お泊りで混浴ってお決まりだと思う

「温かいですね。りゅうさん」


 どうしてこうなった。

 ちゃぽんと天井から水滴が落ちてきた。

 見ないようにしている前を見ると頬を蕩けさせているゆう。


「ああ……そうだな」


 できるだけゆうの綺麗なあそこやあそこやあそこを見ないようにして答える。


「もうっこっちを見てください」

「まじ止めっ」


 どうしてこうなったのかそれは一時間ほど前に時間は遡る。



「ゆうさん。一緒にお風呂入りましょう」

「ぶふっ!」


 俺の彼女は急に何を言い出すんだ。

 とても魅力的なお誘いではあるのだが流石に何かのマチガイがあっても困る。

 責任は取るけどね。


「ゆう。とりあえず落ち着こう」

「私は落ち着いてますよ?」


 なにかおかしいですか? とゆうの瞳が言っていた。

 確かに幼い頃一緒に結城とゆうで一緒に入ったことがあるがこれとは別だ。


「今俺たちは思春期真っ盛りのの高校生。ここまでオーケー?」

「はい」

「そんな人が全裸で二人きり。どうなるか分かってる?」


 俺の理性はそんなヤワなものではないはずだが誘われてしまったらもう駄目だ。

 だが男子高校生の性欲をナメないで欲しい。


「あー疲れた疲れたほんと嫌になっちゃうわあのクソ上司が……あっ優香ちゃんいらっしゃい! お泊りでしょ。ゆっくりしてって!」

「休日出勤お疲れ。母さん」


 ゆうの肩をポンポンと手を置いた母にねぎらいの言葉をかける。

 ちなみにだが俺の家は母子家庭だ。

 父は中一の頃に事故で死んでしまった。だからパートを掛け持ちして働いているのだが最近は鬱憤が溜まっているようだ。


「ほんっと疲れたわーでもこんな日に飲むビールが美味しいのよー!」

「飲みすぎるなよ」

「分かってるわよ! ところで今どういう状況なの?」


 母さんが俺の後ろを指差す。


「むぅ……りゅうさんのイジワル」


 そこにはぷっくりむくれているゆうがいた。


「どれどれ私が聞いてあげましょう」


 それに嬉々として乗っかかる母さん。

 止めてくれ、これだと十中八九混浴することになる。


「紗友里ん――実は――って事があって」

「よし! 瑠斗行きなさーいっ!」

「でも母さん。なんかがあったら不味いだろ!」

「でもじゃなーい! 据え膳食わぬは男の恥でしょ! なんかあったらその時なんとかしよう!」

「んな楽観的なっ」

「ほら行った行った! 優香ちゃん今のうちだよ!」

「はいっ!」


 母さんに背中を押されて無理矢理浴室に連行される。

 ゆうは満面の笑みで俺の手を繋いできた。

 ああっもう。かあいいじゃねかよ。

 そして今に至る。



「昔よく一緒に入りましたよね」

「そうだな」


 結城と一緒にお湯をかけ合ったりしてたっけ。それでお湯が少なくなってしまって母さんに怒られた記憶がある。


「これからも一緒に入っていいですか」

「程々にな……」


 さっきから当たる柔和な肌には耐えられる気がしない。

 タオルを巻いているとはいえ男子高校生には刺激が強い。まあそれな女子高校生も然りだと思うがな。

 実際ゆうの顔は湯気でゆらゆら揺られて火照っているが耳まで真っ赤に染まっていた。


「なあゆう」

「なんですか?」


 ふと思ったことを言ってみる。

 ちょっと恥ずかしいがな。


「俺とけ……結婚とかってしてみたいか?」

「へっ」


 ゆうが体を固まらせて水にブクブクと沈んでいった。


「いや忘れてくれ……まじ恥ずいから」

「っ嫌です忘れません!」


 すごい食い気味で言われた。沈んでいた割にはレスポンスが早かったな。


「……りゅうさんとずっと一緒にいたいですし」


 そっと言われた言葉が俺の心臓を撃ち抜いた。

 そんな事言われたら俺は――


「ゆうが高校卒業したら、待ってて」

「はいっ」


 ――将来頑張らないとな。色々。












お泊り編完っっっっっっ!

え、添い寝シーンは? と思ったあなた。大人しく手を挙げなさい。

真冬に高度な添い寝シーンなんか書けましぇん。

あれで一つ物語を作れる人尊敬します。

まあダラダラと書いているこれそろそろ完結します。

それまでゆっくり読んでくれると嬉しいです。

♡コメント、☆感謝します! 励みになってます!

最後に宣伝っ! ファンタジーだけど許してっ読んでっ

世にも楽しい異世界召喚〜異世界来たので冒険したい〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330661461497997

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