第7話 レベルアップ!


アイテム屋を出て、俺は一つポーションを取り出した。

四つ買っておいたから、一つ取り出すと、所持欄にポーションが三つと書かれている。


中ポーション…体力を15回復する。


「15回復か…、今のところ最大が25だから、5+15で、残り20になるのか」


満ぱんにはならないけれど、今の状態よりかは遥かにマシだろう。


俺は、中ポーションを一気に飲み干す。


「うーーーん、やっぱりちょっと苦いな…」


中ポーションでこれなら、小ポーションはもっとやばいんだろうな。



————————————————————

名前 シド  Lv 1

人種 人間

職業 テイマー Rank1


HP : 20 (Max 25) MP : 10 (Max 10)

攻撃力 : 4 防御力 : 6 敏捷力 : 4

知力 : 6 器用さ : 3 ラック : 7

残りポイント 0


スキル

テイムLv1  以心伝心Lv1 撫でるLv1


称号

お手伝いの開拓者


テイムモンスター

・モイカ(モルモート)


所持金 800G

————————————————————


よし、ちゃんと回復してるな。

所持金もさっき買った、中ポーション四つの300Gも引かれている。


「よし、次は武器屋だな。行くか、モイカ」


「ぷいっ」


「…まあ、意外と近くにあるんだけどな」


そう、マップでここに向かっている途中に確認したのだが、アイテム屋から武器屋は、もう少し歩いたところにあるのだ。


人の目線もあるし…早歩きで向かおう。



俺は、歩きながら武器屋っぽい看板を探す。

まあ、こう言うのは大体、剣や盾の絵が書かれていると思うから、すぐに見つけられるとおも…




「あ、あったわ」


マジで少し歩いただけなのだが、もう看板を見つけられることができた。

マップだと実際の距離とかが少しわかりにくいから、もう少しは歩くと思っていたけど、思ってた以上に早く見つけることができたな。まあ、早く着くことはいいことだからいいけど。


「入りますか」


俺たちは、武器屋に入る。



ガチャっ



「…おーー…!武器がいっぱいだ!」


中に入ると、たくさんの武器が並べられており、プレイヤーらしき人もちらほらいる。


これはテンションが上がるな!やっぱ男というのはこういうものが好きなんだよ。


「小剣に大剣、弓に鎌、他にも棍棒のようなものまであるな…」


うわーー、これは何を使うか迷うな…。

ここは王道に剣を使うべきか…、それともモイカに前衛で敵を引きつけてもらい、俺が弓で攻撃するか…、または、攻撃力重視で棍棒一発にするか…。

めっちゃ迷う!!


「モイカはどれがいいと思う?」


「ぷい?ぷい……ぷいっ」


「お、あれは…、大剣か?」


モイカが肩の上から、手を伸ばした方向には、大剣がおいてあった。

モイカは大剣が好きなのか?


「大剣かーー、俺に持てるの…か…」


俺は、値札を見て、話すことをやめる。

だってな…


「…4000G…」


……


高すぎるーーー…

今の俺の手持ち?800Gですね。5倍も差があるのかよ…。


「よし!モイカ違うのにしよう!」


「ぷい…」


モイカがジトーっとこちらを見てくる。


「うっ…、ゴールドがないんだからしょうがないだろ…。ここはやっぱ安くて使いやすそうなものにするよ」


「ぷいっ」


モイカは呆気なく、それに同意してくれる。

もしかしてこいつ…わかっていて大剣と言ったか?

…いや、流石にそれはないか。モイカがそこまで悪いことなんて考えてないでしょ。


「ここはやっぱ一番使いやすそうな…小剣を見てみるか?」


一番持ちやすそうだし、大剣よりも軽そうだしね。

弓だと、護衛で安定できそうとも考えたが、モイカのスキル的にも、俺も前衛の方がいいと思う。

そう考えると、一番小剣がいいんじゃないかと思う。


「ゴールドはー…、一番安いもので500Gか」


——————————————————

小剣 ランクE


攻撃力 +3

——————————————————

やっぱ安いせいか、ランクはとても低いけど、これなら俺にも買えそうだな。それに、攻撃力+3も俺にとっては十分に大きい。

少し振ってみるか。


ブンっブンっ


「お、結構いいんじゃないか、これ。」


結構手に馴染むし、ランクEにしてはいいのではないか?


「モイカはどう思う?」


「ぷいぷい」


モイカもうんうんとうなづいてくれている。


「お、やっぱいいと思うか?」


「ぷい」


モイカも肯定してくれているし、これにするか。

またゴールドが貯まったら、もう少しランクの高い小剣だったり、他の武器だったりを買えばいいだろう。


「よし、これにしよう」


俺は、これを会計の場所まで持って行く。

ここはどんな人がやっているんだろう。なんか、武器屋って、怖い顔をしている中年の方がやっているイメージなんだけど…。

案外可愛い人がやっていたりは…


「…らっしゃい、それを購入かい」


はい、そんなわけなく、やはり俺のイメージ通りの人がいましたね。


「は、はい、この小剣が欲しくて」


「…そうかい、500Gいただくよ」


そう言うと、俺のゴールドから500G引かれ、残りが300Gとなった。

…300Gって意外と心許ないな。早くゴールドを貯めるようにしよう。


「ありがとうございます」


「ぷいっ」


「…あいよ。また来てくれ」


…少ししか話していないけど、意外と怖くなかったな。顔が少し怖かったけど、威圧感もなんもなかったし、優しい人なのかもな。

それに…、最後少しモイカの方を見て、微笑んでいるように見えたしな。


「はい、また来ます」


俺はそう言い、武器屋を出た。


ここの武器屋にさっきのアイテム屋。

どっちも、いい人が経営しているし、また来よう。

アイテム屋の方は丁寧にポーションについて教えてくれたし、武器屋の方も案外優しかったしな。


けど、これでやっと戦うことができるぞ!


「行くか!モイカ!」


「ぷいっ!」


「始めは……、南の森に行きますか。スポーンした地点に一番近いし、ボスがいる北とも逆方向だしね」


俺はマップを見ながら、行く場所を決め、そこに向けて歩き出した。



♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


・南の森・


「うおー、木がいっぱいだな」


始まりの街を南の門から出ると、そこにはたくさんの木が生えており、プレイヤーのような人も少し見えた。


「ぷいぷい…!」


「モイカもやる気満々だな。できればレベル上げとかもしたいけど、テイムも試してはみたいんだよな」


そう上手くはいかないかもしれないが、やはりテイマーという職業上、もっと仲間が欲しいという気持ちがある。

初めは、レベル上げに集中して、途中から少し試してみようかな。


「森の方に少し歩いてみるか」


「ぷい」


モイカは俺の肩から降りて、ここからは自分の足で動くようだ。

確かに、ここならあまり人がおらず、戦闘になった時も地面にいた方が歩きやすいからな。


「どんなモンスターがいるんだろうなー」


やっぱここは定番中にの定番であるスライムとかだろうか?始めの街の周りであるから、ボスのいる北にいかない限りあまり強いモンスターは出ないとは思うが…。いや、奥の方に行けばレベルの高いモンスターが出てもおかしくないな。もしかしたら、ボーンナイトのようなやつがいる可能性もある。


…あまり奥にはいかないようにしよう。


と、そんなことを考えていると…


「うん?なんかいるぞ」


何かが地面で動いている。


「アレは…、うん、スライムだ」



——————————————————


スライム ♂ Lv1


——————————————————


よし、やはりレベルも低いぞ。

これなら、俺でも倒せそうだ。


「モイカ、こいつは俺にやらせてくれないか?」


「ぷい」


モイカが頷いてくれる。ありがたい。


「ありがとう。…よし…!」


始めてのちゃんとした戦闘だ。

さっきのボーンナイトとの戦いは、俺としては戦闘とはいえないからな。


プルプルっ


向こうもこちらに気づいたようで、少し警戒している。


「…実際に見てみると、プルプルとはしているけど…、やっぱ少し怖いな」


現実の世界では、こんなモンスターいなかったからな。だから、モイカのような動物系の方が怖さはないように感じる。


「…行くぞ…!おらー!」


俺は、さっき買った小剣を片手に持ち、スライムに走って行く。

スライムも、ゆっくりとこちらに近づいて、攻撃をしようとしている。


「くらえ!」


ブンっ


俺は力に任せ、思いっきり小剣を振った。

スライムも、こちらに向かって飛んできて…



グチョっ



俺の小剣に当たった。


「よし!当たったぞ!」


手応えも結構いいと感じたのだけど…スライムはどうだろうか。


テッテレー


『スライムを倒したことにより、レベルが上がりました。ステータスポイント 5ポイントをゲットしました』


『初めてレベルが上がったため、スキルを覚えることができます』



————————————————————

名前 シド  Lv 2

人種 人間

職業 テイマー Rank1


HP : 25 (Max 25) MP : 10 (Max 10)

攻撃力 : 7(+3) 防御力 : 6 敏捷力 : 4

知力 : 6 器用さ : 3 ラック : 7

残りポイント 5


スキル

テイムLv1  以心伝心Lv1 撫でるLv1

残り獲得可能数 1


装備

・小剣 ランクE(攻撃 +3)


称号

お手伝いの開拓者


テイムモンスター

・モイカ(モルモート)


所持金 300G

————————————————————


「よしっ!レベルも上がった!」


ステータスポイントもゲットできたし、しかもスキルまでゲットできた。

それに、レベルが上がったことにより、体力とかも全て回復している。

これは、でかい!

ただ…、少しポーションが勿体なかったのかとも少し感じるが…、まあ、これはしょうがないな。


「まずは…ポイントから振るか」


うーん、何をあげようかな。

ここはやっぱ、攻撃力と体力を上げておいた方がいいと考えているけれど…


「うん、ここは体力と攻撃力、それと…ちょっとラックも上げておこうかな。なんかいいことがあるかもしれないし」


うん、そうしよう。

正直、まだ器用さとかは実感していないから、わからないしな。

多分、器用さは何かを作る時とかか?それとも、意外といろんな武器を使いやすくなるとか…。

まあ、またレベルが上がったら、他のも少しずつ上げていこうかな。


今は、さっきので振ってしまおう。



————————————————————

名前 シド  Lv 2

人種 人間

職業 テイマー Rank1


HP : 27 (Max 27) MP : 10 (Max 10)

攻撃力 : 9 (+3) 防御力 : 6 敏捷力 : 4

知力 : 6 器用さ : 3 ラック : 8

残りポイント 0


スキル

テイムLv1  以心伝心Lv1 撫でるLv1

残り獲得可能数 1


装備

・小剣 ランクE(攻撃力 +3)


称号

お手伝いの開拓者


テイムモンスター

・モイカ(モルモート)


所持金 300G

————————————————————


「うん、いい感じじゃないか?」


体力に2、攻撃力に2、ラックに1を振ったのだが、案外いいかもしれない。

もう少しで、攻撃力とラックも10いきそうだしな。

けど、防御力や敏捷力も戦闘だと大事だと思うから、次はこの二つも上げておきたいな。


「次はスキルなんだけど…、ここはやっぱ攻撃系スキルがいいよな」


…正直、さっきやった感じランダムも面白かったから、やってみてもいいのだが、流石に攻撃スキルがないとここから先キツくなると思うしな。


俺は、スキル一覧を見ながら、何がいいかと考える。


「めちゃめちゃたくさんあるんだよなー…」


次スキルがいつもらえるかもわからないから、慎重に考えているのだが、それでも迷ってしまう。

こういうところが優柔不断なんだよな…


「…よし、ここは今小剣を使ってるし、攻撃力も上げたのだから、小剣術にしようかな」


うん、これが一番無難だと思う。

攻撃系のスキルでもあるし、これさえあれば、小剣に関していえば自由に扱えそうになりそうだしな。


小剣術…小剣を扱いやすくなり、小剣に関する攻撃力もアップする。


————————————————————

名前 シド  Lv 2

人種 人間

職業 テイマー Rank1


HP : 27 (Max 27) MP : 10 (Max 10)

攻撃力 : 9 (+3) 防御力 : 6 敏捷力 : 4

知力 : 6 器用さ : 3 ラック : 8

残りポイント 0


スキル

テイムLv1  以心伝心Lv1 撫でるLv1

小剣術Lv1


装備

・小剣 ランクE(攻撃力 +3)


称号

お手伝いの開拓者


テイムモンスター

・モイカ(モルモート)


所持金 300G

————————————————————


うん、このステータス欄を見るだけでも楽しくなってくるな。


「やるべきこともやったし…、次はモイカも一緒に戦うぞ!」


「ぷいっ!」


「さっきはスライムで、レベルも1だったから、どうにかなったけど、次は何が出てくるかわからないからな。頑張ろうなモイカ!」


「ぷいぷい!」


モイカもやる気のようだな。

モイカもレベルとかを上げたいのかもな。


俺たちは、次のモンスターを探して、森の中に歩いて行った。



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読んでくれてありがとございます。


誤字脱字があればよろしくお願いします!








































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