第12話 尾阪の町で職探しする
尾阪の町に着いた。やくざに絡まれていた女性おかよさん
も一緒だ。彼女は浜の網元の家に住み込みで浜仕事を手伝って
いたのだが、その網元がさっきのヤクザ、黒金一家の賭場で
借金を作ってしまい、おかよさんを越後屋の妾にする企てに
強力すれば借金をチャラにすると言われ喜んでおかよさんを
売ってしまったのだと聞いた。
おとみたちが尾阪の町に行く途中だと聞いて、
私、もう行くところが無いので一緒に尾阪に連れて言って
欲しいと頼んできた。自分の前に立って、ヤクザから
守ってくれた才蔵にぞっこんのようだった。
「尾阪の町で仕事を探して暮らそうと思います」
「私も仕事を探そうかな……いつまでも甚兵衛さんのお世話に
なっているわけにもいかないし……」
「ええーおとみちゃん。村から出ちゃうの?」佐助が慌てて言う。
「うん。独り立ちしないとけないしね」
「そうだな俺達も今後のことを考えないといけないなあ」
尾阪の町ではおとみの魔石の売場を探しながら
自分も働けそうな仕事を探していくことにした。
おかよさんも一緒に行動する。
先ずは宿を探す。運良く湯屋も経営している宿が見つかった。
食事付きで1泊7000円お風呂はとなりの湯屋を利用すれば
風呂代は2割引きしてもらえる。
男組と女組で2部屋とった。宿賃はおとみが負担する。当然
食事代は追加で頼んだ者が自己負担する。まあ追加するのは
おとみだけだろうが……。
ひと風呂浴びて宿に帰ると。おかよさんが足を気にしていた。
慣れない旅で痛めたようだ。
「おかよさん、足見せて、私が揉んであげる」
「なにからなにまですみませんお世話になりっぱなしで」
「いいのよ。私これでも按摩は得意なのよ」
足袋を脱いだおかよの足は
あちこち豆が出来ていて血が滲んでいるところも有った。
おとみは先ず治癒魔法をかけた。疲れた足は丁寧に
マッサージした。
「すごいです。疲れも痛みも無くなりました。
おとみさんこれで食べていけますよ。
「そうかな、だと嬉しいけれど」
翌日、才蔵佐助に事情を説明して、按摩屋と、細工屋を
探しながら町を歩いた。
ちょっと大きな小間物屋があった。入ってみると簪だけで
なく、お洒落な巾着袋にも宝玉を使っている。 期待出来そうだ。
おとみはホーンラビットの魔石の他に、フオレストウルフ
の魔石、オークや、オーガの魔石を出して、交渉を始めた。
どれもニッパン国には無い宝玉なので。総額1500万円で
売れた。
クラーケンの魔石は売らなかった。
魔石はまだ今回売った数量の3倍は残っている。
修行中に、食料目的に狩ってきた魔物たちなのだ。
改めておとみの凄まじい食欲にビックリする。
その日は按摩屋の情報は得られなかった。
宿で仕事の口入屋が有ることを知って、
明日訪ねてみようということになった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます