閑話 シスコン野郎の生態(と言う名の真冬がふざけたいだけだったり)

あるシスコン野郎の生態①

 やぁ諸君。元気にシス活シスター大好き活動してるかい? 俺は毎日しているぞ!

 俺のシス活は朝の五時から始まる。

 そんなに早く起きて何をするかって? マイシスターのご尊顔を激写するためさ!

 静かにマイシスターの部屋のドアを開け忍び込む。完全に不審者のだが今俺を止めるものはいない! さぁいかん! マイシスターのところへ!

 ひたひたと薄暗くなってきた部屋を歩く。

 マイシスターの机には俺たちの幼い頃の写真。りょっちも写っていて優香はりょっちの手を握っていた。ああマイシスターこの頃から君はりょっちに懐いていたね。いつも俺には目もくれず拙い口で「りゅうさん」と呼んでいた。

 っといかんいかん。思い出に耽っていたらマイシスターのご尊顔を見逃してしまう。

 すうすうと寝息を立てて眠るマイシスター。


「ん……りゅう、さん」


 我が幼馴染の名前を呼ぶマイシスター。ってん? この前まで「瑠斗さん」と呼んでいなかったか? お”ぃぃぃぃりょっちぃぃぃ! いつの間にそんな親密になってんだぁぁ! まありょっちだから良いけどね?! りょっちだから! (二回目)


「好き……です」


 あ”っっっっっっっっっっっっっっ。


 …………

 ………

 ……


 はっ! 一瞬意識が飛んでいた。くそっ、りょっちめここまで惚れさせるとは……恐ろしいやつだ。

 まあのこともある。りょっちなら任せられる。

 でもさぁぁぁぁぁぁ! 寂しいじゃん! 愛しのマイシスターがいなくなるなんて!


「んぅ……」


 おお愛しのマイシスターが身じろぎをしなさった。そのとき寝間着がめくれて可愛らしいおへそが見える。

 エッッッッ!

 滑らかなくびれ。美しい曲線。シミのない白い肌。これは全てりょっちのためにやっていることを俺は知っている。

 だから俺は優香の恋を応援したい。

 優香、俺の醜い嫉妬だけど許してくれよ。


「ん……お兄ちゃん? なんでいるの?」


 ああっ! マイシスターを起こしてしまった。

 マイシスターの視線がスマホに向かう。


「お、おはよう優香」

「お兄ちゃん。流石にキモい」

「あ”っっっっっっっっっっっっっっっっっっ」


 ジィィィィィィザス!

 俺は頬に冷たいなにかが伝ったのが分かった。触ってみると何も流れていなかった。そうかこれは心の涙か……。


「お兄ちゃん。りゅうさんって音楽好きだったよね」

「意外とな。クラシックとか聞くぞりょっちは」

「そう、ありがとうお兄ちゃん」


 ありがとうお兄ちゃん。……ありがとうお兄ちゃん。………ありがとうお兄ちゃん。

 頭の中で反響する声。これで俺の心は救われた。


「急にどうした?」

「今度りゅうさんとデートに行くの。だからお兄ちゃん邪魔しないでね」

「あ”っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!」


 嬉しそうにはにかむマイシスターを横目に俺は気絶した。






§

シスコン野郎の生態①あとがき

 シスコンの話でした。この閑話は各章の最後にあげていくつもりです!

 楽しんでいただけたでしょうか。

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まぁまぁおもろいんじゃない? ☆☆

おい真冬! もっと頑張れ ☆

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