第2話 ジレンマ
その日も友達はなかなか顔を出さなかった。
「まあ、そのうち来るだろう?」
といつものことということで、あまり気にもしていなかった。
店内もいつもの時間がいつものように流れていたのだろう? 別に違和感は一切感じなかった。
そのうちに、扉が開いて誰かが入ってきた。
「友達か?」
と思ったが、入ってきたのは、女の子二人組だった。
「こんばんは」
と誰にいうというわけではなく、一人がそういうと、開店準備をしていた女の子が、
「いらっしゃい。お好きなところへどうぞ」
と、こちらも、お互いを見知ったかのように声を掛けた。
どうやら、第一声を発した女の子は、この店の馴染みのようだった。
彼女たちは、
「L字型になったカウンターの奥の、狭い場所にいる湧川の顔がよく見えるように、3つほど席を開けたところに座ったのだった。
このL字型のカウンター席に座るのは、いつものことで、ここに座っていると、ちょうど、斜め前に友達が座ることになるので、それが、お互いの位置関係でしっくりくるのだった。
元々、湧川が、
「俺は端がいいんだ」
というこだわりを持っていて、墓所に一切のこだわりのない友達も、
「じゃあ、この位置がいいよな」
と、ここが、最初から二人の定位置になった。
何しろ、9時くらいまではいつも貸し切り状態なのだから、指定席は、座りたい放題だったのだ。
女の子二人は、椅子に座って、店内を見渡していた。
「あれ? 常連じゃなかったのかな?」
と思ったが、それも、おしぼりで手を拭く間だけのことだった。
「ああ、なるほど、こんなまだ準備段階の時に来ることはなかったんだ。だから、珍しいと思ったんだな?」
と感じた。
それを裏付けるように、店の女の子が、
「珍しいですね? こんな時間に。今日はお友達と一緒ですか?」
と言われたのを聞いて、
「ああ、やっぱりそうだったんだ。いつもは、もっと賑やかな時に来ていたんだろうな? そして、その時は、友達と一緒ではなかったということか? じゃあ、誰と一緒だったんだろう?」
などと、思いながら見ていると、
「あれ?」
と思った。
いつもは、店が暗く、今とは雰囲気が違うのと、会話をしている女の子が、今日は帽子をかぶっていることでよく分からなかったが、
「声の感じからすれば、この間お母さんと一緒に来ていた、友達の会社のパートさんの娘かな?」
と思った。
あの時は、お母さんがいて、主導権は完全に母親だったが、今日は娘の方だったことも、すぐに分からなかった理由だろう。
「それにしても、前と随分、雰囲気が違うものだ」
と思った。
前は、完全に母親に合わせたというか、スナックが似合う母娘という雰囲気だったが、今日は友達と一緒というところで、帽子をかぶっていることから、完全に、友達と昼、ショッピングか何かを楽しんでの帰りのように思えた。
思い切って、湧川は声を掛けてみることにした。
「ひょっとして、迫田君と待ち合わせでしょうか?」
と訊ねると、
「ええ、そうですが、湧川さんですよね?」
と、謂れ、
「やはり、そうだった」
と思い、
「ええ、そうです。僕も迫田を待っているんですよ」
というと、
「そうですか。この間は母と失礼しました。母と一緒に来るときは、完全に母親の独壇場になるので、私は、借りてきた猫状態です」
と言って、ニッコリと笑った。
そして、やっと彼女は帽子を脱いだが、その表情は、まさに自分たちと同世代の女の子という雰囲気だった。
母娘の時は、
「若い娘」
というイメージはあったが、母親のイメージが強すぎるので、若いには若いが、若さよりも、静かな雰囲気という印象が強くあり、若さの特徴が出ていなかったことから、
「本当は一体、いくつなんだ?」
と、若いと言えば若いが、30代後半に見えなくもないくらいの感覚だった。
それは、
「おとなしさが、悪い方に影響している」
という印象だったからだろう。
そんなことを思いながら、この後の会話をどうしようと思っていたところに、
「ああ、もう来ていたんだね? 待たせて、済まない」
と言って、迫田が扉を開けて、唐突と言っていいくらいに入ってきた。
迫田の登場はいつも唐突だ。それは、いつも、約束の時間を遅れるからで、湧川よりも先に来たことはない。
今は別の仕事をお互いにしているので仕方のないことであるが、一緒に仕事をしている時もそうだった。
これが、早く来ることをデフォルトで考えている湧川と、普通に遅れることをさほど悪いとは思わない、よく言えばおおらかな性格である迫田との違いと言えばそれまでだろう。
迫田の出現で、湧川は少し複雑な気もした。
「せっかく、三人での会話から入り、主導権が握れたかも知れない」
という、ちょっと、惜しいという気持ちと、
「よかった、主役が来てくれて」
という、普通の感情とが入り混じったからだった。
ただ、実際に迫田の顔を見てしまうと、後者なのだろう。
それを感じた時、
「俺って、迫田にかなり依存しているところがあったんだな」
という思いであった。
迫田は、いつだって輪の中心にいるやつだった。
「さすが、家業を継いで、いずれは社長に収まるというやつだけのことはある。新入社員の時も、どこか違うと思っていたもんな」
と感じていた。
そんなことを考えていると、迫田は、彼の指定席に座って、少し荒れていた呼吸を整えているようだった。
どうやら、仕事が終わってから急いできたようだ。
湧川と二人の時はそんなことはないのだが、女の子二人を待たせているという思いが強かったのだろう。それはそれでよかった。それだけ、湧川のことを、本当の親友だと思ってくれていると、再確認できたという意味だからである。
そんな迫田を見て、彼女たちも何も言わない。呼吸を整えた迫田は、目の前にあるグラスに氷を入れて、酒を注ぐことなく水を半分くらい入れて、それを一気に飲み干した。
フッと息をついたかと思うと、少し下を向いて、おもむろに顔を上げると、
「今日は、待たせてすみませんでした」
と、誰にというわけではなく、真正面を向いて、そういった。
彼女たちが、申し訳程度に頷いたので、湧川もそれを見習って頭を下げた。普段なら絶対にしないことだったので、思わず笑ってしまいそうになるのを堪えていた。
「いやあ、仕事のキリがなかなかつかなくてね」
と言って、笑ったかと思うと、
「まあ、いつものことなんだけどね」
と言って、自分でボケ突っ込みをしているようだった。
これが、自然に出てくるところも、迫田の特徴で、だからこそ、社長になれる器の片鱗なんだろうなと、湧川は思った。
彼女たちも、それを聞いて、クスクス笑っている。
「へぇ、二人は迫田の性格を知っているんだな?」
と感じた。
迫田という男は、一人ボケ突っ込みをした時、相手にクスクス程度に笑ってもらえるのが一番嬉しいのだった。
そもそも迫田という男は、実直な性格なので、態度を見ていると、性格的なところはすぐに分かるのだった。
それを思うと、彼女たちの態度も分からなくはないが、そのため、どこまでの仲なのかというのは、今の段階ではまったく分からないといってもいいだろう。
そんな迫田は、
「じゃあ、それぞれを紹介しようか?」
と言って、完全に場を支配していた。
まず、湧川を指さして、
「こちらは、湧川君。僕の親友なんだ。大学を卒業して入った会社で同期だったんだけどね。最初は、支店の方にいたんだけど、2年前から、本部に呼ばれて、今は本部勤務をしているんだよ」
と、紹介してくれた。
「湧川です。よろしくお願いします」
と、言って、頭を下げた。
「そして、こちらは。釘宮さん。湧川は知ってるよあ?」
と言われ、
「うん」
と、答えると、今度は彼女が、
「私は、釘宮つむぎって言います。この間、お母さんと一緒に来ていたところを一度お会いしていますよね? 湧川さん、よろしくね」
と言った、
そして、一緒に隣の彼女を紹介してくれた。
「彼女は、私の高校時代からのお友達で、東条つかささんというの。ちょっと、おとなしく見えるけど、実はこう見えて、お酒は結構強いのよ」
と紹介すると、東条つかさは、
「もう」
と言いながら、照れているようだった。
「私は、東条つかさと言います。つむぎさんとは、ずっと仲良くしてもらっていて、今でも続いているんですよ」
というと、
「彼女はね。気が付けばいつも、私のそばにいるって感じかしら? 最近では、ビックリもしないけど、最初の頃は、まるで座敷わらしのような感じに思えていたくらいだったんだけどね」
と言って笑った。
「あら? 座敷わらしって、いい妖怪なのよ」
とつかさは、座敷童と言われて、別にかまわないという感じであった。
確かに。座敷わらしというと、いてほしいタイプの妖怪だ。
座敷わらしがいる家は、繁栄するという。その座敷わらしが、いなくなると、とたんに家が没落するという伝説がある妖怪で、まさに、この話は、ベタな話と言ってもいいだろう。それだけ、昔話の中でも定番のお話だった。
それはともかく、今の会話を見るだけで、二人の関係性がしっかり分かった。
一見、主導権は、つむぎが握っているのは間違いないのだろうが、それでいて、しっかあり突っ込み役として、つかさが君臨しているというところに、二人の抜群の関係性があるのだということが分かった気がした。
とりあえずの自己紹介が終わったところで、それぞれに、酒の用意をして、
「じゃあ、まずは、乾杯といこう」
と、迫田が言って、何のための乾杯かということをハッキリ言わないところが、これも迫田らしいと思った。
「きっと、ハッキリ言わないことがいいと思ったのか、それとも、今日の集まりには、目的が一つではないということなのか」
と考えると、迫田という男の性格が、再認識できた気がした。
いつも二人で飲むことが多く、いや、それ以外のパターンなど皆無だったこともあって、この人数でも、まるで、合コンをしているかのような気分になった湧川だった。
和気あいあいという感じで呑んでいたのだが、まずは自己紹介を兼ねて、仕事のことなどを話した。どうやら二人とも看護学校の出身らしく、それぞれ、看護婦をしているということであった。
つむぎさんの方は内科で、つかささんの方は外科だという。
「薬品の臭いがきつくて、どうも外科は苦手かな?」
と、湧川がいうと、
「そんなことはないですよ。確かに昔は、かなりすごい臭いがした病院もあったということですが、最近ではそんなこともないようです」
と、つかさが言った。
「そうなんですね? やっぱり病院の臭いというと、どうしても、その臭いだけで、痛くもないところまで痛くなりそうな気がして、先入観というのは怖いものですね」
というと、
「それは、皆そうだと思いますよ。私も、最初は、外科というと、臭いがきついイメージがあったんですが、慣れてくるとそうでもないです」
というではないか。
ということは、
「慣れるまでは大変だ」
ということを言っているだけのことではないか。
これは、実際につき合うようになってから感じたことだが、病院からの帰り、特に夜勤明けの時などは、薬品の臭いがしみついているのを感じたことがあった。この時こそ、
「慣れれば大丈夫」
というべき時なのだろうと感じたのだ。
「そういえば、僕は学生時代から、化学が好きだったので、薬品関係は、少し興味があったんですよ。化学式のようなものは苦手だったけど、どういう薬品が、どういう効果を持っているとかいうことに興味があったんです」
と湧川がいうと、まわりは、
「この人、適当なこと言ってるわ」
と思っているのではないかと思ったが、少なくとも、つかさだけは、そんな雰囲気は感じなかった。
「この子、優しいところがあるんだ」
と感じた。
確かにこの話は適当にいい加減なことを言ったわけではなく、実際に高校時代などは、化学が好きだった。
「理数系に進もうか?」
とも考えたくらいだったが、好きな理数系は化学だけで、数学や物理学は、苦手というよりも嫌いだったのだ。
「苦手だから、嫌いなんじゃないか?」
と言われるかも知れないが、湧川にとっては、そういう認識はなかった。
苦手であっても、好きな科目は実際にあった。苦手という言葉の定義が問題であり、
「成績が悪い」
という意味であれば、苦手な科目でも、嫌いではなく、むしろ好きな科目もあった。
自分が好きでも、
「相性が合わない」
つまり、試験問題との相性が合わないということだってあるだろう。
それが自分にとっては、歴史だった。
歴史という科目は好きだった。だが、テストになると、どうしても成績が伸びてこない。完全に、学校での歴史というと、
「暗記物の科目」
ということだからである。
むしろ、歴史というのは、
「教科書では教えてくれない歴史」
などという本がベストセラーになるほど、テストの暗記物とはまったく正反対のところが面白いのだ、
興味を持つ部分の違いによって、成績と好きなところが反比例する。成績が悪いからと言って、本人が、興味のない学問だと考えるのは、危険なことである。
それを思うと、同じ歴史でも、
「時代によって、まったく違う学問だ」
と言えるのではないだろうか?
逆にそれを時系列にして、すべてを一緒に考えるのは、
「今という時代が、歴史の積み重ねだ」
という当たり前のことを、信じて疑わないからなのかも知れない。
「歴史というものを、好きな人は、皆成績がいいんだろうか?」
と、疑いたくなるほどだった。
最近でこそ、歴女なるものが流行ったりして、歴史が好きな女の子が増えてきたが、昔は、
「歴史の話は苦手だわ」
という女性が多かったではないか。
だが、そんな女の子たちの成績が悪かったとは、あまり聞いたことがない。それを思うと、
「俺のように成績の悪い人でも歴史が好きな人がいても不思議ではない」
と言えるだろうが、逆に、
「好きこそものの上手なれ」
という言葉があるではないか。
自分の場合は、
「下手の横好き」
なのだ。
どっちも当てはまることわざがあるということは、
「好きだが、成績が悪い」
というパターンと、
「嫌いだが、成績だけはいい」
というパターンの両方が多いといってもおかしくはない。
学問というのが面白いと言われるのは、そういうおかしなところも含めてのことではないだろうか?
そういう意味で、化学というものも、最初は、興味を持っていたが、成績はパッとしなかった。
だが、勉強しようという意識を持っていると、成績も不思議と上がっていった。
歴史の場合は、
「勉強しよう」
という意識ではなかったのだ。
というのも、勉強するということは、興味を持った後に、自分がそれを勉強だと思うかどうかということであり、薬学の場合は、勉強だと思った。しかし、歴史の場合は勉強というよりも、どちらかというと、
「遊び」
に近い感覚だったのだ。
ただ一つ言えることは、
「そのどちらも、自分にとって、いや、人間が生きていくうえで、大切なことだ」
ということであった。
遊び心があるのは歴史であり、それは、あらゆる学問が歴史に結びついてくるということが、意識することなく分かっていたからではないだろうか?
薬の勉強にしても、過去の人たちが、いろいろ研究を重ねてきた、
「歴史」
というものがあるからではないだろうか?
歴史という側面には、時系列というゆるぎないものがあり、それは決して動かすことはできない。だから、家康の後に、信長は存在しえないといえるのではないだろうか?
「信長がいたから、家康が存在した」
これが、一つの歴史が示した答えである。
昔見た、歴史上のある事件の映画を思い出すと、そのクーデターは失敗に終わったのだが、そこで将校が、自分の部隊の兵に向かって、
「我々が正しかったということは、必ず歴史が答えを出してくれる。だから、諸君は、胸を張って行進し、原隊に復帰していってくれ」
と言っていたシーンを思い出した。
だから、
「歴史は簡単に答えを出してはくれないものだ」
と感じたのと、その理由として、
「時系列が、絶対的なものだ」
と感じたからであった。
そんな時系列は、ある意味、万能なものだとも考えていた。その万能という意味は、
「どんな学問に共通だ」
ということであった。
学問にだって、すべて歴史がある。それは、すべて、人間が作り出したものだからだ。そして、その人間に歴史がある以上、時系列が密接にかかわってくる。そういう意味で、学問が好きな人は、歴史を避けて通ることなどできないのではないかとも考えたりした。
それを思うと、自分が、薬品に興味を持ったのも、何となく分かる気がする。
基本的に、学校で習う薬品というと、
「読んで字のごとし」
で、人間の身体を治す薬であったり、逆に、害となる薬の場合もある。
かと思えば、ピクリン酸や、ニトログリセリンなどのように、爆弾として使われるものもある。
火薬としては、TNT(トリニトロトルエン)のようなものもあり、これも、れっきとした、
「歴史の産物」
だといえるだろう。
そういえば、今から100年くらい前のドイツの科学者で、フリッツ。ハーパーという物理学者がいた。
彼は、空気中の窒素から、アンモニアを生成するという、
「ハーパーボッシュ法」
という方法を考案し、人類を飢餓の危機から救ったと言われている。
実際に今も、その方法から、肥料を作ったりしているという。
彼はこの技術の功績が認められ、ノーベル賞を受賞することになるのだが、その反面、彼には、恐ろしい側面があった。
第一次世界大戦において、ドイツ帝国と、イギリスなどは、新兵器開発において、先行していたと言われる。
この時代において、航空機であったり、戦車などの大型兵器の開発が行われた半面、化学兵器が密かに研究されていたのだ。その最たるものが、
「毒ガス開発」
だったのだ。
神経ガスや、マスタードガスなどの、死ななくても、後遺症が残ってしまう恐ろしい兵器である。
しかも、無色透明で風に乗って運ばれてくるので、その存在に気づいた時は、もう時すでに遅しということである。
そんな兵器を、フリッツ・ハーパーは開発していたのである。
彼は言う。
「自分は、一人の科学者であるが、国家の危機に際しては一人の国民として、国家が戦争をしていれば、国家の勝利のためには、どんなことでもする」
というのだ。
実際に、大戦中は軍に入って、闘い。開発した毒ガス戦の指揮を取ったりしていたのだ。
そのうちに、イギリスも、毒ガスを開発し、戦場では、
「毒ガス合戦」
の様相を呈してきたのだった。
そんな彼を奥さんのクララは、毒ガス開発を非難していたというが、それに抗議して、自殺を試みたと言われる。
ただ、この自殺には諸説あり、彼女も天才的な科学者だったのだが、結婚したことで、夫から自分の科学者としての立場を奪われたとして、不満を持っていたことで、自殺はそれに対しての当てつけという話もあった。
どちらにしても、ハーパーは、人類を飢餓から救ったという功績と同時に、拭い去ることのできない、毒ガス開発というものの汚点の両方で功績があったということだ。
彼は、正反対のことで功績があったことになるのだが、彼が考えたことは一つだった。彼の行動のほとんどが、
「愛国心」
というものに尽くされていたが、のちに彼がユダヤ人であるということを理由に、祖国を追われることになった。
しかし、外国に行くと、今度は、
「毒ガス開発者」
ということで風当たりは強く、まともに受け入れられることのない晩年だったという。
奥さんのクララのこともあったが、
「彼ほど、ジレンマに苛まれた科学者はいない」
と言ってもいいかも知れない。
それが、受け入れられないという問題なのか、人類を救う研究と、大量殺戮という罪の研究の板挟みにあるのか、それは、きっとその時代を生きた人間と、本人にしか分からないことであろう。
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