勇者パーティーの中に殺人鬼がいるらしい

しゅーくりーむ

第1話 魔王討伐

笑い合う家族、眠そうに欠伸をする青年。

やっと世界に平和が戻ったと勇者ライは

実感した。


遡ること数ヶ月前。


「賢者の大魔法もその程度か」

賢者が全力の魔法でアンデットを殲滅しようとしたが、全く減らない死者の軍勢とその言葉に勇者パーティーは焦りを露わにする。

「守りを固めるわよ!」

聖騎士の彼女の掛け声で勇者一行は状況が良くなることを神に祈りながら1匹ずつ対処した。

しかし、動く死体は増える一方である。

そこで勇者が1つ提案した。

「埒が明かないから俺一人で魔王を倒す。皆は

アンデットを引き付けながら援護してくれないか」

そう言った直後、「正気ですか!?」と小柄な彼女は意義を唱えた。

だが、勇者の意志は固いものだった。

その為、優しい彼女は直ぐに折れてしまった。

「しょうがない人ですね。回復魔法はかけますから、安心して突撃してください」

「僕はこれでも賢者ですからー。援護射撃は任せてくださいー!」

「ゲイルとナタリーは私に任せて!」

そして、勇者は仲間の期待を背負い魔王に立ち向かった




「本当に俺たち魔王を倒したんだよな」

「ああ、魔法学院を首席で卒業した僕が死亡を確認したんだから間違えないー」

「また自慢話?」

「まあこんな時くらい良いじゃないですか。それよりもライさん、今度は無茶しないでくださいね!」

「はいはい、それよりも帰るぞ」

「適当な返事しないでください!」

ゲイルとアリスは二人の会話を聞いて微笑んだ。

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