第2話 立ちはだかる強敵

──Star☆Mixカラーズ、ライブ終了


「ふぅー、今日も盛り上がったねっ!」

「お客さんに楽しんでもらえたし──」

「ファンのみんなにも喜んでもらえたしねっ!」

ノノ、モモ、ネネは先に楽屋に戻って今日のライブについて話していた。

「今日もライブ、楽しかったですね。シオリちゃん?」

「……そうだな」

『Star☆Mixカラーズ様』と書かれた札がある楽屋の扉を開けてシオリとコトリが中に入って来た。

「もう、何ですか! その素っ気ない態度は……ム〜っ……」

「別に、これが普通だ……」

(ふんっ、何がファンだ。私たちの容姿が良いから近寄ってくるただの発情する豚ではないか)

「みんな〜、ライブお疲れ〜」

誰かが楽屋のドアを開けて入って来た。

「あっ、プロデューサーさんっ!」

「お疲れ様です! プロデューサーさんっ!」

「プロデューサー、おつおつ〜」

「──お、お疲れ様です!! プロデューサー!」

「お疲れ様です。プロデューサーさん」

「聞いてくださいよ〜、プロデューサーさ〜んっ! 私がシオリちゃんに話し掛けても素っ気ないんですよ〜!」

「なっ、コトリ!! プロデューサーの居る前で!!」

「これは素っ気ない態度を取るシオリちゃんが悪いんですよ〜?」

コトリは小悪魔的な笑みを浮かべる。

「ぐぬぬぬ、コトリ許さない」

「二人とも喧嘩をするな」

「……あっ」

「ひゃっ……」

プロデューサーは、ケンカをしているシオリとコトリの頭に手を乗せる。

「いいか、お前たちはアイドルなんだ。アイドルらしくお前たちは好きに歌って踊って楽しめば良いんだ。ケンカなんてするもんじゃ無い! こんなところをファンに見られようものなら、炎上ものだぞ〜?」

「「す、すみませんプロデューサー(さん)……」」

「分かったなら、よろしいっ!!」

プロデューサーはそう言うと二人の頭をくしゃりと撫でて手をどかした。

(もう一回撫でて欲しい……)

(もっと置いてても良かったのに……)

「二人ともどうしたその物欲しそうな顔は」

「「な、何でも無いですッ!!」」

赤面したことを悟られないように二人は勢いで誤魔化した。

「そ、そうか──」

「ところでプロデューサー、話があるんじゃないの?」

「そうだ、ネネの言う通り大事な話だ。心して聞くように」

五人は静まり、プロデューサーからの言葉を待つ。

「──【BlackEmperor】と合同ライブをやることになった」

「「「「「…………えっ?」」」」」


   ♪ 〜 ♬ 〜 ♪ 〜 ♬ 〜 ♪


「──【Black Emperor】と合同ライブをやることになった」

「「「「「…………えっ?」」」」」


「ぶらっく、えんぺらーですか? エンペラーテトラの仲間ですか?」

「ノノ、それは魚」

モモはノノにツッコミを入れる。

「ちょ、ちょっと待ってよ! プロデューサーッ!」

「ブラック……エンペラー……」

「ブラックエンペラーですか……」

「みんなも知ってる通り、彼女たちはこの王都にいるガールズクラウンの候補。五つあるアイドルグループの一柱──」

「この王都で絶対的一位を誇る最強のアイドルグループ……」

その続きをコトリが付け足す。

「その通りだ。そして、これはただの迷信だが、昔あった幾つものアイドルグループが彼女たちと合同ライブを行い、のファンを失ったと言われている」

「「「「「全てのファンをッ!?」」」」」

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ガールズテイナー 小鳥遊 マロ @mophuline

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