第20話 求人広告準備
私は優秀でも下の社員に厳しくしすぎたり嫌がらせや馬鹿にする暴言で心を傷つける者やそれを見て楽しむ者もいたと理解し、そういった者達は仕事を辞める気があるないに問わず解雇した。
当然ながら部長は困惑する。
「水火様、ただでさえ人員がいなくなったのに仕事が出来る者の何人かを解雇してしまえば、教育や指導を行える者がいなくなります」
「要するに班長になる者でしょ。私は班長になるに相応しい人をこれまでの成績で残したの。今残っている社員5人がそう」
私は班長になるべき人物を5人選抜し、その者達以外は全て解雇させた。残した5人にも私からしてみれば悪いところがある社員だが、5人以外を解雇させたのには理由がある。
「水火様、何をお考えで?」
「今から新しく、ロープウェイ会社のメンテナンス職員を募集する。採用人数は25名」
「新たに新人を募集してどうするのですか? まさか、残りの5名に指導させると?」
「そういうこと」
私は今のメンテナンス担当部を良くするためには、一度部署を白紙に戻す必要があると考えた。
早速今日の定時まで求人広告による活動を部長と班長達に行わせた。1日ではそう簡単に人数は増えないが2週間待って面接を行うことにした。
ちなみに班長と部長には明日から3日間の休暇を与えた。
これは部長と班長にこれまでの苦労やストレスなどを一旦忘れさせるため。
今日はそれで終わって私はお義姉様と話し合いをする。
「ところで、今日1日はどうだったの?」
「社員をほぼ全員解雇させました」
「なんという。それではメンテナンス担当の者達はいないようなものではないの?」
「はい、ですがこれまでもいないようなものでした。ですから班長となるべき者だけを残し解雇させたのです。また社員全員は精神的に疲れており、退職したい者も多数おりました」
この私の話を聞いてお義姉様も共感する。
「そうね。確かに精神的に疲れ切っているわ。でもだからといって彼らを簡単に解雇させるとしても」
「まさか、まずいと?」
「まずいとは言わないわ。それで求人広告はしたのかしら?」
「はい、人数はしばらく様子を見ることにします。それとメンテナンス担当部は3日間お休みさせました」
「それは何故なの?」
「彼らのこれまでの苦労を癒すためです。彼らはこれまでお休みがなくストレスも溜まっていたように思えます。そのため、休みを与えストレスを発散させることにしたのです」
「そう、いいんじゃない? あなたがそのようにした方がいいというなら」
お義姉様は私の考えに納得した。
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