最強魔法使いの無双転生生活~天賦の才を授かった俺はリベンジする~
@nekonotek
プロローグ
眩しい朝陽、母さんの声と重なるうるさいくらいの雀の囀り。毎日毎日こんな生活を送っている。今考えると、ある意味こんな生活も良かったな。
遡ること6年前、俺(相澤亮)は18歳のピチピチ高校生だった。
当時通っていた「堀沢高等学校」は日本随一のエリート校で、俺が所属していたバスケ部では日本トップに君臨した事もあるくらいだ。俺はベンチだったけど。そんな俺だが割と成績は良かった。高一の頃は精神的にも体力的にもとんでもなくキツかった受験勉強が終わった反動か知らないが、勉強そっちのけで家帰って漫画読んでシコって風呂入って寝て...というニートまっしぐらの生活をしていた訳だが、、、そんな俺でも自慢できることが一つだけある。それは、学校のマドンナ、「花瀬香織」と付き合った事だ。香織との馴れ初めは今でもおかしいと感じてる。
2学期に入った時、武田、宮本、佐々木というグループでのお泊り会を開催することになった。
「お!いいじゃん!いつにする?!」
「落ち着けよ武田、まだそこまで決めなくてm...」と佐々木が言う。
「そんじゃ明後日にしようぜ」
一同「はぁぁぁ?」
「相澤、、お前俺がさっき言った話聞いてたか?」
「ああ聞いてたとも。」
「じゃあ言ってみろよ」
「...――」
「ほら言えてねえじゃねぇかアホが」
「お前ら落ち着けよ。お前ら何歳だよ」
「ごめん宮本...」と佐々木が悲しそうに言う。
「もう面倒だし来週で決定な。じゃバイバイ」
宮本は吐き捨てて消えていった。
――そして時は過ぎ―――
当日
今日は一日中ゲームした後、鍋パーティでもするか!!
「楽しそうじゃん!」
「おいおい宮本が一番ノリノリじゃねぇかぁ!」
「そうかぁ?w」
―――楽しい時間はあっという間に過ぎていった―――
「せっかくだし寝る前にトランプでもやるか!負けたやつは罰ゲームとして花瀬さんに告白な!www」
「お!佐々木、いつもの割にはいい案出すじゃん!w」
「え、マジ?」(なんでよりにもよって俺の好きな子なんだよ...)
「当たり前だろwじゃ、始めるか!」佐々木は楽しげな表情で言った。
―――そして―――
俺、相澤は敗北した。
だいぶ緊張してたせいか、その後の事はあまり覚えていない。
そして家に帰り俺はベッドに横たわりながら告白の脳内台本を着々と作っていた。
──後日──
「え?相澤今日花瀬に告白すんの?ww」
「絶対無理だろwww」
(誰かは分からないが、あのメンバーの中の誰かにバラされたのか...)
頭の中はパニック状態。クラスメイト全員の視線がこっちに寄っているのが肌で感じられた。頭の中が空っぽになっているまま、ついに放課後になってしまった。他の人の視線に押され、言っておいた約束の場所、中庭にいつの間にか足を運んでいた。
「あ....あ...あの...ぼ...僕と..付き合ってください...!」
頭がパンクしそうだった。
──その時──
「良いよ!喜んで!」
「───え......??」
(いやいや、、俺が付き合えるわけないよな...?きっと聞き間違えだよな...?)
「これからよろしくね!」
(いや──聞き間違えじゃない....)
こんな感じで何故か付き合えたのだ。
それ以来、クラスの男子の俺に対する目つきは明らかに恐ろしくなっていた。特にいじめは起きなかったが、俺はその雰囲気があまり好きではなかった。その日からお泊り会をしたメンバーとは無意識だが、遠ざかっていた。しかし、花瀬さんと付き合えたという喜びが勝り、全てのことに対してやる気が出てきた。性格も前とは比べ物にならないほど見違えったと思う。そして勉強も黙々とやるようになり成績も上がってきていた。そんなある日。
「修学旅行♪修学旅行♪!」
待ちに待った修学旅行の日だった。この日は花瀬さんとも一緒の班になり、テンションも上がって、つい気が抜けていた。
いつも通りの通学路を歩き、登校していた。
────その時────
「おい!!そこの坊ちゃん!危ないぞ!!止まれ!!!」
ガシャン...グチ
突然真っ暗になった。理解が追い付かなかった。
暫くすると、謎の男と女の声が聞こえてきた。
自分は女に抱っこされ、その横で男はニヤニヤしている。本当に見覚えもないし、、誰か分からなかった。部屋も雰囲気が全然違う。
「.....これ、まさか転生した...?!」
そう、俺には分かったのだ。
(異世界転生系の漫画が流行っていたから、その類の本は何度か読んだことがあるけど...多分それだよな?)
最初はとても混乱していたが、優しい母の声、たくましくて面白い父の声を聞くうちに、「自分が転生した」という事実に向き合うことができた。その時だった。突然大きな乳房がこっちに迫ってくるではないか。体は赤ちゃんと言っても、中身は立派な思春期の男子だ。こんな不測の事態に対応できるほど性欲は単純ではない...!本能に従うように口が勝手に動く。咥えた乳の先端からは生暖かい、甘い液体が出てくる。母乳だ。
(これからずっとこれやらないといけないのかぁぁ...... 最高じゃねぇか!!)
この時、母は何か言っているようだったが、全く理解できなかった。
――1年後――
この生活にも少しずつ慣れてきた。最初は何を言ってるのかさっぱりだったけど、体が若いからか大体何を言っているのかが掴めるようになってきた。少しずつ体も動かせるようになり、家の中であればハイハイで自分の行きたいところにも行けるようになってきた。
そんなわけだし、家の中周ってどこにどんな部屋があるか確認しときますか。
そうして俺は家を探索した。
(ハイハイってマジで進み辛ぇ...!)
家は全体的に狭かったが、現世の俺の家と同じくらいの大きさだったからか、逆に安心した。
(へぇ...やっぱりこの世界には機械がないんだろうか...?)
家中見て周ったが、機械という機械は見当たらず、この世界では文明があまり発達していないことを悟った。そして次にしようとしたことが、書物でこの世界について理解を深めることだ。二階の隅には小さいしクモの巣がかかっていて少々汚いが、本がびっしりと詰まった本部屋があった。
(父さんのにおいがする...)
おそらく父さんが使っていた部屋なんだろう。
年季が入ってるし、少なくとも近頃使っていないという事だけはすぐに分かった。
自分はこの世界ではまだ生まれて一年ほどしか経っていないので、上の方にある書物は届かなかった。
(こんな年から本で勉強をしていることが親にばれたら面倒になるだけだな。またいつか勉強するとしよう。)
そんなことを思いつつ、階段を下りていたその時だった
ガシャン ドン
階段から落ちてしまったようだ。しかも一番上から。
「シャンドラーー!!!!大丈夫か!!!!」
父の声だ。
「シャンドラ―!!!痛くない??大丈夫??痛いの痛いの飛んでいけー!!...」
母の声だ。
(正直だいぶ痛い。一番上から落ちたな...)
俺の意識は闇の中へ沈んでいった。
「シャンドラーー!!シャンドラ―!!」
意識が戻ってきた。体の感覚が、戻ってきた。
「シャンドラ―!!良かった...!!もう大丈夫だからな!!!」
父が必死に俺の名前を呼んでいた。
「この年でこんなに体が丈夫なのはとても珍しいですね。これでもう大丈夫ですよ。」と医者が言う
(あれ、母さんは?)
「ハットン!!シャンドラ―の様子は?!!大丈夫なの??!」
「レベッカ!...大丈夫だ。シャンドラ―は意識を取り戻したぞ。医者によるともう大丈夫とのことだ。」
「良かった...本当に良かった...」
(母さんと父さんは俺のためにこんなに感情的になってくれるのか...なんか申し訳ないな...次からは気を付けよう。)
――そして時は過ぎ、さらに3年後――
「パパ!本読んでいい?」
「ああ良いぞ。好きに読んでくれ」
「ありがとうパパ!」
「いいとも。 あ!レベッカ!今日の収穫はどうだったか?」
「いつも通りよ。ミスリル草がちょっと多めかしら。」
母はいつも通り薬草を摘みに行っている。俺が階段から落ちてしまったその日からずっとだ。
「さて、そろそろ練習するか。」
俺は母と父に隠れて魔法の練習をしていた。
「ハイディメンション!!」
本を本格的に読み始めて早一年、この世界には魔法があるということを知った俺は、こうやって毎日練習している。具体的に言うと、この世界の魔法は大きく分けて三つに分かれている。第一系列大型魔法、第二系列中型魔法、第三系列小型魔法となっている。第一系列大型魔法はこの世界の超エリート校、エーネル魔法大学のトップに君臨する3人にしか使えないと言われている。
しかし俺は、わずか4歳にして使うことができてしまった。
上位魔法は攻撃性の魔法だというイメージがあるかもしれないが、実はそうでもない。俺が使えるようになった内の一つを紹介しよう。
それは、
『高次元創造魔法』
だ。
これはその名の通り、俺たち人間が住んでいる3次元の空間に高次元、4次元を作り出す魔法だ。この次元では面積が無限になっており、3次元の生命体が認識するのは不可能だ。だから俺が攻撃性魔法を練習する際にもうってつけだ。本に書いてある魔法はすべてマスターしてしまったため、今は自分で魔法を組み合わせる魔法を作ったので、それを使って色んな魔法を作っている。例えば、魔法界において古代から禁忌とされてきた力、死者を蘇生する能力など、今は研究中だ。
この世界では実力があれば年齢関係なく高レベルな学校に行くことだってできる。まずは早くこんな田舎の家から出て都心部に行くとしよう。
―――こうしてシャンドラーによる無双物語が始まる。―――
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