第6話 はる子

そろそろ、人間周遊旅行に不満を持ち始めてきたひま子。ひま子の相関図リストを新聞のように見ている小さなおじさん。


「そろそろ普通の旅行がしたいな〜」


「普通の旅行なんて誰でも出来るやん。」


「出来へんよ。お金と時間がある人しか。今まで一年に一回行けるかどうかくらいやったもん。」


小さなおじさんに文句をぶつけていると、突然身体の中に入っていた。目の前の景色を見て、すぐにはる子だとわかった。そこはゲームセンターだった。よくはる子と遊ぶ時は、ゲームセンターに立ち寄る。


「ゲーセン久しぶりに来たなぁ。」


「あんなに好きやったのに?」


「結局元彼に影響されてただけやったんかなぁ。」


「あー。そうなんや。」


「なんか今部屋にある、昔ゲーセンで取った人形見てたらイライラすんねん。」


「私、元彼が推してたキャラクターの人形ばっか取ってて、自分の好きなキャラメル王子の人形はほとんど取って無い事に気付いてん。」


「思い出すんやったら捨てたら?」


「でも人形って捨てづらくない?」


「私は容赦なく捨てるわ。」


「そうなんや。夜パフェ食べに行かん?」


「急やな。ええけど!」


テル君と別れてから、全然食欲が無かった。なのに今日はいきなりパフェが食べたくなった。そういえば、ひま子と遊んだ時も、夜パフェ食べようって約束してたのに、やっぱ気分乗らん。って断ってしまったな。私は本当に自分勝手やと反省した。


「星屑パフェお待たせしました。」


「めっちゃ可愛いやん。星のクッキー乗ってる。」


「こんな食べられるかなぁ。」


「余裕やわ。早く次の人探そう。」


「男なんて星の数くらい居るよな!」


「上手いこと言って励まそうとしてくるの、引くわ〜!でもありがとう。」


「底までチョコとバナナがいっぱい入ってて、めっちゃ美味しい。」


「この時間に食べるパフェ最高やな。」


こんな形でやけど、はる子と一緒にパフェが食べられてよかった。いっぱい友達も居るみたいやし、安心。私も人の事を心配していられる立場では無いのはわかっている。このまま一生小さなおじさんと、変な旅続けるのはごめんやからな!

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