俺にとって、一番の後悔だ。


「ぷいぷい!」


「ピィー!」


「カウっ!」


3人が勢いよく首を横に振る。


……もしかしたら、3人も悔しいのかもしれない。

いいところまでは行けたのに、そのあとは惨敗してしまったからな。


「ぷい!」


「ピィー!」


「カウ!」


3人が俺のすぐそばまで近づいてきて、同時に甘えてくる。

…励ましてくれているんだと思う。

なんとなく、そう思うんだ。


「…モイカ、ハク、リア……。そうだな、ありがとう」


……強くなろう。3人と一緒に。

リアを見つけた時も、そう決心したと思うんだけど、負けたことで、よりいっそうそう思うようになる。


「よし!早速、レベル上げにでも…」


俺はそう言いながら、ログハウスの窓から外を見ると、既に太陽が落ち始めていた。


あれ?俺が花の妖精と戦っていた時は、確か14時ぐらいだったはずなんだけどな…。

…もしかすると、一回死んでしまったら、すぐに復活するのではなく、少しの時間寝てから、復活するのかもしれない。

そこまで長い時間ではないと思うけど……、時間を取られてしまうのは、少しきついな…。


……うん、今日はもうやめておくか。もうそろそろ暗くなるし、あまり無理をするのも良くないと思うからな。


「…今日は、ログアウトしておくか。少し疲れがあるかもしれないし」


それに、モイカたちにも、少し休んで欲しい。

また明日から、レベル上げや他のこともやっていこう。


「モイカ、ハク、リア。俺はログアウトするから、今日はゆっくり休んでおいてくれ。明日から、また色々やっていくからな!」


「ぷい!」


「ピィー!」


「カウっ!」


3人が元気に鳴く。

…明日から、また頑張っていくぞ…!


「おやすみ」


俺はそう言って、ログアウトをした。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


3日目 9:00



というわけで…3日目がやってきた。


俺は朝からまた、ログインをする。


「みんな、おはよう」


「ぷいっ!」「ピィー!」「カウっ!」


俺がベッドでログインして、挨拶をすると、すでに3人も、ベッドの周りにいた。

昨日負けてしまったって言うのもあって、やる気満々なのかもしれないな。



ピコンっ



「うん?なんか音がしたけど…、なんだろう」


俺は、メニューの方を確認してみる。

多分、音的に、何かを受信した感じの音だったから、メニューを見れば、わかると思うんだけど…。


「…あ、やっぱり」


メニューを見ると、公式情報という項目に、小さな赤丸がついているのを発見した。

これが、音の原因かな?

俺は、その項目をタップして、内容を確認する。



——————————————————————

イベント情報


明日から、モンスターギルドにて、クエストイベント『霊の住処』を開催いたします。このイベントでは、討伐数に応じた報酬、イベント貢献度に関する報酬の二種類がありますので、皆さん、ぜひ参加してください。


※このイベントは東の湿地で行われます。しかし、参加者が多いことを見越して、東の湿地に入ると、プレイヤーによって、サーバーが分かれるようにしていますので、そこは注意しておいてください。

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「おー!イベント情報だ!」


このゲームが始まってから、初めてのイベントだ。

まさか、こんな早くに来るとは思っていなかったけど、運営さんも、俺たちを楽しませようとしてくれているのだろう。


「場所はー…、東の湿地か」


俺まだ行っていない場所だな。

俺はこの二日間で、南の森と西の荒野でモンスターを狩ったりしていたから、まだ、東の湿地と北の平原には行けてないんだよな。

今日、時間があったら、少し行ってみて、探索してみるのもいいかもしれないな。


「…それにしても、霊の住処か…」


名前からして、少し怖そうなんだよな…。

俺としても、そこまで得意という訳ではないから、そこまで怖くないことを願っておこう。


ただ、一つ気になるのが…


「…夜にやるのか?」


そう、名前の通りなら、幽霊が出てくるということだから、夜に行われるイベントだと考えられるんだよな。

それとも、夜ではないけれど、日光が入ってこないようになっており、薄気味悪くもなっていって、そこに出てくるというものになっているのか…。

…明日にならないとわからないなー…。

それか、東の湿地に行けばわかるのかもしれない。



…まあ、一旦このことは置いておこう。

それよりも…



「今日やることをまとめるか」


「ぷい」「ピィー」「カウっ」


今日やるべきことを、あらかじめ決めておく。

本当は、何も考えずにぶらぶらするのもいいのかなとも考えていたのだが…、意外とやらないといけないことがあったから、先に決めておこうと思う。


「まずなんだが…、リアをテイマーギルドに連れていく」


「カウっ!」


今俺は、テイマーギルドで、テイムモンスターを探して というクエストを受けており、このクエストでは、テイムしたモンスターを一体ミナさんに見せれば、報酬がもらえるようになっているから、リアを連れていっておきたい。

もしかしたら、他にもいいクエストがあるかもしれないから、ボードも見ておきたいな。


「それと、お手伝いギルドのクエストである、地図を受けるために、少しでいいから、歩いておきたい」


「ぷいっ」


このクエストは期限が2ヶ月と長くなってはいるけれど、あまりにほったらかしにしておくと、時間がなくなってしまう可能性もあるから、少しでいいからやっておきたい。

…始まりの街が広すぎるからな…。


「後は、モンスターギルドにいって、いい感じのクエストを探すことだな」


「ピィー」


俺は、一旦自分のステータスを確認する。



————————————————————

名前 シド  Lv 5

人種 人間

職業 テイマー Rank 2

ポイント : 11pt


HP : 25(Max 30) MP : 10(Max 10)

攻撃力 : 13 (+3) 防御力 : 10 敏捷力 : 7

知力 : 8 器用さ : 5 ラック : 10

残りステータスポイント 0


スキル

テイムLv2  以心伝心Lv2 撫でるLv3

小剣術Lv3 鑑定Lv1


装備

・小剣 ランクE(攻撃力 +3)


称号

お手伝いの開拓者

レアモンスターのファインダー


テイムモンスター

・モイカ(モルモート)

・ ハク(シロノバード)

・リア(リオン)


所持金 2050G

————————————————————


やっぱ、ゴールドがもっとほしんだよなー…。

俺の新しい武器も買いたいし、できれば、モイカたちにも何かを買ってあげたい。

それに、土地の拡張だったり、ログハウスの家具を買うのにも必要。モイカ達のご飯を買うにも、ゴールドは必要だからな。

できれば、モンスターギルドでいいクエストを探しておきたい。


「…あ、スピドラビットも倒しに行かないと…」


スピドラビットのクエストはデイリークエストではなかったから、まだ継続しているはず。

昨日は見つけることはできたけれど、見逃してしまったからな……。

報酬もうまかったから、そいつも倒しに行きたい。

だから、南の森にも行かないとなー…。



「そして、最後にレベル上げだな」


「ぷいっ!」「ピィー!」「カウっ!」


レベル上げは絶対にやりたいと思っている。昨日、初めて死んでしまって、敗戦をしてしまったから、これからそうならないためにも、レベルを上げたい。それに、モイカ達も悔しい思いをしたと思うから、もっと強くなってほしい。


それと、レベル上げのために、チューチューループ(名付け親 俺)をやってみたいと思ってるから、モンスターギルドにいった時には、西の荒野でいいものを探しておきたいと思っている。



「うん、一旦こんな感じなんだけど…」


どうしような…。

明日のイベントのためにも、やっぱり東の湿地には行っておいた方がいいような気がする…。

明日初めて行って、いきなり知らないモンスター、知らない場所に赴くのは、流石に危険な気がするしな。


「…今日は少し長めにやるか」


初日と2日目は、夕方ぐらいに終わっていて、夜のVR世界をまだ楽しめてもいないからな。

少し長めにやって、東の湿地にいったり、街の様子を見たりと、色々やってみるのもいいかもしれないな。


それに……、


「モイカ達とも一緒にいられるからな!」


俺はそう言って、モイカ達を撫でる。


「ぷいー♩」


「ピィー♩」


「カウっ♩」


あー…。やっぱ、もふもふ、ふわふわで気持ちいいんだよなー…。ずっと撫でていられる。

3人も気持ちよさそうに、目を細めていて、その姿も愛おしいんだよ…。

幸せ空間…。



………


………



「…ハッ!だめだ、夢中になってしまう…」


あまりの気持ちよさそと、可愛さで夢中になってしまった。


今日やるべきことは多いんだから、早めに動かないと。

そうと決まれば、早速、一つずつやっていこう。


「じゃあ、まずは…、リアを連れて、テイマーギルドにいくか」


「カウっ!」


まずは、報酬をもらうために、テイマーギルドだな。それに、土地の件についても、ミナさんにはお世話になったから、それについて、お礼も言いたいしな。


ただ、全員連れていってもいいんだけど…、目立って、視線を多く感じそうだから、今回はリアだけを連れていこう。モイカ達も、うんざりしてそうだしな。

モイカ達が目立つということは、この二日間で、嫌というほどわかったし…。


「モイカとハクは、ここで待っていてくれ。俺とリアで、テイマーギルドにはいってくるから」


少し寂しいけれど、俺はそう言って、二人に待っていてもらう。


「ぷい!」


「ピィー!」


「お留守番、よろしくな。リア、行くか」


「カウっ!」


俺とリアは、テイマーギルドへと歩いていった。


——————————————————————


なんと、星評価(レビュー)の方が250を突破しました!

ありがとうございます!

これからも引き続き頑張りますので、よろしくお願いします。


次の話からは、少し探索要素が入ると思います!


また、ポイントの方を間違えて進めていたので、直しておきました。

もしかしたら、これから先、間違えて進めて行っている可能性もあるので、間違えていたら、報告をお願いします!!

誤字脱字等もあれば、報告よろしくお願いします。

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