第15話 俺は夜は眠れない②
「おはよぉー。」
「おはよ実兄!」
「おはよ!」
いつも通りの朝の風景。ご飯はもう準備されていて、もう冷めきっているのを食べる。2人は朝元気だが、俺だけはそんな感じじゃなかった。
「(あれから結局、1時間も寝れなかった。)」
昨日の分のノルマを朝、日が昇ると同時に終え、やっと就寝した。が、なかなか寝付けず、こうやって起きてきたわけだ。
「今日はあおいちゃん来るんだよね!」
「そうそう、家の近くまで来たら連絡するって言ってた。」
「やったー!」
3人一緒に朝ご飯を食べる。我が家の1つのルールだ。何があってもご飯は一緒に食べる。こうやって楽しそうな2人を見れるからいい。
食べ終わってすぐに俺のスマホが鳴る。
aoi 『駅前着いたよ〜』
Sane『りょーかい』
『今から行くわ』
手短に連絡をして2人に目を移す。
「いい子にしてお留守番できる人!」
「「はぁーーい!」」
「じゃあ、インターホンが鳴っても絶対に出ないこと。鍵は閉めてくから仲良くしといてね。」
「「はぁーーーい!」」
2人の頭を優しく撫でて、靴を履く。家から駅までは300mくらい。遠くもなく近くもない。そんな距離だ。
しっかりと鍵を閉めて走り始める。運動は苦手だが体力だけには自信があるので駅までノンストップで走った。
「どこかな?いた!根森さん!」
「沖田、おはよ。走らんくて良かったのに。」
「いや、2人を待たせてるから早くしないと。」
「じゃあ私たちも早く帰らないと。」
「だな。」
俺たちは家の方を向いて、早足で歩き始めた。
歩いたので4分くらいかかってしまって、すぐにドアを開ける。ちゃんと鍵を閉めていて良かった。
「ただいまぁ〜。」
「お邪魔します。」
「「あおいちゃーーーん!」」
家に入るなり、2人が根森さんに抱きつく。いい風景だ。俺に抱きつかないのは根森さんが優しすぎるからか、それとも単純に俺の事を嫌っているのか。前者であってくれ。
「2人とも、今日はお姉ちゃんはお兄ちゃんと勉強するから、いい子にしてるんだよ。」
「「はぁーーーーい!」」
これは絶対に俺なら聞かないな。多分。
「じゃあやろっか。」
「うい。」
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