美人で可愛いSランク冒険者の弟子になった俺、俺のことを大好きで過保護な師匠が俺を好き過ぎてクエストに行かせてくれない!〜俺は早く強くなりたいのに師匠は俺とイチャイチャしたいらしい〜
第19話 魔王軍幹部討伐クエストを受けよう!
第19話 魔王軍幹部討伐クエストを受けよう!
今日は、アリアさんの所用ということで、アリアさんと一緒に冒険者ギルドにやって来た。
ギルドは相変わらず賑わっている。
アリアさんはその担当受付嬢であるミレーナさんに用事があるということで、ミレーナさんのところに歩いて行った。
俺もそのあとをついて行った────が。
そこには受付に居るミレーナさんとそのミレーナさんと対面して、俺たちに背を向けて立っている長髪で水色髪の女性、シュテリドネさんが二人で何やら会話をしているようだった。
「────クエストというのは単にモンスターを倒したり必要な素材を集めるだけではなく、その依頼を出した依頼者をも助ける行為だ」
「そんな素敵な考えを持ってクエストに臨んでおられるとは、流石クエスト達成数第一位の方ですね」
「冒険者として当たり前のことを日々しているだけだ……ん?」
「それが、その当たり前のことをしてくれない方も居るんですよ?それもSランク冒険者の方で、私が受け持っているアリア────」
「ミレーナ、約束通り例のクエスト受けに来たんだけど」
おそらく今からアリアさんの悪口を言おうとしていたミレーナさんのことを威圧するようにアリアさんは言った。
俺たちに対して背を向けているシュテリドネさんはアリアさんが声をかける前に俺たちに気づいていたようだ……ミレーナさんは受付に居るからすぐに俺たちに気づいても良さそうなものだが、気づかなかったんだろうか。
……そう思ったのも束の間。
「あら、失礼いたしました、まさかアリアさんが約束を守ってクエストを受けてくださるとは思わず、ついつい日頃の鬱憤を晴らしてしまうところでした」
そう言って、ミレーナさんは微笑んだ。
どうやらアリアさんのことに気づいていながら、わざと目の前でアリアさんの悪口を言うつもりだったようだ。
それはそれとして……
「アリアさんの用事って、クエストを受けることだったんですか?」
「うん、クエスト内容は魔王軍幹部の討伐で、詳しく言うとなんか魔王軍の幹部がここから近くの街を攻撃しようと準備してるらしいから、それを止めるために魔王軍幹部を討伐しようってこと……ここから遠かったら気にしなかったけど、もしかしたらアディンくんにも危害が加わっちゃうかもしれないって思って、すぐに対処しておくことにしたの」
「魔王軍の幹部……大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ、私二年前に魔王軍の幹部無傷で倒してるし」
「でも……」
「アディン=アルマークス君の言う通りだ、アリア=フェルステ、甘く見ていると足元を掬われることになる」
「私が足元掬われることなんて絶対ないよ、一年前の……思い出の中にしか大事なものが無かった私ならともかく、今は私が強くあり続けないといけない理由があるんだから」
そう言うと、アリアさんは俺のことを見て優しく微笑むと、俺の頭を軽く撫でた……アリアさんが俺のことを大切に思ってくれていることが、心身ともに伝わってくる。
アリアさんは俺の頭から手を離すと、ある疑問をシュテリドネさんにぶつけた。
「ていうか、どうしてシュテリドネがこのギルドに居るの?」
「昨日防具店で二人と話し終えたあと、アリア=フェルステとアディン=アルマークス君の後を追っていたら、このギルドの宿舎に泊まっていると判明したから、昨日からここのSランク冒険者用宿舎部屋……というか、君たち二人の隣の部屋を使わせてもらっている」
「はぁ!?」
アリアさんは、そのことに大きな驚きを示した。
隣……それなら、今後シュテリドネさんと会う機会も増えるかもしれないな。
「あ〜!それなら早くアディンくんと二人だけの空気を吸いたいから私とアディンくんはここで、じゃあミレーナ、面倒な書類関係はよろしくね……行こっか、アディンくん」
「はい」
俺はミレーナさんとシュテリドネさんに一礼すると、アリアさんと一緒に冒険者ギルドを出た。
「アリア=フェルステ……魔力量と魔力の扱いに関しては、最強級と評しても問題ない、それに戦闘面での洞察力と対処能力も高いため、純粋な戦闘でなら早々負けることはないだろう……だが、危ういな」
「はい、戦っている最中は最適な判断を下すことができるアリアさんですが……」
「あぁ、戦闘以外のことで、何かアリア=フェルステの感情を乱すようなことがあれば、その時は……それが今度の魔王軍幹部というものに、当たらないことを願っておこう」
「……そうですね」
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