第6話

怪談蒐集 第一高校新聞部その6

『靴箱』

*注意この話は前回の第一高校新聞部と緩く繋がっています。

話の筋が見えない人はそちらもご覧下さいませ。

『第一高校新聞部-開かずの靴箱』


「開かずの靴箱?

地味ねぇ。

だいたいどうしてそんな話が出てきたのよ」


部活で遅くなってしまった。週末の土曜日だと言うのに大会が近いので補欠の私まで駆り出されてこんな時間になってしまった。

夕陽が玄関から入って下駄箱を照らしている。

私はいつもの下駄箱を開けて靴を取り出そうとしたけれど、ガタガタ言うだけで一向に開かない。

良く靴箱を見ると私の名前は開かない靴箱の下だった。

おかしいな。位置が変わったのかな。

その時は間違ったのだろうと気にもせず、下の私の靴箱を開けて家に帰った。

でも二度目に起こった時は不思議に思って数え直した。

隣もこちらも五段の靴箱。

でも私の列は何回数えても五段の筈なのに開かない靴箱の分、多い。

私は怖くなって逃げ出した。


「地味!

開かずのトイレとかロッカーとか今迄にもでてたしー」

情報通の新藤君は変なネタばかり拾って来る。

第一高校新聞部は今年もホラー気を組む事になった。

恒例だし、新聞のネタもそうそう有る訳は無いし、夏はやっぱりこうなるのでしょうねぇ。

でも、あれが見つかったのかしら。

私の帰る為の靴か入ってる靴箱。

私が何回探しても見つけられなかった。

私は新藤君から聞いた時間の土曜にそこに行ってみた。

そこにはいつもの靴箱しか無かった。

私はまだ家に帰る事は出来ていない

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