第6話 NPCとのフレンド・初めてのアイテム屋
————————————————————
名前 シド Lv 1
人種 人間
職業 テイマー Rank1
HP : 5 (max25) MP : 10(max10)
攻撃力 : 4 防御力 : 6 敏捷力 : 4
知力 : 6 器用さ : 3 ラック : 7
残りポイント 0
スキル
テイムLv1 以心伝心Lv1 撫でるLv1
称号
お手伝いの開拓者
テイムモンスター
・モイカ(モルモート)
所持金 1100G
————————————————————
お手伝いの開拓者…初めてお手伝いクエストをクリアしたものに与えられる称号。
効果:お手伝いクエストの報酬が少しアップ
称号なんてあるのか…、そんなものがあるとは、やる前からわかっていなかったから少し驚いたな。
けど…、こういうものもあると、ゲームがもっと楽しくなりそうだ。
俺も時間があったら…色々やってみようかな。
効果は…、まあまあのものだが、ないよりはマシだろう。これから先、クエストを受けることもあると思うからな。
ただ、俺はそれよりも、ステータスを見てやらないといけないことを思い出す。
そう、体力がヤバいのだ!
ステータスをみるまで、完全に忘れていた…。ゲーム内時間もまだお昼過ぎだし、まだまだやりたいこともあるから、体力は回復させておきたい。
「すいません。受付の方…」
あ、そういや名前わかんないや。
「…あ、すいません。名乗ってませんでしたよね。私、シールと言います。このお手伝いクエストの受付をしています。…知ってる思いますけど…」
よかった。これでもう、受付の方と呼ばなくてもよくなる。
「俺はシドって言います。それで…回復アイテムとかが売っている場所と…あと、武器屋のある場所を知りたいんですけど」
俺は名乗ってから、場所を知りたかったお店のある場所を聞いて見る。
当初の目的は武器屋だったから、ついでに武器屋も聞いてみたのだ。
「あー、それですか。シドさんってプレイヤーの方ですよね?」
プレイヤーって…確かこのゲームをプレイする人のことだったよな。
それなら俺はプレイヤーていうことになるな。
「はい、そうです」
「それなら、頭の中で”マップ”と唱えれば、街全体のマップが出てきますよ。ステータスを見るのと同じ要領ですね」
「……え、本当ですか」
「はい」
…おおう。
マジか。そんなことも出来るようになってたのかよ…。
(マップ)
俺は頭の中でマップと念じてみる。
すると…
「本当だ。武器屋とか、アイテム屋、それにギルド等まで書いてある…」
モンスターギルドに、それぞれの職業のギルド…
テイマーギルドも描かれている。
めちゃくちゃ便利じゃないですか。
もっと早く知っていればなぁ、
「そうなんですよ。私はNPCですので、みたことはないんですけど、とても便利だということは聞いております。ただ…プレイヤーが経営しているお店は表示されていないので注意してくださいね」
なるほど、確かにお店を経営するプレイヤーもいるとは思うから、そこは自分で覚えないといけないのか。そっちの方が安く買えるなんてこともあるかもしれないから、少し注意しておこう。
「わかりました。ありがとうございます、シールさん」
「いえいえ、ぜひまたクエストを受けにきてくださいね!見ての通り、全然人がいませんので…」
俺は周りを見渡してみる。
…うん、確かに人は全然いない。
たまーに、人が入ってくるけど、すぐに出て行ってしまっている。
「…あー、はい。また来ますよ」
…正直、モンスターギルドの方がレベル上げやランク、スキルのレベルも上げれるから、そっちの方がいいのではと考えてしまっている自分がいる。
…ただ、まあ、こういうクエストにしかないイベントだったり、まだ俺の見たことのない場所とかも見れる可能性もあるからな。また少ししたらきてみようかな。それに称号のおかげで、少し報酬もアップしてるしね。
「あーー!そのちょっと微妙な反応…。別のギルドの方が良くない?みたいなこと考えましたね!」
「え?!なんでそれを…、あ、いや、そんなこと考えてませんよ!」
「今認めましたよね?!あー……、せっかくのお客様だったのに…、また客0人に戻っちゃうよ、」
そういうとシールさんは少し落ち込んでしまった。
…あれ?これって俺が悪い感じか?
…はい、多分俺のせいですね。
ここは少し慰めておこう。元々行く気は少しあったしな。
「あの…ちゃんと来ますから!色々とやってみたいことだってありますし!」
「…ほ、本当ですか…」
シールさんが、少し涙目になってこちらを見てくる。
…その顔は反則じゃないですかね。
あんま意識してなかったけど、シールさんは美少女と言っても過言ではないから…それが涙目となると…、絶対断れないじゃないですか!
また来ないとな…!
「はい!絶対来ますから!いつになるかはわからないけど…、必ず行きます!な、モイカ!」
「…ぷい?!…ぷいぷい」
「ほ、ほら、モイカも頷いてますし…!」
モイカがじーっとこちらを見てくる。
うん、ごめんって…。いきなり振っちゃてさ。
あとで美味しい物買ってあげるから許しておくれ。
「……そこまで言ってくれるなら信じます。モイカちゃんも言ってくれてますし」
ほっ…よかった…、なんとか信じてくれたようだ。
まあ、本当にくるつもりではあるから、シールさんも悲しまずには済むだろう。
次はどんなクエストを受けようか…、また考えておこうかな。
「…けど、少し不安ではあるので…、これを貰ってください」
うん?なんだろうか。
『NPCシールから、フレンド申請が来ました』
『許可しますか? はい いいえ』
え、フレンド申請?
「フレンド申請って、普通プレイヤー同士で行うものじゃ…」
「え、知らなかったんですか?このゲームでは、NPCともフレンドになれるんですよ。メニューにあるフレンドのところを見ても、プレイヤーとNPCと分かれているんですよ」
「へー、NPCともフレンドになれるのか…。流石は最新のゲームだ」
「はい、ですので、ぜひフレンドになってくださいね」
そういい、笑顔をこちらに向けてくる。
…まあ、可愛い子とフレンドになれるんだしね。
これは、許可するな!
『NPCシールとフレンドになりました。確認は、フレンドのNPC欄をご覧ください』
よし、これはフレンドになれたな。
「フレンドになれましたよ」
「そうですか!これで、あまりにも来なかったら…、連絡しまくりますからね」
なんか…、目のハイライトがなくなっているように見えるんだけど…、もしかしてヤンデレ要素とかも入れてるのか、このゲームは。
「わ、わかりました。必ず来ますから」
「ぷ、ぷい」
ほら、思わずモイカも反応しちゃってるよ。
「わかりました。楽しみにしてますね!」
これは、あまり長い間待たせたら、危ないパターンだな。
できるだけ早めに行こう…。
そんなことを考えながら、俺はお手伝いギルドを出た。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
(マップ)
俺はもう一度マップと唱え、武器屋とアイテム屋の場所を確認する。
「…二つとも完全に逆方向じゃないか」
始まりの街はでかい円形になっており、北南東西の四つに分かれている。
俺は、一番初めにスポーンした場所は南であり、俺は西の方向に歩いていったのだが、武器屋も、回復屋も逆の東の方向にある。
ついでに、モンスターギルドは、西からでも東から行っても変わらない距離である、一番北側にあり、テイマーギルドは、お手伝いギルドからもう少し歩いた、北西の方向にあった。
「歩くのは大変だけど…、まあ散歩だと思えばいいか。それに、モイカだっているしな」
「ぷいっ!」
「よし!じゃー、行きますか」
まずは…やっぱり体力は回復しておきたいから、アイテム屋だな。
俺たちは、アイテム屋に向かって歩き出した。
——————————————————————
俺たちは、西から南を通り、東の方にやってきた。
俺は、西側とは少し建物が違ったり、ある店が違ったりなどしていたため、景色などを楽しみながら、アイテム屋を探している。
「ぷい…」
モイカも目を少し輝かせながら、景色を楽しんでいるように見える。
「モイカはあまり街を見たことないのか?」
「ぷいぷい」
「そうか、俺と同じだな」
…まあ、考えれば、モイカもモンスターではあるから、いきなり街に出たりはしないか。
それに、確か、モルモートって人を見たら威嚇してくるみたいなこと書いてあったから、いきなり出てきたら、危ないしな。
だからこそ、こういう景色をいっぱい見せてあげないとな。
もっと違う景色も見せてやれるよう頑張ろう。
「…それにしても人が多いなー…」
「…ぷい」
「うん、言いたいことはわかるぞモイカ…。視線がすごいよな…」
「ぷい…」
肩に乗っているモイカは、視線が気になるのか、少し落ち着かない様子だ。
確かに、すれ違う人たちが必ずと言っていいほどにモイカを見るのだ。
何かコソコソと言っているのもわかるのだが…、何を言っているのかはわからない。
けど、多分『可愛いー』や『もふもふだ』みたいな感じだろう!
こんな可愛くてもふもふなな動物を見たら、そう言うに決まっている!
「ぷいー…」
当の本人は、それにうんざりしているようですがね。
モイカのためにも早くアイテム屋に向かいますか。
「多分…もう見えてくるはずなんだけどな」
マップを見ながら、俺は呟く。
マップを見れば、アイテム屋はすぐそこと書いてあるため、もう少し歩けば目印が見えてくるはず。
「…!あった!あそこだな」
俺は、看板にポーションの絵が書いてあるお店を見つける。
「モイカあったぞ。アイテム屋だ」
「ぷいぷい」
モイカも早く視線から逃れたいのか、少し嬉しそうだ。
「入りますか」
ガチャっ
「おーー…、ポーションとか罠とかいっぱいだ」
「ぷいー…」
入ってすぐに目に入ったのは、緑色をしているポーションたちだった。
他にも、色が違うポーションだったり、罠の類だったり、何か紙のようなものまでたくさんのものまで置かれていた。
「おや、お客さんかい、それに珍しいお客さんもいるな」
俺が周りを見渡していると、大人の女性が声をかけてきた。珍しいお客さんと言うのは多分モイカのことだろう。この人が、ここを経営している人かな。
「は、はい。ポーションが欲しくて」
「ポーションかい、うちには、大中小のものしかないんだが、どれがいい?」
「えーっと、値段ってどんな感じですか?」
「小ポーションが50G、中ポーションが75G、大ポーションが100Gだよ。うち的には、あまりお金がなかったとしても、中ポーション以上を買うことをおすすめするよ」
「え?なんでですか?」
俺的には、あまり金を持っている方ではないから、小ポーションをいくつか買おうと思っていたのだが…。
「それは…小ポーションがクソと言っていいほどに苦いからだよ」
「…マジですか?」
「大マジさ。中ポーションも苦さはあるが、小ポーションよりかは遥かにマシさ」
…こうやって教えてくれたんだし、ここは中ポーションを買っておこう。本当は一番安いやつを買って節約したいんだけど…苦いのは嫌だしな。外に出る時にも必要になると思うし、モイカもいるから、ここは少し多く買っておこうかな。
「中ポーションを四つください」
「あいよ!合計で300Gね」
すると、ステータス欄のところからゴールドが引かれていった。
なるほど、こうして買うことができるのか。
「はい、これが中ポーション四つね」
手渡してくれたポーションを受けると、それもメニューのアイテム欄に自動で入っていった。
マジで便利だ。
「はい!ありがとうございました」
「また来てくれな。そっちのお客さんもな」
「ぷいっ」
モイカも手を上げて、挨拶をしている。
偉いぞ。
「はい、また来ます」
俺はそう言い、店を出た。次は武器屋だな。
—————————————————————
見てくれてありがとうございます!
嬉しいことに、SF部門での週間ランキングが少しずつ上がっていくことができました。
これからも少しずつ書いていこうと思っているので、評価のほどをよろしくお願いします。
また、もし誤字脱字があれば教えてください!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます