第2話 依頼
そして今に至る。
ライは今でも同じパーティーで冒険者ギルド
の依頼をこなしている。
「またゴブリン退治しかないなー。ドラゴンとかでねーかな」
ライは魔王を倒した今、とても暇なのであった。
「不謹慎なこと言わないでください!」
「まあ、少し退屈なのは事実だわね」
「僕は偶に魔法学院で講師をするんで暇じゃないんですけどねー」
「おい、また自慢かよ」
赤髪の元勇者は呆れながらそう言うと、
興味深い依頼を見つけた。
依頼主:レイ・グロスター
難易度:不明
依頼内容:貴族連続暗殺事件の解明
条件:国を救った経験があるパーティー
「これ俺たちの事じゃないか?」
「かもですね。ところでレイ・グロスターって国王じゃないですかー」
「え、そなの?」
「私も同じこと国王じゃないかなーって少し思いました」
「魔王討伐の報告に行った時に聞かなかった?」
皆は口々に彼に問いかける。
「あーもしかしたら聞いたかも」
『……』
「この依頼でいいかしら?」
高貴な女性が提案した。
すると、皆は首を縦に振った。
「いつ見てもでけー城だな」
「あの城は結界があるから魔物は入れないのですよー」
「それ前も言ってたわよ」
勇者一行が他愛もない話をしていると礼儀
正しい老人が現れた。
「ようこそおいでくださいさいました。さあ中に」
「エリックさんこんちゃーす」
「何言ってるんですかー」
「今日は依頼なんですから真面目に」
「はあ、呆れる」
「部屋多すぎて迷うな」
「ですねー」
「私はもう慣れてしまって何も感じなくなってしまいましたな」
「確かに前よりは圧倒されないかも」
「そうだわね」
そんな話をしているととても大きな扉が5人の前に立ち塞がった。
「これどうやって開けるんだって?」
「触れると身体を巡る魔力が少し物体に流れますよね?それを使って登録されている人かどうかを識別するのですよ。中でも王様の部屋は王様だけが開けられます」
「はえー」
赤髪の青年は興味が無さそうに答えた。
「更に言うと流れる魔力は一人一人波長がちがうので、超安全ですー!!」
そんな話をしているとエリックが扉を開けた。
すると王冠を被った男と数十人の兵士が待っていた。
「久しぶりだな。待っていたぞ」
「ごきげんよう」
ライが変なことを言う前にアリスが答えた。
「改めて魔王を倒した事、深く感謝する」
「それ程でもないですよー」
「ところで、今回は貴族が何者かによって殺害されている件に関してじゃ。目撃者によるとアンデットの軍団が貴族を襲っていたとの事じゃ」
「アンデットですか。魔王軍の残党かもしれませんね」
「ですねー」
「残党なんて居たかしら?」
「殺したと思い込んでたとかじゃね?」
王は少し不安そうな表情をしている。
「お前達を呼んだのは事件の解明の為と依頼には書いたが、本当は私の護衛を頼みたいからじゃ。」
「俺に任せてくださいよ王様!」
「それは頼もしい。感謝するぞ!」
「王様、あれを渡さなくて良いのですか?」
老人はそう言った。
「ああ、忘れておった。これを受け取るが良い」
エリックは一人一枚ずつカードの様なものを渡した。
「なんだこれ?」
「魔石...もしかして扉の鍵ですかー?」と賢者は自信満々に言った
「当たりじゃ!この城の全ての部屋を開けることが出来る鍵じゃ!」
「凄い!」
「まあやるじゃない」
「では事件の解明まで頼むぞ」
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