第15話 モンスターギルド


俺たちは、テイマーギルドを出てモンスターギルドの方に向かっていく。

もちろん、少しでもお手伝いクエストを進めるために、地図を持ちながら向かっていた。


「…やっぱ、全然埋まらないな」


俺俺たちは今、西側にあるお手伝いギルドから、テイマーギルド、モンスターギルドへと進んでいるのだが、それでも全然埋まっていかないのだ。

これは…俺が思っていたよりも大変かもしれない。始まりの街が想像以上に広いのかもしれないな。

まあ、歩いて色々と見ることは好きだから、そこまで苦ではないけどね。


「…ぷいー…」


「ピィー…」


モイカとハクが少し気だるそうな感じでため息をついている。

…理由はわかっているんだけどね。なんなら、こんなこと昨日も感じていたからな。


「…やっぱ気になるよな、みんなの視線」


そう、俺が通りを歩いていると、大体の人が俺たちの方を見てくるのだ。

モイカもまだ慣れないらしく、肩の上で目を瞑ってだらっとしており、ハクも同じように頭の上で固まってしまっている。


「…急いで向かうか」


マップを見る限り、もうすぐではあるからな。俺は足の速度を早める。


「ねー、あれって……」

「なんだあいつ……」

「あの子可愛くない…」

「あ、いた!けど…、なんか増えてる……」

「もふもふだ……」

「あれが噂の…」


……


やっぱ色々と耳に入ってくるな…。

まあ、目立ちはするからしょうがないとは思うけど…。

それにしても、もしかして俺たちって噂になっているのか?そこまで目立ちたくはないんだけどな。

これは…、早めに土地を買った方がいいかもしれないな。

俺は、通りすがる人の言葉を耳にしつつも、これからどうしようかと考えながら、モンスターギルドへ向かって行った。



♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢



「…ここがモンスターギルドか…」


今俺の目の前には、お手伝いギルド、テイマーギルドよりも倍以上でかい建物が建っている。

うん、まさかここまで大きな建物だとは思っていなかったな。しかも、大きいだけじゃなく、若干豪華にもなっている。

確かに、よくある異世界ものなどの漫画やアニメでも、こういうギルドは大きく建てられていたり、重要な役割を果てしていたりもするから、ゲームの中でも大きく建てられていても違和感はないな。

それに…


「やっぱ、多くの人が出入りしてるんだな」


このゲームのメインはバトルでもあるから、バトル系のクエストを受けることができるモンスターギルドが人気のあるのは当たり前か。


「…入るか」


少し目線は気になるがそれはしょうがない。

俺たちは、少し大きめの扉を開けてモンスターギルドへと入っていく。



……


ガヤガヤ…


「うおお…。マジで広くなってるんだな。それに、人の数も予想以上だ」


「ぷいー…」


「ピィー…」


中に入るとすぐに、たくさんの人が目に入った。

扉を開けて真っ直ぐにいくと受付があり、その横に大きなボードがある。そこに、白色の紙…中には違う色の紙が貼られており、たくさんのクエストを受けれるようになっていた。

そして、大きい建物なだけあって、2階もあるようで、入って右側に大きな階段があるのがわかる。

入って左側には、なんと酒場ようなお店もあり、そこで飲食もできるようになっているらしい。


「受付に向かうか」


少し…いや、結構驚いているけれど、俺は受付の方に向かっていく。今まで、お手伝いギルド、テイマーギルドと見てきたけど、ここまで違うとは思わなかったな…。

けど、少しワクワクもする…!


「すいませーん」


「あ、はーい。どうかなさいましたか?」


俺が受付で声を出すと、一人の女性が反応をしてくれた。シールさん、ミナさんと続いて三人目の女性の受付だ。やっぱ、ギルドの受付って女性の方が多くなっているのかな?受付嬢っていう言葉があるぐらいだし。


「えーっと、初めてモンスターギルドを利用するんですけど…」


「あ、なるほど!初めてのお客様ですね。えーっと…、…テイマーの方で大丈夫ですか?」


受付の女性は、俺の肩に乗っているモイカ、頭にいるハクに目をやり聞いてくる。


「そうですね。テイマーのシドと言います。そして、こっちがモルモートのモイカで、上にいるのがシロノバードのハクです」


「シドさんに、モイカさん、ハクさんですね!私はモンスターギルドの受付嬢をやっているマナと言います。よろしくお願いしますね!」


「はい、よろしくお願いします」


「ぷいー!」


「ピィー!」


俺に続いて、モイカ、ハクと挨拶をする。

うん、テイマーギルドでもちゃんと挨拶をしていたし、やっぱりうちの子は頭がいいのかもしれないな。


「…それにしても、珍しいモンスターですねー…。私も、ここで何十人とテイマーの方を見てきたんですけど、モイカさんとハクさんのモンスター種は初めて見ましたね…」


「そうですね…。運が良かったのかもしれないです」


ミナさんも珍しい種だとは言っていたな。

確かに、モイカは始まりに街の路地裏に何故かいて、しかもレアモンスターでもあるから、テイムしている人はまだ俺しかいないとは思う。

けど、ハクに関してはよくわかっていないんだよな…。木の上から落ちてきて、助けたらテイムできたって感じだからな。


「確かにそうかもしれないですね!私もまだまだ勉強不足で、見たことがないモンスターもまだたくさんいると思いますので、もしまたモンスターをテイムしたら、是非見せてくださいね!」


「はい!その時は見せますよ」


俺もテイムできる限りはモンスターを増やしたいとは思ってるからな。


「ありがとうございます!…少し話し込んじゃいましたけど、モンスターギルドの説明をしますね。シドさんはモンスターギルドとは別のギルドには行きましたか?」


「はい、テイマーギルドと、お手伝いギルドの方に行きました」


「わかりました。モンスターギルドなんですけど、大体はテイマーギルドと同じですね。クエストを受けて、報酬とランクを上げるためのポイントを手に入れる。こんな感じですね。そして、クエストはモンスターギルドというだけあって、モンスターを討伐するクエストがメインになっています。ただし、他のギルドと違うところが一つだけあるんです。それが、クエストの難易度によってクエストの紙の色が異なっているっていうことです。なんの危険もないモンスター討伐クエストなら白色なんですけど…、危険度が高まっていくごとに、青色、黄色、赤色と色が変わっているんですよ。勿論、青色、黄色、赤色のクエストを受けるためには、一定のランクを満たしていないといけないので、そこは注意をしておいてください」


「わかりました」


なるほど…。クエストの紙の色以外はほとんどテイマーギルドと同じか。けど、それを受けるためには、定められているランクに達していないといけないと。

今の俺はまだ、ランクが2だから、多分青色のクエストも受けることができないと思うんだよな…。まあ、その辺りはランクを満たすようになったら、受けるか受けないかを決めるか。


「さて、ではクエストの方を見てもらいたいのですが…、シドさんは一つ達成条件を満たしていますね」


「え?!本当ですか?」


俺はまだ、スライムを数匹と、ブラックウルフ一匹しか倒していないが…、その二体で何かを満たしているのかな?


「はい、シドさんはブラックウルフを倒していると思うんですけど、ブラックウルフを一体討伐するというクエストがあるんです。ブラックウルフって結構ずる賢いモンスターでですね…、このクエストをクリアする人は少なかったんですけど、シドさんが達成条件を満たしていてこちらも少し驚いてますね」


ブラックウルフだったか…。確かに、ブラックウルフは草むらに隠れていて、油断していたところに出てきていたからな…。けど、モイカのおかげでなんとかなったけどね。


「そうだったんですか…。ブラックウルフを倒せたのは、モイカのおかげですよ。モイカがいなければ、俺もやられてたと思います」


俺はモイカの方を見る。


「ぷい!」


「そういうことでしたか。うちのギルドもブラックウルフを討伐する時は、パーティーを組むことをおすすめしていたので、モイカさんと一緒だったならば納得ですね!」


パーティーを組むことを推奨されるほどだったのか…。ほんと、モイカがいてくれて良かったな。俺一人だったら、後ろからザクっとやられて終わっていたはずだ。…うん、想像するだけで恐ろしい。


「では、クリアなさっているクエストを受諾しておきますね。報酬とポイントももらえますので、安心してください」


「ありがとうございます!」


よし、これでゴールドがまた増えるぞ…!


——————————————————————

クエスト名 ブラックウルフの討伐


南の森に現れるブラックウルフというモンスターを一体討伐してきて欲しい。ただし、ブラックウルフはずる賢いモンスターとしても有名ですので、パーティーで行くことを推奨する。


ポイント 2pt

報酬 800G

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『モンスタークエスト ブラックウルフの討伐を受諾しました』


『達成条件を満たしていたため、クエストを完了いたします』


——————————————————————

クエスト名 ブラックウルフの討伐


ポイント 2pt

報酬 800G


クリア

——————————————————————


「これでクエストを完了したと思います。おめでとうございます!」


「ありがとうございます」


——————————————————————

名前 シド  Lv 4

人種 人間

職業 テイマー Rank 2

ポイント:9pt


HP : 29 (Max 29) MP : 10(Max 10)

攻撃力 : 9 (+3) 防御力 : 8 敏捷力 : 6

知力 : 8 器用さ : 4 ラック : 9

残りポイント 0


スキル

テイムLv2  以心伝心Lv2 撫でるLv2

小剣術Lv2


装備

・小剣 ランクE(攻撃力 +3)


称号

お手伝いの開拓者

レアモンスターのファインダー


テイムモンスター

・モイカ(モルモート)

・ ハク(シロノバード)


所持金 4000G

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なんと…テイマーギルドとモンスターギルドだけで、3800Gももらえてしまった…、ギルドって最高やな…!これからもモンスターギルドとテイマーギルドには、行くようにしよう。…ついでに、お手伝いギルドにもね。ゴールドに関しては、これから先もっと必要になってくると思うし、ランクを上げることによってテイムできるモンスターも増える。いいことだらけだからね。


「右のボードの方に、まだたくさんのクエストがあるので、もし受けたいものがあればこちらに持ってきてくださいね。たくさんのクエストをクリアしてくれるのを願っています!」


「わかりました!頑張ります!」


俺はそう言い、クエストボードの方に向かって行く。人はいるから、顔をこちらに向けてくる人は少しいるけれど、今はもう気にせずに行く。

ただ、あまりこっちを見てこない人もいるから、他にもテイマーさんを見たことがあるのかもな。




「えーっと…、あ、場所ごとにクエストが分けられているのか」


北の平原

西の荒野

東の湿地

南の森


この四つの場所ごとに分けられているらしい。

確かに、分けられていた方がこちらとしてもわかりやすいな。


「うーーーん……お、スライムのクエストがあるじゃん」


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クエスト名 スライムを20体討伐せよ

(デイリークエスト)


南の森に現れるスライムを20体討伐してきて欲しい。スライムは、世間的に見ても弱いモンスターなので、初心者にもおすすめだ。


ポイント 1pt

報酬 500G

——————————————————————


「デイリークエストか。ということは…、昨日倒したスライムはカウントされないのかな」


なんか、ちょっと損した気分だな…。でも、スライムって運営からも可哀想って言われるぐらいのモンスターだし、大丈夫か。

それに…、


「ハクのレベルも上げないといけないしな」


「ピィー!」


ハクは昨日テイムして、レベルも1のままだから、早めにレベルを上げておきたい。スライムなら、ハク一人でも倒せそうだしな。


「よし、このクエストは受けようかな」


あとは…、ちょっと別のエリアにも行ってみたいな。南の森ばっかでもちょっと飽きてくると思うし。北か西か東か…


「北の平原はボスがいるから…、西の荒野あたりにでも行ってみようかな?東も気になるけど、湿地っていうのがちょっとめんどくさそうだし。西の荒野で、いい感じのクエストがあれば…」


俺は、西の荒野に分けられているクエストでいい感じのものを探す。


うーーーん…



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クエスト名 チューチューを10体討伐せよ

(デイリークエスト)


西の荒野現れるチューチューというネズミ型モンスターを10体討伐してきて欲しい。チューチューは、群れを作っていることもあるから、注意しておいて方がいい。


ポイント 1pt

報酬 800G

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「このクエストなんかどうだ?」


討伐数が多いということは、その分少しは弱いということだと思うんだけど、ちょっと気掛かりなのは、群れをなすということと、スライムよりも報酬が多いということ。まあ、スライムが弱すぎるということもあると思うけど。


「二人ともどう思う?」


「ぷいっ!」


「ピィー!」


うん、二人とも大丈夫そうだ。頼もしい限りだな。


「よし、ならこの二つのクエストを受けるか」


俺は、二つのクエストを受付に持っていった。


———————————————————————

中途半端なところで終わってしまって申し訳ない…。文字数がいい感じだったので、一旦ここで終わらせてもらいます。

もし、誤字脱字等があればよろしくお願いします。





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