9 勝負

 


 ――――「……誰がそんなこと! やっと戦いから解放されて自由になれるはずだったのに、また戦いを引き起こすのか……おまえらは……ッッ!」


 ――――「……ハッ! 女神の意志すら理解できぬほど頭が足らんと、その程度の認識か! それはただの『逃げ』だ! 真に平和を望むなら、くすぶる火種からなぜ目を背けられる!? 女神に唾吐くその愚かさ、その身を刻んで思い知らせてやろう……ッッ!!」







 メルサ・イェルンサクサは、研究者の両親に連れられ、幼い頃から魔族の領域に足を運んでいた。

 

 《雷》のヴィングトール寮を選んだのも、七つの寮の中で、神器信仰との関わりが薄いからだ。

 ヴィングトール寮の特徴として、『魔導具の研究』がある。


 最新技術を利用した研究、という点でいえば、ファシルの掲げている『神器の必要がない世界』という理念にも共通ところがあり、ヴァナルガンド寮との関係も悪くはない。




 

 ――――――「ありがとぉ、おねえちゃん! またあそぼうね!」


 魔族の領域で出会った、人狼族の少女。

 彼女は、普通の女の子だった。

 無差別に人類に悪意を振りまかない。

 人と魔族の、戦争の歴史も知らない。

 教えれば、言葉も、優しさも、伝わる。


 普通の、ただの、女の子だった。



 ――――「戦いは、なにも終わっていない。貴様らのような女神を脅かす者達がいる限り、民の不安は消えない。このノインディクサの大地に安寧は訪れないんだよ」



 違う、違う、絶対に違う。



 

(争いを生むのは、魔族じゃない…………おまえだろ、ルミリフィアッ!!)

 

 メルサは、内心で改めて、強く決意する。






(……勝つ! 勝って、こいつらの信じる女神とやらの前で、こいつらが言う『罪』なんかないことを証明する!!)


 相手側が突きつける、『女神の前で戦えば真実は明らかになる』というふざけた言い分は納得できないが、そういうルールで動いてるのだから仕方がない。

 

 強者が決めた、理不尽なルール。

 

 それでも、勝てばこちらの言い分が通るのだから、僅かばかりに残されたその公正さにすがるしかない。


「――――――《メギンギョルズ》!」


 四本の巨大な剣が、メルサの周囲を舞う。

 雷の属性を利用した磁力操作。

 それにより、四本の剣を同時に操る。


 神器使いに対して、魔術による遠距離攻撃は効果が薄い。


 そして、正面から剣の腕を競っても、ルミリフィアには勝てないだろう。




 ――――正道では、届かない。


 ――――では、邪道の剣ならば?




 メルサ自身も剣を握り、五本の剣が、ルミリフィアへ切りかかる。




「ふっ……っ、面白い。発想そのものは悪くないな」


 軽い調子で語りながら、五本の剣が織りなす幾重もの剣閃をかいくぐっていくルミリフィア。


 余裕に満ちてはいるものの、それでも攻撃し続けているのはメルサの方だ。


「負け惜しみか!? どうやら五対一では手も足もでないようだな!」

 

 自身が握るAランクの魔装具以外の四本も、全てがAランク。


 五つのAランク魔装具の同時行使は、常軌を逸した発想だった。

 まず、常識として、魔装具は『神器を模したモノ』だ。

 そして、『神器』は、神代に存在した《神獣》を素材にしている。

 

 つまり、量産は不可能で、なおかつ、『数』や『サイズ』という部分で工夫を凝らせる余地がほとんどない。

 それ故に、神器の形状は、基本的に単一の『剣』であることは変えられない部分だ。


 

「五対一、か……」


 ルミリフィアが大きく飛び退く。

 そこにあったのは、巨大な棺だった。




「なんだ……あれは……?」

 ファシルが訝しげに呟く。

 神器でないことは確かだが、あんな武装は見たことがない。





「――――――《ナグルファル・ドラウプニル》」  


 ルミリフィアが静かに、その名を呼ぶ。


 呼応こおうし、励起れいきし、顕現けんげんする。

 


 凄まじい魔力の奔流と共に、棺が変形。

 そこに入っているのは、人間の躯ではなく、剣であった。


 それも、六本。

 ガシャン! と金属音がして、棺が翼のように広がり、中の剣が姿を見せる。


「一つ、基本となる前提を確認しておこうか」


 ルミリフィアは、教鞭でも振るうかのように、棺から抜いた剣で、メルサが磁力で操る剣を指し示した。


「確かに、魔装士の戦いにおいて、『近接戦』で有利を取るために武器の数を増やす、というアプローチは悪くない」

 

 戦いというものは、常に変化し、歴史を積み重ねる。


 古代において、人間は木の棒で争い、鉄器で争い、魔術を知らぬ野蛮な戦いを重ねた。

 魔術が発達し、『魔術以外での近接戦など野蛮』と、魔術のみを極めることが優れているとされる価値観も、時代や地域によっては存在する。


 ――――――では、現代ではどうか?

 

 神器とそれ以外の魔装具で事情は変わるとはいえ、『武器による近接戦』が現代魔装戦における最優先課題だ。

 




 ――――例えば、ギルナの巨大な剣。


 あれは武器を巨大化させることで、一撃の威力を高め、相手の魔装具を破壊することを主眼にしている。

 そのうえで、相手にそれを印象づけた後に、『大剣の分離』という奇襲という切り札。

 二刀と、大剣。まったく違う戦闘方式を、素早く切り替えることができることが強みだ。

 

 『サイズ』という観点を強化しているのも、『神器の模倣』という常識に囚われない発想から生まれたものだ。

 これは、ギルナが『対神器』を想定していることから生まれたもの。


 ルミリフィアの歯向かうなどありえないことだが、そういうことをする異常者ファシルリルとの戦いに供えたものだ。

 




 その点、メルサの編み出した戦闘方式も優れてはいる。

 五本の剣。

 それぞれに込められている魔力量も高く、一撃の威力も申し分ない。



 しかし――――――、


「……惜しかったな。私と同系統の発想で、私に届きうることはないよ」


 六本の剣が、舞う。


 翼を広げるように。

 太陽の光輪が、遍く世界を照らすが如く。

 


 ルミリフィアの背後に後光が指すように、剣が光輪を模し、回転している。




「神器を納めて、別の魔装具か……! ……どこまで私達を見下すつもりだ、おまえは!」


 激昂するメルサ。

 ルミリフィアの傲慢な態度、その全てが神経を逆撫でし続ける。


「――見下す? いいや……、これすらも、貴様には過ぎた剣だ」


「抜かせぇェえええええええ!!!」


 バチィィィ!! と激烈な雷撃が周囲を焼いていく。

 四本の剣に纏った雷。

 もはや一つ一つが竜のブレスと同等の威力を内包している。

 

 世界を滅ぼす神器とは比べるまでもないが、それでも神器のない者が出せる威力としては最高クラス。


 しかし……。


 ルミリフィアの背中で回転していた六本の剣が、一斉に動き出す。

 メルサの四本の剣。

 ルミリフィアの六本の剣。


 数の上で負けているという次元の問題ではなかった。


「……なん、だ……この動きは……ッ!?」


 速く、正確。

 その上、まるで人間の剣士のような精緻な動きすら見せてくる。


 メルサが一際強い魔力を込めて放った雷剣。


 対して、ルミリフィアの操る銀剣は、雷剣の威力を受け流し、それを別の雷剣にぶつける、というような、卓越した剣技を扱ってくる。

 ナギサが扱う『力の流れのコントロール』とまったく同じ技法だ。


 そして、さらに異常なことが――――。


 □


 ファシルは、目の前の異常に気づいていた。


「…………、おかしい……なにが起きている?」


 まず、あの六本の剣は、ルミリフィアが操っているはずだ。

 だというのに、ルミリフィアは、六本の剣を全て見ているわけではない。

 

 『操る』というシンプルな術式を動作させる際、手や杖の軌道、あるいは視線など、操作のイメージを補助する動作が必要となる。


 それらを破棄する場合は、難度が上がるが、その場合は事前に命令を組み込んだプログラムを作っておく、などで実現できる。


 しかし、あの銀剣は、どちらにも当てはまらない。

 

 『相手の力の流れを利用して、別の剣にぶつける』などという動作を、事前に組み込むことも、視認せずに行うことも不可能だ。


 あれは魔装戦においても……、もしかすると、神器戦においても革命かもしれない。


 あの技術と相対することは、つまり『7人の剣士を同時に相手にする』ことになるからだ。


(こんなの……、いくらナギサでも…………)


 そもそも、神器単体のルミリフィアに勝てるかどうかも不明瞭なのだ。

 これは、次元が違いすぎる。


 作戦を一から組み立て直さなければ……。


 組立なおして、それで……?

 

 勝てるのか。

 いつになれば、勝てるのか。

 全てが、何も、見えてこない。


「……《闇》属性……珍しいですね……」


「……え?」


 絶望するファシルをよそに、ナギサは左目を赤く輝かせていた。


「……《闇》の魔術で、剣に《死霊》を憑依させて、自動でコントロールしてるんです。6人分、『剣の達人の死霊』を用意したんでしょうね……、大変そう……、どうやって集めたんだろう?」


 あっさりと、ファシルですら『絶望』により、『分析』という発想に至れていなかったルミリフィアの術式を看破してしまうナギサ。

 



「……あいつ……、あれだけ魔族を見下しておいて……!!」

 

 七属性から外された《闇》は、魔族の属性だ。


 ファシルの《吸血鬼》の力も、属性としては《闇》とカテゴライズされる。




 魔族を差別しておきながら、魔族の力を使うという矛盾は、一体どういうことなのか。

 《闇》のことも、魔族のことも、知る者は多くはない。

 『知らない』からこそ、差別がある。

 

 それを自分にだけ都合よく利用しているルミリフィアの在り方に、ファシルは強い憤りを覚える。



 

(おまえは……、どこまで卑怯になれるんだ? なにがしたいんだよ……。それも私へのあてつけか? 『魔族』は全て、支配して、管理できるというアピールか……。そこまで……、そんなにも、私が憎いのか…………?)


 ファシルの胸に、暗い感情が溢れ続けることに関係なく、戦いは続いていく。




 □ 


 五対一、というアドバンテージは、消え失せた。

 六本の銀剣による猛攻を、必死に防ぐメルサ。


 しかし、


 ルミリフィアが、二本の銀剣を掴む。

 瞬間。

 銀剣が、飴細工のように溶けて混ざり、一本の剣となる。

 それが振るわれる。

 ルミリフィアの、腕が霞んだ。


 高速のスイングと同時、剣の間合いの外にいたメルサから鮮血が散って、倒れた。




 □



「……ここに、女神へ牙を剥いた反逆者の末路は決まった!」


 ルミリフィアの声に、観衆である学園の生徒達が沸いていく。






『さすがルミリフィア様だ!』『これで安心だな』『魔族を匿って刃向かって、バカみたい』



「…………っ……、」


 口々に、反逆した生徒――メルサを罵る観衆に、ファシルは眉をひそめる。




「次は、ヴァナルガンドだ。手始めにヴァナルガンドの神器を奪い、これを神器統一のための狼煙とする!!」


 再び、沸き上がる観衆。



 学園内は、基本的にどこかの寮に所属している生徒がほとんどだが、寮に対する帰属意識のない、実質的に無所属の生徒も多く存在する。

 ルミリフィア率いるアウルゲルミル寮は、今や学園最大勢力で、無所属層も取り込んでいた。




 熱狂の歓声、


 それを、一瞬で冷ます声が、









「…………、あ、あの!」


 瞬間、


 ルミリフィアの立つ闘技場のリングの上に、一つの影が。

 観衆の目が、一気にそこへ集まる。










「…………なんだ、貴様は?」


「…………、ヴァナルガンド寮の、ナギサ・ハバキリ……です! あ、ァ、あのォ! ……わ、わたし、負けませんから!」





(ナギサ……!!!!? なにをやっているんだ……!!!!!?)


 ファシルも驚愕していた。

 いつの間に消えたナギサが、気がつけばルミリフィアの目の前にいる。







「貴様が……、ファシルリルの代わりに、私と戦うと? 神器もなしに?」




「……は、はい! で、でも……ファシルさんが造ってくれた、刀がありますから!」


「………………ッ、……、」


 刹那、

 ゾクリ…………と、ナギサの背筋に、明確な恐怖が走った。

 





 これまで、ナギサは、基本的なコミュニケーションに怯える、ということは多々あった。

 しかし、それはナギサの苦手意識が引き出しているもので、その恐怖の対象はあまり関係ない。

 つまり、なんにでもビビっていたのだ。

  

 だが、今のは違う。

 ナギサの目は、突き刺すような鋭い敵意が放たれているのを捉えていた。


「…………いいだろう。では、一つ、余興といこうか」


「……はい?」

「なに……軽く打ち合って、熱を高めるというだけだ。悪くない趣向だろう?」

「……え、いいんですか!?」

「ああ。来い」

「……では!」


 たったそれだけで。


 突然、ナギサとルミリフィアの戦いが始まってしまった。







 □


 ナギサへ迫る、六本の剣。

 

 『神器戦における革命』。

 だが、ファシルの予想はあっさりと崩れる。


 ナギサは、そんなものは苦にしない。





 『死霊』による六人分の剣士の同時行使。


 それがどうしたのだというのだろう。




 ナギサは、もっとたくさん、生きている剣士に囲まれたことがある。


 切りかかってくる剣に対し、力の流れをねじ曲げてやる。

 だが、相手もまた死霊とはいえ、剣士。

 力の流れを、コントロールしてくる。

 同時に流れをコントロールしようとすれば、どうなるのか?


 ――――――より上手く力を支配している、ナギサが勝つ。





 六本の剣を、一本の刀で捌いていく。



『なんだあいつ……!?』『あいつ……、《ブランク》だろ? ヴァナルガンドがおかしくなってるってマジなんだな』『やっぱり、ルミリフィア様に楯突くやつってどうかしてるんだな』 




(…………、戦いは楽しいけど……。知らない人に、悪く言われるのは、怖いな……)


 戦いに没頭したいのに、雑音がナギサの聴覚を侵す。



 

(集中……、集中……、怖がるのは、あとで…………!!)


 今までだって、怖いことはたくさんあった。

 でも、怖がるだけじゃ、ナギサ・ハバキリは、ファシルリル・ヴァナルガンドの力にはなれない。


 だから。


 ナギサが決意を込めて、一歩踏みだそうとした、その瞬間。








「…………ファシルリルを恨めよ。どうせあいつは、貴様のことも使い捨てる」


 ルミリフィアが、一瞬で距離をつめていた。


 神器と、刀が、刃を重ねる。









「…………どういう、意味ですか……。なんでファシルさんを悪く言うんですか。友達……だったんじゃないんですか!?」


「……。今、思い知らせてやる。あの女の、救えない性根をな」」


 瞬間、ルミリフィアの莫大な魔力が神器に注ぎ込まれる。


 これまでよりも強烈な一撃。

 それでも、受けられる。

 まだ、これで終わらない。




 まだ、戦える。




 はず、なのに。



 ――――――ナギサの握る刀が、粉々に砕け散っていた。







「…………あいつは、貴様に不良品を握らせていたんだよ」






「そ、んな……。違う、……そんなわけ……、きっと、わたしが……わたし、の、せい……?」

 

 一体、何が起きているのか。

 ナギサには、起きた事象が理解できない。いや、理解を拒んでいるかのようだ。


 大事なことから、目をそむけているような……。


「刀に魔力を同調させる術式が、根本から壊れているな。急造で、雑で……その上、迷いだらけの、酷い術式だ。あいつの愚かさを示しているな」


「そんな、こと……」


「勘違いするなよ、ナギサ・ハバキリ。これは敗北ではない。本当の敗北は、貴様と……そしてファシルリルに、しっかりと刻み込まねばならないからな」










 膝をついたナギサの耳元で、最後にファシルリルは、小さく呟いた。




「…………サンちゃんのこと、ありがとう。……あなたも、彼女には相応しくないから、もっと幸せになれる場所があるわ。……それも、いずれ教えてあげるね」



 あの時の、

 書店で出会った時の、優しいしゃべり方。



 やっぱり、同じ人だ。










 …………本当に、同じ人のすることなの、これが?











『だっさ……』『所詮は《ブランク》と《没落姫》か』『身の程を知れよバカバカしい…………』


 

 ナギサを罵る、 

 

 声。

 見下す、声、

 

 ナギサを、蔑む、目……、目、視線、目目目、目目目目目目目目目目。



「…………ぁ、ぁあ…………、い、や……っ……」



 思い出す。

 孤独の日々を。

 

 失敗ばかりの日々に、戻されたようだ。

 

 変わってない、

 成長してない、

 ずっと、同じ、

 前と、同じ、くるしみ、



 ナギサは戦いは、怖くない。


 けれど、なにより、自分に哀れみ、蔑み、見下す、視線には、どこまでも過敏だ。


「…………、はぁ……、はぁ、はぁ、はぁ……っ……」


 動けない。

 視線が、刺さるかもしれないから。


 もう、どこにもいけない。


 


 刀が砕かれ、膝をつき、泥にまみれて。


 それでも、ナギサは、ただうずくまることしかできなかった。



 □



 戦いが終わった後。

 

 ルミリフィアの行く道を、観衆が真っ二つに割れて、拍手で迎える。

  

 その中で、たたたたたっ、と歩み寄ってくる小さな女の子が。


「るみりふぃあさま……、きょうも、わたしたちをまもってくれて、ありがとぉ!」


 一枚の絵が差し出された。

 

 黒い、クレヨンでぐちゃぐちゃに塗りつぶされたナニカを、銀色の剣を持った女が倒す絵だった。

 よくある宗教画を真似て、そこにルミリフィアを当てはめた、無邪気なパロディ。


「……うん、ありがとう。キミ達を守るために、私は戦うよ」


 ルミリフィアの声は、どこか、渇いていた。



 □




 その後、ルミリフィアはアウルゲルミル寮内にある自室に戻る。


 その部屋は、純白で、『過去』しかない部屋だった。


 昔の日記、昔作った粘土細工。

 なにも『未来』がない、『過去』だけがひたすら降り積もった部屋。



「…………………………、こんなの……」


 絵に描かれた、黒いナニカを見つめる。


 『吸血鬼』を、意味しているのだろう。


 



 びり、


 びり、


 びりびりびりびりびりびり、


 ぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃ、



「…………ぜんぶ…………るーちゃんが、わるいんだよ…………」


 その声は、絶望に侵食された響きを孕んでいた。


 るーちゃん。


 ルミリフィアは、

 ファシルリルを、かつて、そう呼んでいたような、気がする。






「こんなせかいに、こんなわたしにしたのは、るーちゃんだよ…………、だから…………………………」










 誰が。


 何が、

 

 悪いのだろう。


 この日、ナギサも、ファシルも、ルミリフィアも、


 いずれも全員、絶望に満ちた幕引きだ。



 



 

 



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