第2話 始まりの街 そして お手伝いギルド

光が消え、俺が目を開けると、そこはまるで異世界のような街だった。


• 始まりの街 •


「ここが…ここがBACOの世界か…!」


やばい、めっちゃ興奮するぞ!


周りを見れば、獣人にエルフなど様々な種族がたくさんいる。

これのほとんどがプレイヤーだと考えると、少し緊張するな…今はそれよりも興奮が勝ってるけれど。


「あ、そう言えばランダムのスキルって何になったんだろ」


そう思い、ステータスを確認しようと思ったんだけど…

どう確認するんだ?

大体、ステータスって念じれば出てくると思うんだが…


————————————————————

名前 シド  Lv 1

人種 人間

職業 テイマー Rank1


HP : 25 MP : 10

攻撃力 : 4 防御力 : 6 敏捷力 : 4

知力 : 6 器用さ : 3 ラック : 7

残りポイント 0


スキル

テイムLv1  以心伝心Lv1 撫でるLv1


所持金 1000G

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うおっ、いきなり出てきたぞ。

やっぱ、念じれば出てくるんだな。覚えておこう。うん、


………


「な、撫でる…?」


撫でる…。撫でるってあれだよな、動物とか触ってなでなでする行為のことだよな…

ちょっと確認してみるか。


撫でる…撫でた相手に少しだけ安心感を与え、気持ちよくしてあげる。

(プレイヤーや大人のNPCには効き目がない)



うーーーーん…。

ポジティブに考えれば、わんちゃんモンスターに安心感をあたえて、テイムしやすくなる可能性もある


ただ…


「攻撃系は出なかったか…」


そこだけが残念。

ただ、自分でランダムだし、こうなることもわかっていた。


テイム、以心伝心、撫でる

この三つで始めは頑張っていこう。

もし、攻撃系が必要になったら、レベルアップした時に取ればいいしね




*第一目標 始まりの街の北にいる第一ボスを倒せ*




「うおっ…、なんか、いきなり声が聞こえて、目の前に文字も出たんだけど…」


声は女の人の声?で少しロボットっぽい声だった。

ただいきなり声が聞こえて少しびっくりしちゃったや。

けど…


「これが一つ目の目標か…!」


よし、まずはこれを達成できるように準備していこうかな。

多分、他のプレイヤーも同じように動くだろうし、俺もまだ仲間がいないからな


「うーん…、まずは、武器屋に行ってみようかな。攻撃力が低い分、武器で少しは補えることもできるし」


初めてのログインだからか、所持金1000Gあるし、多分安いものなら買えるだろう。

ただ、武器屋の場所がわからないから…


「まずは、お散歩といきますか」


本当は早く目標のボスを倒して、次に行ってみたいという気持ちもあるけど、やっぱ焦りは禁物だからね。

よし、武器屋を探しつつ、始まりの街をお散歩だ!


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢



少し歩いては見てわかったことがある。

それは…


「思ってた以上に広いな」


始まりの街でプレイヤーがたくさん来ることを見越してなのか、思ってた以上に広くなっている。


「これじゃ、すぐには見つからないよな…」


まだ少ししか歩いてないから、何とも言えないが、武器屋を見つけるのは苦労しそうだ。


周りを見渡すと、ヨーロッパ風にできている家やお店やらがたくさんあり、プレイヤーもたくさん歩いている。多分その中にはNPCもいるだろう。


「お、魔術師専用のギルドがある」


よく入り口を見てみると、魔術師っぽいローブを着た人が入ったり出たりしている。

あのローブとかも、もう買ったのかと思うとすごいな。いや、意外と安く買えたのか?

初めに1000Gあったし


「魔術師ギルドがあるってことは…テイマーギルドもあるんじゃないか…!」


そう思うと早く行ってみたいな!

ただ、職業の種類もたくさんあったし、それだけ専用のギルドがあるとは思えないから…、もしかしたら、主要な職業しかギルドはないかもしれないな、

テイマーが主要かどうかわからないから、何とも言えないな…


「…まー、歩くか。武器屋もだし、わんちゃんテイマーギルドもあるかもしれないし」


よし、どんどん歩いて見てみよう。




……



「って、意気込んだのに、また気になるものを見つけてしまった」


--お手伝いギルド--


「普通のギルドとかじゃなくて、お手伝いってところが気になるよな…」


お手伝いギルドに近づくと、入り口前に看板があったのでそこに目をやる。


お手伝いギルド…普通のギルドとは違い、困っている人のお手伝いをして、ゴールドを貯めることができます。


なるほど、多分普通のギルドではモンスター狩り系のクエストを受注できるけど、ここではお手伝い系のクエストを受注できるのか。

確かに、職業によっては、はじめっから普通のクエストを受けるよりかは、ここでゴールドを貯めた方が良さそうだな。


「…少し入ってみようかな、わんちゃん武器屋でゴールドが足りなくなるなんてこともあるかもしれないし」


ほぼ好奇心での行動だが、俺はお手伝いギルドに入った。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


「中は…思ってたよりは人がいないな」


やっぱりみんな剣士とか魔術師とか選んで、スキルも攻撃系にしたのだろう。

そうすれば、こっちには来ずに、普通のギルドに行くだろうし。


「えーーっと、あれがクエストボードかな」


入って少ししたら、右奥の方に大きなボードが見える。

よくみると、紙のようなものが貼っつけてあるし、あれがクエストボードだろう。


俺はそのボードに近づき、クエスト内容を見てみる。


「荷物運びに、荷物の受け取り、中には、子どもからの依頼もあるな」


その下には報酬も書いてある。

ほとんどがゴールドなのだが、ちょっとしたアクセサリーなどもあった。


「なんか良さげなクエストはー…、これとかどうだ?」


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クエスト名  落とし物を探して

応募者 ハルキ


ハルキ君が、街を歩いている時に、お父さんからもらったブレスレットを落としてしっまたらしい。

そのブレスレットは、青色で、名前も書いてあるみたいなので、見つけ次第お手伝いギルドに届けてほしいとのこと。

道は、お手伝いギルドの横にある細い道を歩いていたみたいなので、そこを重点的に探してほしい


報酬 100G


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報酬は少ないけど、これなら俺でもやれそうだ。それに、このハルキ君も困ってるはずだから、力にもなりたい。

…迷子になりそうで怖いけどね…


「まー、大丈夫か。この紙を受付に持っていけばいいのか」


受付は…、入り口をずっと真っ直ぐ行ったところか。女の人の受付人みたいな人も見えるから多分そうだろう。


俺はその紙を持ち、受付に向かう。


「あの、このクエストを受けたいんですけど」


「……え?!あ、すいません。クエストの受注ですね」


え、なんかめっちゃびっくりされてるんですけど…、なんかやっちまったか?


「あ、す、すいません。まさか、クエストを受ける人がいるとは思わなくて…」


ん?けど、少し入って人がいるような気がするけど、


「そうなんですか?クエストボードの方に人はいましたけど」


「はい…少しは入ってくるんですけど、みんなボードを見たらすぐに出ていっちゃうんですよ…。もともとモンスターギルド…戦う系のクエストを受けに行く人の方が多いですしね」


やっぱり…、みんな剣士とかの主要な職業を選んで、モンスターギルドに行っているのか。そう思うと、相当遅れを取りそうだけど、まー、ゆっくりやっていこう。

…てか、モンスターギルドって名前なのね。あの、モンスターと戦うクエストを受けるギルドのこと


「そうなんですか…。その、俺はテイマーなんで、初めはこういうクエストの方がいいと思って受けようと思ったんですよ。それに、ゴールドも少し貰えて、人の助けにもなりますしね」


「あ、テイマーさんなんですか!珍しい職業ですね」


え…珍しい職業なの?!意外と人気ありそうだけど


「…テイマーって珍しい職業なんですか」


「私はあまり見たことがないんですよ。昔に少しだけ見たぐらいですね。それに、なぜかはわかりませんが…、テイマーは初めの方がとっても大変らしいんですよ」


昔に少し見ただけで…初めの方はとっても大変と。


ということはー…、


え?もしかして俺今からめっちゃ大変な思いするの?結構気軽な気持ちでいたんだけど。


…少し気を引き締めてやって行こう。


「そうなんですか…。まー、大変なことも頑張っていきますよ!まずはこのクエストからですね」


「はい!では、この落とし物を探してを受注ということで大丈夫でしょうか」


「大丈夫です」


「わかりました。では、落とし物を見つけたら、ここお手伝いギルドにお持ちください。制限時間は今日いっぱいですので、それだけは注意してください。頑張ってくださいね!」


「わかりました!」


『お手伝いクエスト 落とし物を探してを受諾しました』


———————————————————————


クエスト名  落とし物を探して


制限時間 残り12時間


報酬 100G


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よし、この世界での初めてのクエストなんだから絶対にクリアしないとな。


待ってろよ、ハルキくん…!























    





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