美人で可愛いSランク冒険者の弟子になった俺、俺のことを大好きで過保護な師匠が俺を好き過ぎてクエストに行かせてくれない!〜俺は早く強くなりたいのに師匠は俺とイチャイチャしたいらしい〜
第38話 ミレーナさんと海の気分を味わおう!
第38話 ミレーナさんと海の気分を味わおう!
ミレーナさんと合流した俺は、ミレーナさんと一緒に歩き始めた……すると、ミレーナさんが話し始める。
「アディンさんと二人でお出かけ……嬉しいですね、それにしても、アリアさんは許してくださったのが少し意外です」
「アリアさんが許してくれたっていうか……今日はアリアさんが用事があるとのことだったので、特に何も伝えずに来ました」
「そうだったのですね……私は、今日は仕事のことなどは一度忘れて、アディンさんとのお時間を楽しもうと思います」
「はい、ミレーナさんの仕事の疲れが少しでも無くなってくれたら嬉しいです」
「それはもう、アディンさんのことを見るだけでいつも疲れが半減してますよ」
そう言って、ミレーナさんは微笑んだ。
俺のことを見るだけで疲れが半減、というのはいくらなんでも大袈裟だと思うが、それでも俺が居ることによって少しでもミレーナさんに良いことを引き起こしているなら、そのことは素直に嬉しいと思った。
「それなら良かったです」
だが、ミレーナさんは次の瞬間には少し困ったような表情をしながら言った。
「ただ、基本的にいつもアリアさんも一緒に居るというのが少し難点ですね……私がアディンさんに修行をつけるのがダメというだけで、私に会うのがダメというわけでないのでしたら、もっと私に会いに来てくださっても良いんですよ?」
「ミレーナさんも書類仕事とかで忙しいと思うので、俺にそんなに時間を使ってもらうわけにはいかないですよ」
「アディンさんが来てくださるのでしたら、いくらでも時間を空けますよ……例えば、修行に疲れて私に癒されたくなったりした時などにでも来てください、いやして差し上げます」
ミレーナさんは優しい声音でそう言った。
「そこまで言うなら、修行終わりとかにちょっと顔出します」
「はい……話している間に、今日の目的地に着きました」
「……え?ここ、ですか?」
ミレーナさんが目的地と言った場所の建物は、魔術大会が開かれた闘技場と同じぐらいの大きさだったが、あの闘技場とは雰囲気が違って、戦う場所というよりも日常の一部といった感じの雰囲気だ。
「ミレーナさん、ここは……?」
「スモールオーシャンと言って、海に居る生物や海に出現する危険性のないモンスターたちのことを観察できる場所です……先日セーフティーオーシャンに行かれたとおっしゃられていたので……セーフティーオーシャンはモンスターが出ないことがとても大きな利点ですが、その代わりに魚などの生物も存在していないので、今日はこのスモールオーシャンで海の生物なども見て、アディンさんには改めて海を楽しんでもらいたいんです……私を仲間外れにしたんですから、海気分ぐらいは私と一緒に味わっていただかないと困ります」
ミレーナさんは頬を膨らませながらそう言った。
……一緒に出かけると言った時に俺のことを許してくれると言っていたような気がするが、頬を膨らませながらこんなことを言うってことは、ミレーナさんの中ではどうやらまだ根に持っているところもあるみたいだ。
そこも少し気になるところではあるが……スモールオーシャン。
俺としても海の生物を見たりしたことはないし、ましてや危険性は無いと言っても、俺からしたらモンスターを間近で見られる機会というのはかなり貴重な機会なため、それを逃す手はない。
「わかりました、俺と一緒に海気分を味わいましょう」
「っ……!はい、ありがとうございます……!」
ということで、俺とミレーナさんは一緒にそのスモールオーシャンと呼ばれる場所に入った。
すると、早速たくさんの水槽があって、一つ一つに見慣れない生物たちが存在していた……俺も冒険者、今まで見たことのない生物とかモンスターとかは────とても興味がある!
「ミレーナさん!早く行きましょう!」
「アディンさん、そんなに急がなくても……年相応の少年のようなところも、素敵ですよ」
ミレーナさんは優しい表情で何かを言っていたが、俺は魚の入っている水槽の方にとても意識が向いていたため、何を言っているのか聞き取ることができなかった。
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