美人で可愛いSランク冒険者の弟子になった俺、俺のことを大好きで過保護な師匠が俺を好き過ぎてクエストに行かせてくれない!〜俺は早く強くなりたいのに師匠は俺とイチャイチャしたいらしい〜
第43話 アリア=フェルステ対モンスターの大群
第43話 アリア=フェルステ対モンスターの大群
「……思ったより多いね」
ミレーナが焦ってたみたいだからどのぐらいの数かと思ったら、見た感じ地上に七千と空中に三千で、合計一万って感じかな……どうしてアディンくんと大事な話してる時に来ちゃうかなぁ……
「まぁ、いくら弱いのが集まったって────私には勝てないけど」
私は早くアディンくんと話の続きをするために、アディンくんが危ない目に遭ってまで戦わなくても良いために、いち早くこのモンスターの大群を全滅させることにした。
「今気分悪いから、手加減できないけど……こんな時に攻めてきたそっちが悪いから、悪く思わないでね」
モンスターたちには聞こえないし、聞こえたところで人の言葉は理解できないだろうけど、一応そう呟いてから、私は地上と空中両方に向けて雷魔法を広範囲に放った……今の一撃で倒せたのが四百ぐらい、ね。
もっと倒せるかと思ったけど……なんか気持ち悪い違和感。
まぁ、やっぱり広範囲にすると魔力が分散されるから威力が下がっちゃうってことかな。
とりあえず、私は適当に手当たり次第モンスターが居るところに雷魔法を放った……あと七千ぐらい、かな。
最初は思ったより倒せないなって感じたけど、そのあとは特にその違和感感じなかったし、気のせいだったのかな。
あのモンスターたち、街に行くことしか考えてないみたいだし、この調子なら全滅はさせられる────けど、街に到達するまでに倒せるかは五分五分……私がアディンくんを連れて街から離れるか、それとも全滅させるかどうかを考えながらモンスターたちに雷魔法を放っていると、地上の方から人の声が聞こえてきた。
「フェルステさんがもうモンスターと戦ってるぞ!俺たちも続け〜!」
「おお!」
地上の方で、見た感じAランクかBランクが大半の冒険者たちが、モンスターの大群に向かって行って、戦闘を始めた。
……魔力量が節約できるのは嬉しいけど、冒険者に当たる可能性があるから地上に広範囲魔法を使えないってことを考えたら、差引きゼロだね。
その後しばらく、私は地上の冒険者たちが倒しづらそうにしている空中のモンスターに絞って広範囲魔法を放っていくことにした……他の冒険者たちも戦ってるけど、あのモンスターたちはあと十分ぐらいで街に到達する、数は……地上に三千五百と空中に千って感じかな。
「……あれ」
その後も空中のモンスターを倒していると、私はある箇所に目を向けた。
……魔力の乱れが大きすぎるせいで気づけなかったけど、よく見てみると一体を中心としてモンスターが強化されているのがわかった……思ったより倒せないなって思ってたけど、さっき感じた気持ち悪い違和感ってこれのことだったんだ。
その後で最初感じた全然倒せないっていう違和感がなくなったのは、あいつの周辺以外のモンスターは強化されてないから。
「……」
魔王軍幹部かはわからないけど、少なくともこの大群を仕切ってるやつっていうのはわかる……あいつを倒したら、一気にこの大群は崩壊する。
他の冒険者たちはそのことに気づいてない……数を利用してあいつは上手くそのことをカモフラージュしてるみたいだし、空中に居る私でも今気づけたんだから気づけなくても仕方ないか。
「地上の冒険者にそれを伝えてあいつを狙わせる?」
ううん、そんな余裕はないだろうし、あいつの元まで辿り着くためには、地上に居る冒険者たちは今の連携を崩さないといけなくなる。
「……私がやるしかない、か」
私はできるだけ魔力を抑えながら空中を移動して、モンスターを強化しているやつのところの真上まで行った。
ここから攻撃しても良いけど、この位置なら魔力を察知されて、他のモンスターを盾にされる可能性がある……じゃあ。
「あいつだけ倒して、あとは全滅させるだけ!」
そう決めた私は、その一体だけに狙いを定めて高速で近づくと、そいつを炎魔法で倒した。
「あとは離脱────」
しようとした時、私の前方からモンスターが複数体やられることを気にせずに突撃してきた……
「意味ないから」
私はすぐにそのモンスターたちに氷魔法を放って氷漬けにすると、今度こそ空中に────
「は、はぁ!?何それ!?」
モンスターたちは街に行くことしか考えてなかったはずなのに、空中に居たモンスターたち七百体全部が私の方に向かって突撃してきた。
突撃するまであと五秒……氷魔法使って空中に風魔法で飛んだ直後の今に、七百体のモンスターをあと五秒で討伐するのは、ギリ無理────じゃない、アディンくんの師匠の私が、無理なんて言えない。
だったらもう、私自身がどうなっても────アディンくんの安全を守る!
私は、自分自身がどうなるかもわからないけど、離脱のための一割以外の残ってる魔力を九割使って────
「え?」
私がアディンくんのことを守るって決意した時、私の目の前からモンスターが二百体消えた……残り、五百?
全く強化されてない五百体のモンスターをあと五秒で倒すのは────簡単。
私は、すぐに空中に向けて炎魔法を放ち、五百体のモンスターを倒して、すぐに空中に離脱した。
「……でも、誰があの二百体を────」
「アリアさん!大丈夫ですか!?」
すると、空中に浮いている私の元に、同じく空中に浮いているアディンくんが来た……え、アディンくん!?
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