第3話 掲示板回
ダンジョン配信総合スレ10288
――――――
233:名無し探索者さん
うおおおおお、カナがソロで”ドラゴンズ・ネスト”を攻略したらしいぞ!!
234:名無し探索者さん
デマ乙。カナ厨うぜぇ
235:名無し探索者さん
は? カナって結局無事だったの?
こりゃヤられたわって途中で切ったんだけど
236:名無し探索者さん
切り抜き動画が上がってた
見たことない男が拳で倒してる
[[動画リンク]]
237:名無し探索者さん
ファーーーーーーーwww
238:名無し探索者さん
ドラゴンじゃねーかwwwww
239:名無し探索者さん
ねーよwwwwww
240:名無し探索者さん
草
241:名無し探索者さん
コラだろこれ
242:名無し探索者さん
誰だよこのオッサン……
243:名無し探索者さん
いや、かっこよくね?
244:名無し探索者さん
>>243
本人乙
245:名無し探索者さん
カナの顔wwwww
246:名無し探索者さん
そりゃそうなるだろ……
247:名無し探索者さん
つーか、カナなにもしてねーじゃん
248:名無し探索者さん
公式記録ではカナのスコアになるらしいぞ
オッサン、魔石を置いてったらしい
249:名無し探索者さん
は?
なんで?
ドラゴンの魔石とか、数百万はするだろ?
250:名無し探索者さん
俺に聞くな
251:名無し探索者さん
つーか、マジで誰?
252:名無し探索者さん
ドラゴン倒せるなら最低Sランク以上だよな……ダンジョン庁の探索者データベースにいないんだけど
253:名無し探索者さん
んな馬鹿な……
254:名無し探索者さん
カナ、「お兄ちゃん」って言ってる?
もしかして生き別れの兄?
255:名無し探索者さん
ないだろ
カナって孤児院出身で天涯孤独のはず
本人がインタビューで言ってたぞ?
256:名無し探索者さん
じゃあオトコじゃねえか!
カナ厨死亡wwwwwwww
257:名無し探索者さん
>>256
いや、カナは真面目過ぎて浮いた話の一つも無くて心配してたんじゃよ
ワイは安心した
推せる!!
258:名無し探索者さん
お、おう
カナファンは極まってんな……
*** ***
――― 同日、ダンジョン配信プロダクション最大手、桜下プロダクション執務室
ダークスーツをびしりと身に着けた妙齢の女性が、複数のモニターを見つめている。
桜下プロダクションの代表を務める桜下 凛(さくらした りん)である。
モニターには掲示板、ダンジョン配信専門サイト、国民的SNSであるポイッターがそれぞれ表示されている。
「この動画……興味深いわね」
掲示板の勢いは留まるところを知らず、書き込み数は3万を超えた。
カナの切り抜き動画はバズりにバズり、再生回数は1000万に届こうとしている。
「長官のおっしゃっていた【イレギュラー】とは、こういう事なのかしら?」
腕を組んで考えこむ。
桜下プロダクションは業界トップとはいえ、
緋城(ヒジョウ)プロダクションの猛追を受けている。
この男性がウワサどおり”無所属”ならぜひ欲しいが、不鮮明な10秒程度の動画から本人を突き止めるのは至難の業だ。
「さすがに、緋城カナにインタビューは出来ないわよね」
何しろこちらはライバルプロダクションだ。先方に断られるに決まっている。
「それなら……」
カナ公式ちゃんねるを開く。
「ダメもとだけど、探りを入れてみましょう」
ファンを装って情報を聞き出すのだ。
―――
まさ
カナに質問!
ドラゴンをブッ飛ばした人は知り合いなの?
カナ@本人
よくぞ聞いてくれました!!
わたしが孤児院で暮らしてた時毎週1回お菓子をたくさん持ってきてくれて……
いつもわたしたち年長さんと遊んでくれてたんですというか物凄くカッコいいんですよぉ!ワザと切りそろえてない黒髪はワイルドでぱっと見はぶっきらぼうなんですが子供たちを見る目は優しくて。あ、でも子供っぽいところもあるんですよ! ゲームで負けるとガチで悔しがっちゃって、それがまたカワイイんです!!
それにおにいちゃんが連れてたワーウルフの(省略されました。全文を読むには「続きを読む」を押してください)
まさ
お、おう
たろう
お兄ちゃんに夢中なカナ可愛すぎ!
推せる!!
じぃ
いつもクールなカナちゃんが、年相応な面を出してくれる事が嬉しいわい。
冥土の土産が出来たのう!
まさ
じーちゃーん!!
―――
「……けぷっ」
思わず胸やけがする。
緋城カナはクールな実力派ダンジョン配信者だ。
可愛さよりもハイレベルな戦闘シーンが売りだったはず。
「ロクな情報は得られなそうね……」
誰かの問いかけにカナがものすごい長文を返す、それにほっこりするフォロワーという流れが延々と繰り返され、まともな会話をする隙が無さそうだ。
「しょうがない、マスコミからあたりましょうか……って?」
PCを閉じようとした凛だが、カナのコメントの一部分に目が行く。
「ワーウルフ?」
ダンジョン出現後に生まれるようになった亜人族の中でも、かなり珍しい種族である。
「もしかしたら、これがヒントになるかも……」
凛は自身の権限を使い、あらゆるダンジョン配信映像を探し始めるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます