第17話 俺たちの場所 ・ハクのレベルアップ
始まりの街 北西 土地エリア
「えーっと…多分ここが土地エリアだと思うんだけど、どこらへんにあるんだろう」
土地エリアにくると、そこには広大な広場が広がっていた。その周りには、木などもたくさん生えており、自然を感じるようにもできているらしい。
これが、始まりの街内にあるんだよなー…。本当に広い。けど、ここまで広くても、そのうち人も増えてくるんだろうな。
「ぷいぷい!」
「うん?どうしたんだ、モイカ」
モイカが俺に何かを伝えてくる。
「ぷいっ!」
「ピィー!」
「…向こう?…あ、あれか!」
モイカとハクが見つめている方向を見ると、小さなログハウスのようなものが見えた。多分、あれが俺の買った土地だろう。
「よく見つけたな、二人とも!よし行くぞ!」
「ぷいぷいー!」
「ピィー!」
俺は二人を肩と頭に乗せながら、自分のであろう土地に向かって走って行く。
俺の土地は、土地エリアでも隅の方にあり、木なども近くにあるから、自然も近くで感じることができそうだ。
けど…もし、土地を拡大する時とかってどうするんだろう…。土地を広げれるように、すぐ隣には他のプレイヤーの土地を置かないようにするのか…、それとも気とかを削って広げるのか…。
まあ…少しこの辺りが気になるけど、今は自分の土地がどんな感じなのかを早くよう。広げる時にどうなるのか確認すればいい。
俺は、そんなことを考えながら、土地の方へ走っていき、土地の目の前までやってきた。
近くまでくると、土地の目の前には俺の名前が書かれている看板も置いてある。土地の周りには、柵のようなものも建てられていて、でられないようになっている。入り口のところだけ閉じたり、開けれたりできるようになっているらしい。
「看板も置いてあるし…、ここが俺たちの土地っぽいな!」
「ぷいーーーー!」
「ピィーーーー!」
二人が、その土地を見た瞬間に、俺の肩と頭から降りて、その土地へ走っていく。
二人もテンションが爆上がり中らしいな。
「二人とも!この場所からはでないようにな!それと、怪我とかもするなよ!」
「ぷいぷい!」
「ピィー!」
二人は俺にそう答えると、それぞれ別のことをし始める。
モイカは、俺らの土地内を走りまわっており、ハクは、ログハウスの屋根の方に飛んでいった。
二人とも喜んでくれいてよかった。
「じゃあ、俺も入りますか」
俺はゆっくりと土地に入って行く。
ここが俺らの住む場所かー…。少し感慨深いな。
あるものは、7.5m×7.5mの土地に小さなログハウスがあるだけだけど、それでも少し達成感のようなものを感じる。…ゲームが始まってまだ2日だけどね。
「おお、土地内の地面は芝生みたいになっているんだな…」
中に入り少し歩くと、足に芝生を踏んだような感触を感じる。実際は、芝生ではないんだけど、歩き心地は完全にそれだ。触り心地も気持ちいい…。
「これならモイカたちも気持ちよく走れそうだな。それに昼寝とかもできそうだ」
モイカたちと一緒に、ここが寝転んで、休むみたいなことも後々やってみよう。絶対に気持ちいい!
「次はログハウスなんだけど…、本当に小さいんだよな」
そう、これはこの場所を見てからずっと思っていたことなんだが、俺が思ってたよりもログハウスが小さかった。
確かに、土地がまだ小さいからあまり大きくすると、大半がログハウスで埋まってしまうことになるけど…、本当に小さいんだよな。
まあ、俺としては、俺がログアウトできるように、ベッドが一つあればいいから、全然この大きさでも大丈夫ではあるけどね。
それに……
「ピィーー!」
「ハクも喜んでるしな」
ハクもログハウスの屋根の上に乗ったり、入ったりして飛んだりしながら、楽しそうにしている。
「ログハウスの中に入ってみるか」
俺は、ログハウスの中に入って行く。
「おおー!やっぱ狭いけど…木でできていて、少しいい匂いもするし…全然いいな!」
今は入ってすぐに一部屋あるだけだけど、このログハウスももっと大きくしていきたいな。ゆくゆくはちゃんとした家とかも欲しい。
「家具はー…今はベッドだけか」
ベッドは、昨日泊まった安かった宿屋のベッドとほとんど同じだ。
このベッド、木でできているからか、少し硬くできてるんだよなー…。現実ではないから、体が痛くなったりはしなかったから、これでも十分だけれどもう少しゴールドが溜まってきたら、ベッドも良いものに変えたい。
「うーん…中に入ってベッドだけっていうのも、ちょっと殺風景なんだよな…。他の家具とかもあったら買いたいな…。……ゴールドが足らなすぎるな…」
土地も色々と改良していきたいけど、他にも、武器だってもっといいものにしたいし、アイテムももっと豊かにしておきたい。モイカやハクのためにもご飯代のゴールドも欲しいし…。クエストとかを受けまくって、ゴールドを貯めないとな。
「よし!もう大体土地やログハウスの方も満見たし、クエストをクリアしにいきますか!まずは、南の森でスライム狩りだな」
クエストをクリアする目的もあるけど、ハクのレベル上げ、テイマーギルドのクエストでもあるユニークモンスターテイムをテイムするという目的もあるからな。ユニークモンスターじゃなくても、テイムして仲間も増やしたい。
やることがいっぱいだ。
「モイカー!ハクー!クエストに行くぞー」
「ぷいー!」
「ピィー!」
俺の声を聞くと、二人が俺の元に駆け寄ってくる。
二人ともやる気満々だ。
「まずは、スライムのクエストかつハクのレベル上げのために南の森な。達成条件を満たしたら、次の目的地である西の荒野に行く。ただ、ユニークモンスターをテイムしたいから、それも探しながら移動するぞ」
「ぷいぷい」
「ピィー」
よしよし、二人とも俺の言ったことを理解してくれたみたいだな。本当に賢い子だ。
「二人とも準備もできてるみたいだし、行くか!」
俺たちは、最初の目的地である南の森へ向かって歩いていった。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
・南の森・
「昨日ぶりの南の森だ」
昨日は何も知らない状態だったから、少し怖さもあったけど、2日目となると何が出るかが少しわかっているから、昨日よりかは安心して回ることができそうだな。
まあ…スライムとブラックウルフ、シロノバードが出てくるということしかわかってないけどね。
「ピィーピィー!」
「お、やる気だな。ハク」
「ピィー!」
ハクも相当やる気らしく、モンスターが出てきたらすぐに動けるように、準備運動のようなことをしている。
ハクは、仲間になってから初めての戦闘だからな…、その分やる気も出ているのだろう。
「ハクもやる気みたいだし、早くスライムが出てこれば…………、いたわ」
俺は少し遠くの方で、青くブニブニしているものを発見する。
———————————————————
スライム ♂ Lv1
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うん、昨日見たスライムと全く同じだな。
「…ハク、早速出番だぞ」
「ピィー!」
「モイカももし、危ないと思ったら、すぐに動けるようにしといてくれ」
「ぷいぷい」
まあ、スライムなんかで苦戦するとは思わないけどね。運営からの扱いも酷いモンスターだからな…。
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名前 ハク Lv 1
種族 シロノバード
HP : 15 (max15) MP : 10(max10)
攻撃力 : 3 防御力 : 3 敏捷力 : 5
知力 : 5 器用さ : 2 ラック : 2
残りポイント 0
スキル
突っつき Lv1 光魔法 (光弾)Lv1 キュア Lv1
——————————————————————
俺は確認のため、一度ハクのステータスを見る。
ハクは、突っつきで近接攻撃もできるけど、光魔法の光弾で遠距離もできるのか…。しかも、キュアで回復することもできる。
改めて見ると、めちゃめちゃ役に立つスキル構成になっているんだよな。
「ハク、光弾であそこのスライムを狙えるか?」
「ピィー!」
ハクは力強く頷く。うん、大丈夫そうだ。
俺も、ゲーム内で初めて魔法というものを見るから、少し楽しみだ。
「ピィー!」
ハクが鳴くと、ハクの嘴のすぐそばで小さな魔法陣のようなものが出てくる。
「ピィーー!!」
ボンっ
そして、ハクがまた鳴くと、その魔法陣の中から小さな光の弾が出ていき…
グチョっ
スライムにクリーンヒットした。
スライムは光弾に当たると、体がバラバラになり、死んでしまった。
……
「…これが魔法の力か…」
すごいな…。正直、少し鳥肌が立っている。
現実の世界では、魔法を見ることなど絶対にないから、余計に魔法をうつ光景に衝撃を受ける。
しかも、スライムが一瞬でバラバラになって消えていったからな…。本当に恐ろしい。
ただ、モイカのステータスを見ると、MPが2減っているから、そこまで多くは使えないみたいだな。けど、遠距離から攻撃することができて、威力も見た感じ、結構ありそうだった。
…ハクが仲間になってくれてよかったー…!
なんか、モイカの時も同じようなこと思った気がするけど…。やっぱ、うちの二人は強いんだな!
「ピィー♪」
ハクが、嬉しそうにこちらにやってくる。可愛すぎる。
「ハクー、よくやったぞ!さすがだな!」
「ピィー♪」
俺は、ハクを撫でる。ハクも気持ちよさそうにそれを受け入れてくれていて、目を細めている。
『スライムを倒したことにより、テイムモンスター ハクのレベルが上がりました。ステータスポイントを5ptゲットしました』
「おー!ハクのレベルが上がったぞ」
「ピィー!」
「やったなー!」
俺はまたハクを撫でる。ハクもふわふわしていて、撫でるのが気持ちいいんだよな…。
「ぷいーー!」
すると、モイカがなぜか俺の方に近づいてきて…
「…痛いっ!モイカ、腕を噛まないでくれ…」
俺の腕を甘噛みしてきた。
理由は多分……俺がハクばっかに構っていたからだと思う。以心伝心の効果ですこーしだけモイカの気持ちがわかるからな…。
「ごめんな、モイカ。ほら、撫でてやるからな」
俺は、ハクとモイカを両手で撫でてあげる。
右のハクはふわふわで、左のモイカはもふもふだ。
天国…!
「ぷいー♪」
「ピィー♪」
二人も目を細めて気持ちよさそうだし、一石二鳥だな。
「あ、そういえば、ハクのレベルが上がったから、ポイントをもらったんだったな」
どんな感じにしようかな…。
俺的には、さっきの光魔法を見た感じ、知力とMPはあげたいと思うんだよなー。俺とモイカはどちらかというと前衛だから、遠距離攻撃ができるハクには、魔法の威力が上がる知力と、魔法を使うのに必要なMPを、やっぱり増やしたい。それに、キュアという回復魔法にもMPは必要だろうしな。
「ハク、ステータスのポイントなんだけど、知力とMPに振る感じでも大丈夫か?」
「ピィー!」
ハクが大きく頷いてくれる。
ハクもその二つを上げて欲しかったのだろう。
…多分だけど。ただ、そんな感じのことを少し感じることができる。
「わかった」
俺は、ハクのポイントを降り始める。
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名前 ハク Lv 2
種族 シロノバード
HP : 15 (max15) MP : 13(max13)
攻撃力 : 3 防御力 : 3 敏捷力 : 5
知力 : 7 器用さ : 2 ラック : 2
残りポイント 0
スキル
突っつき Lv1 光魔法 (光弾)Lv1 キュア Lv1
——————————————————————
「こんな感じかな」
どちらに多く振ろうか少し迷ったけれど、さっき見た感じ、光弾の威力は意外と高そうだったし、キュアとか使う可能性を考えると、MPを高くしておきたいと考え、こんな風に降ってみた。
「よし、ハクのレベルもまだ上げたいし、俺やモイカのレベルも少しはあげたいから、この調子でどんどんスライムを倒していくぞ!クエストのためにもね」
「ぷいー!」
「ピィー!」
俺たちは次のスライムを探しに、また森の中を歩き始めた。
——————————————————————
なんだか、物語の進みが遅いように感じてきてしまった…。
次には、西の荒野に行こうと思います!
もし、誤字脱字等があればよろしくお願いします。
また、星評価(レビュー)の方もよろしくお願いします!
訂正
♩を♪にしました。
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