第3話 過去の自分の嫉妬ー6日目
ここ2日間は
「すみません、おまたせしました」
私が自分のお弁当を持って、部屋に入る。
「お疲れ様です、今日も4時から?」
「はい、そうです」
「長時間労働すぎますね…そういえば、えみさん…部屋着それだけなんですか?……」
10年前に戻ってきたときの服装は、Tシャツにジーンズ。
この1着しかない。
まぁ、気になるよね。
「あ、はい。恥ずかしいけど、そうなんです」
「これから夏だし…痒くなりそうですね。…そうだ! 家に余ってる部屋着あるから差し上げますよ」
「いえ、そんな、申し訳ないです…」
そんな私の様子にいたずらっ子のような顔に楽しそうに言う。
「捨てようかと思っていた所なんですけど、それでも? じゃあ、ごみ箱に…」
何か断ってはいけない空気を感じて、私は観念した。
「えっ…じゃあ、はい、いただきます」
お弁当の殻を袋に丁寧に入れながら、「自宅きてもらってもいいですか?」と
「これから?」
「これから、あ、もう寝ます?」
私は
「いや…あ、はい」
そして
***
「ここに入れてたはず…あ、ありましたよ」
―― ピンポーン
「!?」
玄関の小さな窓からのぞいて、もう一度リビングに戻ってきた。
「えみさん、すみません、ココにしばらくいてくれませんか? あの絶対に玄関のほうにきてほしくなくて…」
「いいですけど?」
そう告げると急いで
思い出した。
そうだ…私、あまりの連絡のなさに深夜、
居ても立っても居られず、私はリビングの扉をそっとあけて、様子を伺った。
私はそのままゆっくりと玄関に近づいた。
玄関の扉に耳を当てて、外の様子を伺うと、声がした。
「やっぱり家にいた。ここ1週間、連絡しないってどういうことなの?」
「それは…
「はい? あーそういう…別に連絡しなくてもいいけど? そうする?」
「…そう言いたいわけじゃないよ」
「どうせ私のことなんてどうでもよくて、忘れていたんでしょ」
「違うよ…」
「いいよ、もう帰るから」
声が遠くなった。
私は玄関を薄く開けて外を見た。
少し通路の先に二人はいる。
まだ声は聞こえる範囲だった。
「
「なに?」
「
「はい?? 何言ってんの?」
「
泣き顔の
「
「私のこと、愛してる?」
「うん」
嬉しそうな
「ふーん、じゃあ、ここでキスしてよ」
「えっ…」
「ほら、やって」
それに
そして
その姿に、私は玄関で倒れそうになった。
こんな…こんなことを自分はやっていたのか。
でも本人を目の前にするとそんなことは言えなかった。
高校時代に
自然に涙が溢れ、私は玄関を閉めた。
そこに、また今度は先ほどより怒っている声が聞こえた。
「何で家に入れてくれないの? おかしいでしょ?」
「
「そうだけど…誰か、いるんじゃないの? まさか…浮気でもしてるんじゃないの?」
「そんなことないよ…」
「じゃあ、入れてよ」
「
「なんで!」
「…あのね、
「あっそう、わかった! もうここには来ないよ、それでいいんでしょ、じゃあ」
「そんなこと…
私はそれを聞いて、もうここに
さっとリビングまで戻り、涙を拭く。
でもいくらたっても
リビングの扉を開けると、そこには玄関を背に座り込んで泣いている
「あ…えみさん…ごめん…ね…恋人が来たんだけど…」
私に気が付いた
「何も言わなくていいよ、リビング行ける?」
私は
だから
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