第7話 二郎
先日、部下のひま子さんが会社を辞めた。ひま子さんは愛嬌があり、人懐っこい誰にでも好かれる性格だった。あっさり笑顔で会社辞めます!と言ってきたときは、びっくりした。少し残念だった。
「部長、これお願いします。」
顔も見ずに書類をデスクに置いていく部下。ひま子さんなら、笑顔で言葉多く接してくれたものである。
うわ〜。せっかく会社辞めたのに、部長の身体の中から、仕事場風景見るのダルすぎやん。それにしても、皆んな部長に愛想無いなぁ。でも思わせぶりな態度を取ってしまうのも、良くない事をこの会社で私は学んだ。部長とは何もトラブルは無かったが、取引先のおじさんとトラブルになった。思わせぶりな態度を取ってるつもりは無かったが、歳下の子から、あの人だっておじいちゃんとはいえ、まだまだ現役って感じするんで、あんまり愛想良くしないほうがいいですよ。と言われてしまった。そんな風に周りから見えていたんだ。と私は反省をし、それから誘いを全て断るようになったら、取引先のおじさんは私に冷たくなり、しつこく連絡してくるようになった。
「お疲れ〜」
「お疲れ様です。」
私は部下達よりも、先に会社を出るように心がけている。一杯呑みに行くか〜。今の時代、あまり呑みに誘うのはトラブルになりそうで、やめている。でも良い店を見つけたので、逆に1人で行きたいと思うようになった。そこのどて煮セットと、キンキンに冷えたグラスで飲む日本酒は最高だ。今日もお疲れ様でした。
部長良い店知ってるなぁ。一度部長と呑みに行ってみたかったな。ひま子は久しぶりにアルコールを摂取出来て、良い気分になった。
「おーい。浮かれポンチ起きろ!」
目を覚ますと、小さなおじさんが居る。夢から覚めてもおじさん。もう勘弁してよ〜
人間周遊旅行 つむぎ @yom010
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。人間周遊旅行の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます