第15話 初めてのほぼ実戦をしよう!

「さぁ!第三試合は、第一試合で壮絶な戦いを見せたアリア=フェルステさんの弟子でありながら、まだ一度もその力を見せていない未知の人物アディン=アルマークスさんと、パーティーの補助役として様々な経験を積み、すでに多数のパーティーからスカウトが来ているまさに新進気鋭のレント=レンデルさん、十五歳同年齢対決です!!」


 その司会者の人の声に、観客の人は盛り上がった。

 ……アリアさんの弟子ということを公言されてしまった上に、一度も力を見せていない未知の人物?

 その通りだけど、ハードルが高すぎるというか……アリアさんの弟子と紹介されてしまった以上は、元々勝つつもりだったけど、アリアさんに恥をかかせないためにもさらに負けるわけにはいかなくなった。

 相手はオレンジ髪の少年で、どうやら俺と同じ十五歳ということらしい。

 ……もう多数のパーティーからスカウトが来てるなんて、かなり優秀な人であることは間違いない、気を引き締めていこう。


「それでは早速始めていただきましょう、第三試合、アディン=アルマークスさんバーサスレント=レンデルさんの開幕です!!」


 俺はまず相手の出方を見ようと、剣を構えてレンデルさんに意識を向けようとした────が、観客席から綺麗で大きな声が俺に向けられてくるのが聞こえた。


「きゃ〜!アディンく〜ん!かっこいいよ〜!頑張って〜!」

「……」


 アリアさんが恥ずかしくなるほど大声でそんなことを言っているが、俺は一度気にしないことにして、レンデルさんに意識を向ける。


「くらえ!」


 レンデルさんは、そう言って俺に炎魔法を投げてきた。

 アリアさんに比べるとかなり遅いし、この程度なら普通に避けられる。

 俺がその攻撃を避けると、観客の人たちが少し盛り上がっていた。


「避けた……!?」


 レンデルさんも驚いている様子だが、俺は落ち着きを持って今度は俺の方から水魔法でレンデルさんに攻撃した。

 レンデルさんはその水魔法を避けることができず、その衝撃によって軽く吹き飛んだ……だが、多数のパーティーからスカウトされているということは、きっとスライムすら倒せない俺なんかよりも何倍も強いはずだ。

 きっとここで俺の実力を見極めて、次以降に色々と仕掛けてくるんだろう。


「……レンデルさ────」

「第三試合終了!勝者は、アディン=アルマークス!!」

「うおおおおお!!」

「……え?」


 試合終了と告げられたことに困惑していた俺だったが、よく見てみると怪我はあんまりないみたいだが、さっきの衝撃でレンデルさんは気を失いかけていて、起き上がることができない様子だ。


「……俺の、勝ち?」


 ……勝ったのは事実だけど、アリアさんとシュテリドネさんの戦いを見てからだと、試合が短すぎてあまり勝ったという感覚がない。

 俺が複雑な気持ちで居ると、戦闘している時は意識から外していたアリアさんの声が聞こえてきたので、俺はその声を聞く。


「アディンくん〜!もう本当かっこいい〜!アディンくんは魔力からもうその魅力が伝わってくるよ〜!」


 ……他の人ならともかく、アリア=フェルステさんがそんなことを叫んでいるということで、アリアさんは注目を集めていたため、俺はすぐにアリアさんのところまで戻った。


「おかえりアディンくん!かっこよかったよ!」

「アリアさん……!大声であんなこと言われると恥ずかしいですから!」

「え〜、本当のことしか言ってないよ〜?試合中もずっとアディンくんのこと声出して応援してたからね!」


 俺が聞いてなかっただけで試合中もずっと声に出して応援してくれてたのか……でも、その声に出した応援内容は聞かないようにしておこう。


「ありがとうございます……なんか、あんまり勝ったって実感がないんですけど、一応俺の勝ちなんですよね?」

「勝ちだよ!」

「……実感ないですけど、一応初めての実戦形式のもので勝てたのは嬉しいです!」

「うんうん!アディンくんはきっと今日だけでも経験を積んだって意味で大きな成長をしたと思うよ!」


 そう言うと、師匠は俺の頭を軽く撫でた。

 その後、俺は訓練生枠だったため一度しか試合がなかったが、アリアさんは試合を勝ち進んで行き、見事魔術大会で優勝したため、夜はアリアさんの祝勝パーティーに行くことになった。


 この作品が連載され始めてから二週間が経過しました!

 毎話ごとに日を追って読んでくださっている皆様や、一気に読み進めてくださっている皆様、それら全ての方々には感謝しかありません!

 現在時点で15話もこの作品を読んでくださっている皆様一人一人のこの作品に対する気持ちや、ここまで読んできていただいて楽しいと思ってくださっているのかなどを知りたいので、いいねやコメント、☆による素直な意見を下さると本当に嬉しいです!

 作者は今後も楽しくこの物語を描かせていただこうと思いますので、読者の皆様もこの物語を楽しんでいただけると幸いです!

  今後もよろしくお願いします!

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