第10話 二体目!


「…ピィ…」


「…なんか、上から落ちてきたけど…」


「ぷい」


上から落ちてきたのは…小さな白色の鳥であった。

いきなり落ちてきたんだけど…、モンスターなのかな?


—————————————————————


シロノバード ♂ Lv1


—————————————————————


あ、これが出てきたってことは、モンスターなのか。今まで、モルモート、ボーンナイト、スライム、ブラックウルフと見てきたけど、全員モンスターだったしな。


それにしても…


「シロノバード…、白色の鳥…」


名前がそのまますぎる…。運営さん、もうちょっといい名前を考えてあげようよ…。なんなら、白いろん鳥なんだし、ホワイトバードとかでもよかったと思うけれど、なんか意味があるのか?


「ぷいぷい?」


「…ピィ…ピィー…」


モイカが、シロノバードに何か話しかけ始めた。

多分、大丈夫?見たいなことを尋ねたんだろうけど。


「ぷいっ」


お、何かわかったのかな?


「ぷいぷい」


モイカが、俺に何かを伝えようとしてくる。

普通なら、何を言っているのかわからないだろうけど、今は以心伝心のおかげでなんとなくはわかるようになっている。バトルの時とかでも、役に立っているし、本当にいいスキル。


「ふむふむ、なるほど」


なんとなくだが、少しわかった気がする。


「…大丈夫ではないと」


「ぷいっ」


結構ギリギリの状態らしい。そんなにダメージを受けていたのか…。それぐらい、高いところから落ちたってことかな。


「うーん…、中ポーションがまだあるけど、これって自分とテイムモンスター以外にも効くのかな?」


中ポーションはまだ三つあるから、使っても大丈夫だとは思う。けど、これで効かなかったら怖いんだよな…。


「…ピィ…」


「…うん、使ってみよう」


流石に、この子を放置することもできないし、苦しんでいるところも見たくない。

なら、使ってみてもいいと思う。


俺は、持ち物のところから中ポーションを取り出す。


「大丈夫か。これを飲んで見てくれないか?もしかしたら、助かるかもしれない」


俺は、シロノバードに尋ねてみる。

…これで、いらないとか言われたらどうしよう。


「…ピィーピィー…」


そう鳴くと、シロノバードは小さな口を開け始めた。

これは、飲ませても大丈夫ってことかな。


「そのままでいてくれよ、今から飲ませてやるからな」


少しずつ、ポーションから液を口に入れ始める。

一気に入れすぎると、詰まらせるかもしれないし、こぼれるかもしれないから、ゆっくりと入れていく。


「……よし、これで全部だけど、どうだろう」


ポーションの量はそこまで多いわけではないから、シロノバードでも全て飲ませることができた。ただ、体が小さいから、シロノバードからしたら多かったかもしれないけれど。


「…ピ、ピィー…ピィー…ピィー…」


「え?もしかしてダメだったか?」


シロノバードは全然元気になる様子がない。

ずっと鳴いてはいるけれど…、やっぱり効かなかったのかな。


「ピィー…ピィー…zzz」


…うん?


「もしかして…寝てる?」


「ぷいぷい」


モイカが頷いている。


「なんだよー…、ちょっと焦ったぞ」


ポーションが効かなく、このまま苦しんでいる姿を見ないといけないのかと思った。

けど、効いているならよかった。


「よしよし」


俺は、ゆっくりとシロノバードを撫でてみる。


「!?…これは…」


この触り心地は…


「もふもふだ…!」


モイカとは全然違う触り心地で、すべすべもしているから非常に撫でやすいな。

気持ち良すぎる…。


「ぷいぷい!」


「わかったわかった。モイカもだよな」


俺は、逆の左手でモイカも撫で始める。

もふもふを両手で撫でれるなんて…、やっぱ最高のゲームだな!

…、多分これが目的のゲームではないんだろうけど。

まあ、楽しみ方は人それぞれだしいいよな。



「てか…、なんでこの子は落ちてきたんだろう」


俺たちが休んでいる間は、上から何も聞こえてこなかったし、何も落ちてくる気配なんてなかったんだけど、なんで今になって…。

何か木に大きな衝撃でもあって、それで落ちて来たのかな?

けど、そんな強い衝撃なんて与えてないと思うんだけど…


「…あ、ブラックウルフを倒した時に確か…」


俺は、少し前のことを思い出す。あの時は確か、モイカの突進を受けて、ブラックウルフが木にぶつかって…、その後にシロノバードが落ちてきたってことは…


「…まさか、落ちてきた原因って俺たちのせいか?」


そう考えると辻褄は合うんだよな…。

なんか、今になってものすごく申し訳なくなってきた。


「ごめんな…、よしよし」


俺はまた、ごめんなさいの気持ちを込めて撫で始める。うん、もふもふ。


「ピィー…ピィー…」


シロノバードはまだ気持ちよさそうに寝ている。

このままにしておくのもなんだし、起きるのを待っておくか。そこまで長くは寝ないと思うし。


「その間に…、ステータスを振るか」


さっきのブラックウルフ戦で、俺とモイカのレベルが上がっていたからな。しかも、俺に関しては二つも上がっていたから10ポイント貰えている。モイカも、レベル5を超えていたから10ポイント貰えてたんだけど…、レベル5の時には10ポイントもらえるようになっているのか。てことは、10、15、20で少しポイントが多くもらえるようになっているのかな?多くもらえるなら、それに越したことはないけどね。


「まずは俺からでいいかな」


俺はステータスを見始める。


————————————————————

名前 シド  Lv 4

人種 人間

職業 テイマー Rank1


HP : 27(Max 27) MP : 10(Max 10)

攻撃力 : 9 (+3) 防御力 : 6 敏捷力 : 4

知力 : 6 器用さ : 3 ラック : 8

残りポイント 10


スキル

テイムLv1  以心伝心Lv2 撫でるLv2

小剣術Lv2


装備

・小剣 ランクE(攻撃力 +3)


称号

お手伝いの開拓者


テイムモンスター

・モイカ(モルモート)


所持金 300G

————————————————————


うーーん、何をあげようかな。10ポイントもあると悩んでしまうな。


まずはやっぱり、前レベルが上がった時にあげれなかった、防御力と俊敏力はあげるべきだよな。

そして、知力もあげるべきなんだけど、器用力がまだあまりよくわかっていないんだよな…。一応少し上げておこうかな。あと余ったものは…、体力とラックに振ろうかな。モイカがいる分、攻撃面に関して今は十分だと思うしね。


————————————————————

名前 シド  Lv 4

人種 人間

職業 テイマー Rank1


HP : 29 (Max 29) MP : 10(Max 10)

攻撃力 : 9 (+3) 防御力 : 8 敏捷力 : 6

知力 : 8 器用さ : 4 ラック : 9

残りポイント 0


スキル

テイムLv1  以心伝心Lv2 撫でるLv2

小剣術Lv2


装備

・小剣 ランクE(攻撃力 +3)


称号

お手伝いの開拓者


テイムモンスター

・モイカ(モルモート)


所持金 300G

————————————————————


「こんな感じでいいかな」


大体全部を均等に上げれているとは思う。ただ、MPが全然あげれていないんだよな。

多分、テイムとか使えばすこーしずつ減っているとは思うんだけど、なんとなく後回しにしちゃうんだよな。次のレベルアップの時に少し上げるか。


「次はモイカだな」


「ぷいっ」


モイカは新しいスキルも覚えているからな。それも見ておきたい。


————————————————————

名前 モイカ  Lv 6

種族 モルモート


HP : 25 (max 25) MP : 10(max 10)

攻撃力 : 7 防御力 : 5 敏捷力 : 5

知力 : 4 器用さ : 3 ラック : 4

残りポイント 10


スキル

突進 Lv2 威嚇 Lv2 眠り回復 Lv1

嗅覚 Lv1

————————————————————


嗅覚…鼻の効きがとても良くなる


「なるほど…、戦闘向きのスキルではないけど…どこかでは使えそうだな」


「ぷい」


モイカもうんうんと頷いている。


正直戦闘向きのスキルが欲しいなと思っていたけれど、これもこれで使えるとは思うからいいとしよう。


「あとは、ステータスポイントなんだけど…、モイカはどうしたい?」


「ぷい?」


「俺的には、体力、攻撃力と攻撃力に多めに振る感じがいいかなって思うんだけど」


「ぷいー…、ぷいぷい」


モイカは少し悩んでいたが、俺の案に乗ってくれるようだ。


「ありがとな。後の残りは…均等に振るでいいか?」


「ぷいぷい」


「わかった」



————————————————————

名前 モイカ  Lv 6

種族 モルモート


HP : 28 (max 28) MP : 10(max 10)

攻撃力 : 10 防御力 : 7 敏捷力 : 6

知力 : 5 器用さ : 3 ラック : 4

残りポイント 0


スキル

突進 Lv2 威嚇 Lv2 眠り回復 Lv1

嗅覚 Lv1

————————————————————


「こんな感じだな」


体力、攻撃力に3振り、防御力に2振り、俊敏力、知力に1振りにしてみた。これで攻撃力が10を超えたのはでかいと思う。本当は、ラックもあげようかなと思ったけれど、モイカの防御力が低いと少し怖いなと感じ、ラックの分も防御力に振ったのだ。

…均等ではなかったかな?


「ぷいー!」


モイカが自分のステータスを見て喜んでいる。

うん、モイカがこれでいいんだったらいいよな。

あんなに、くるくると走り回っているんだしね。

このステータスで行こう。



「それにしても、良く寝るなー」


俺は寝ているシロノバードをまた撫でてみる。

ふわふわだー…。


「…この子テイムしてみたいな」


レベルは低いけど、今は仲間がたくさん欲しいしね。モイカも、モンスターの仲間みたいなのは欲しいと思うし、できればテイムしてみたい。



……


ここで、少しふと思ったことがある。


「寝ている間にテイムとかってできるのかな?」


寝ているのだから、モンスターは何もできないはず。その状態でテイムしたらどうなるのだろうか。


「ちょっと気になるけど…、流石に少し可哀想だよな」


さっきまで苦しそうだったし、いきなり寝ている間にテイムするというのは可哀想だしな。

……ただ、これがブラックウルフとかの強そうなやつだったらやっていたかも…。



「…ピィ?」


「あ、起きたか」


「ぷいぷい」


「ピィー…」


シロノバードはまだ眠たそうだ。さっきのモイカを見ているみたいだな。


「…ピィー…ピィー!」


シロノバードは徐々に目を覚ましていき、元気を取り戻してきている。さっきのダメージはもう大丈夫っぽいな。


「よかった。もう大丈夫そうだな」


「ピィーピィー!」


シロノバードは頭を何回も下げている。

多分、ポーションで助けてくれたことを感謝しているのかな?


「いいよいいよ。元気になってくれてよかった」


俺は、ゆっくりとシロノバードを撫でる。


「ピィー…」


目を細めるシロノバード。

撫でるノスキルがあると、こんな風に気持ちよくさせてあげることができるからいいよな。

……なんか少し変な意味にも聞こえるな…。


「ぷいぷい」


「ピィ?」


モイカがシロノバードと何か話し始める。

何を言っているんだろう。


「ぷいぷい!ぷい」


「ピィ?!……ピィー」


「ぷいぷい!」


「ピィ……、ピィ…ピィ!!」


「ぷい!」


うん、何を言っているのか何にもわからないな。

けど、二人が話しているところを見ると癒される。


「ぷいー」


モイカがこちらによってくる。

多分、話しがついたのだろう。


モイカは以心伝心で何かを伝えてくる。俺は、それを少しずつ感じ取り読み取っていく。

多分こんな感じだろう…。


………

……


「ねえねえ!」


「どうしたの?」


「僕たちと一緒に行こうよ!主も言ってた」


「え、僕も?!……どうしようかな」


「絶対楽しいからさ!行こうよ!」


「うーん……、わかった…一緒に行きたい!」


「決定だね!」


(モイカはメスで、シロノバードはオスです)




ふむふむ、なるほど……


「…え、一緒に来てくれるのか?!」


「ぷい!」


「ピィー!」


これは驚いたな…。まさかモイカが誘ってくれているとは思わなかったけど、これはでかいぞ。


「…本当にいいのか?俺たちと来て」


俺はまた確認をしておく。


「ピィ!」


シロノバードは力強く頷いている。

これは、大丈夫そうだな。


「…わかった。よろしく頼むぞ!テイム!」



『シロノバードのテイムに成功しました。残り、モンスターをテイムできる数は1です』

※職業ランク、テイムのレベルが上がることで、テイムできるモンスターの数は上昇します。


『名前を決めてください」


よし、成功したみたいだな。

あとは名前だけど…、これはもう決まっている。


「お前の名前はハクだ!」


「ピィ!」


こうして、二体目にテイムモンスターが増えた。


—————————————————————


なんと…星評価が100を突破しました!

ありがとうございます!年内の目標を達成しましたが、行けるところまで行きたいので、これからも評価よろしくお願いします。


また、誤字や脱字、矛盾点や辻褄が合わないところなどあればよろしくお願いします


追記


モイカのステータスを変更させていただきました。




















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