男の子
「ぎゃー、ぎゃー」元気な声が部屋に鳴り響く。
生まれてから大体2ヶ月がたった。
僕が泣くと、ママがご飯をくれたり、パパが抱っこしてくれたりとても大変そうだった、でも二人はとても幸せそうな顔をしてた。
もちろん僕も幸せなはずだった。
僕が幼稚園に2年ぐらい通ったある日、幼稚園から帰ってきた後にいつも通りパパと仮面ライダーごっこをやった、でもみんなとは違って僕は仮面ライダーより悪者が好きだった。特に怪獣さんのような悪者は大好きだ。なぜなら、体がツルツルのライダーより体がゴツゴツした怪獣さんのほうが強そうでかっこいいからだ。逆に怪獣を倒してくる仮面ライダーが嫌いだった。だから僕は仮面ライダーごっこで怪獣役をして悪いことをする、そうするとパパライダーが助けに来る、そのパパライダーを僕が怪獣ビームでたおす。
これが一連の流れだった。
いつも通りのライダーごっこが終わったあとパパが僕に言った。
「明日、仕事が午前中で終わるから仮面ライダーショー見に行くか!」
とても嬉しかった、仮面ライダーが来るということは怪獣さんにも会えると思うととても胸がドキドキして、僕はとても幸せな気持ちになった。
次の日パパは家に帰ってこなかった、ずっと帰って来なかった。
僕は帰ってきてほしくて心の中でいっぱい願った。
仮面ライダーを好きになるから帰ってきてほしい、仮面ライダーごっこの時も
「ちゃんと正義のヒーローが勝つようにするから。」
パパが帰って来ない日々が続いていたがある楽しみを見つけていた、近くの公園にいる怪獣さんと遊ぶことだ。怪獣さんといっても本物の怪獣さんじゃなく僕と一緒で怪獣が好きで怪獣のフィギュアをいっぱい持ってきてくれて遊ばしてくれるので怪獣さんだ。
でも最近ママも家にいない。前まではご飯を作って食べさせてくれたり、パパがいなくなってからも遊んでくれたのに今は家に帰るとお菓子と夜ご飯と書いてある紙がおいてある。
最近、ママと新しいパパが叩いたり、蹴ったりしてくる、僕は段々エスカレートするパパとママが怖くなっていって家に帰りたくなくなっていた。
その日の怪獣さんは少し怖くて強そうだった、けどいつも通り怪獣さんのフィギュアで遊んだりしてくれた、でもやっぱりいつもと少し違くて帰り際に僕に言ってくれた。
「君を守ってあげる」 って
本物の怪獣さんに助けてもらった。あまり記憶はないけど、もう僕は家じゃない安全で静かな場所にいてパパとママを怖がる必要はないんだと思った、けど何故か悲しい気持ちになって息が出来ないほど涙が止まらなくなった。沢山泣いたあと、僕は泣き疲れたのか騒がしくなった空間の中でも眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます