第77話   アボレイ星の王D

「Dが来た?」驚く2人に伝えた。「どうやって来たんだ?」ギルが聞く。

「寝落ちした僕の夢の中にさ。」「夢の中?出方がどちらかというと人間ぽいな。機械人間がAI、あの地球で見た管理システムのと、イメージが結びつかない。」

「そうだな。その点は僕も同感だ。案外脳内思考だけは8割人間で2割機械で造られているかもしれないな。いや造られたのではなく、たぶん、もともとは人間。何かの事故でカラダの一部を機械AI搭載したんじゃないかな。致命傷を負って、仕方なく?あるいは自ら望んで?ほんとの割合はその逆だ。人間2割。機械8割。これがDの正体、機械人間だ。」

ケブンが「大丈夫ですかな?バル様。」

ギルも「大丈夫か?そんな得体のしれない奴と戦うのは?」

「大丈夫だ。ただ、なんとなくだが、ワカやハルト達と同じ地球の人間のような気がした。なんと、なくだ。まあいい、先にエンド、Dををたたく。

この全宇宙のすべてを宇宙嵐モンズ星の王、このバル様が掌握する。」

ギルが「もちろんだ。先に先手を打つのか?」

「そうだな。みんなは起きているのか?」

ケブンが「はい。朝食中です。」

ギルも「昨日の夕食もおいしかったが、朝食もおいしい。ケル星の料理は最高だ。卵がプルプルだぞ。」

「そうか。僕もすぐ行く。」みんなの食べている部屋に入る。

クレアが「バル、叫んでいたけど大丈夫?ギルはあわてて、バルの所に行ったわ。ギルと、ケブンが行けば問題ないってところで私達は、朝食中。」

僕は少しムッとした。「クレア、冷たいな。心配してくれてもいいじゃないか?」

「それはするけど、バル、あなたなら寝込みを襲われてもすぐ対処できるでしょ。そういうことよ。」

「確かに僕は強いからいけどさ。まあ、いい。」僕は席に着き朝食を「卵のオムレツ。卵がプルプルだ。ギル、うまい。さすがだ。ケル星の料理はおいしいな。」

ポップも「そうだな。ところでさっきの叫びはなんだったんだ?」

「エンド、アボレイ星の王、Dが来てたんだ。」

「えっ?Dが、みんなが食べるのを止めた。」

クレアが「それで?」

「Dは敵陣の視察って言ってたけど、あれは偵察の間違いだ。それに彼の機械AIとしての能力は確かに的確で、こぼしがなく完璧だ。しかし、Dは機械人間だ。人間の部分から切り崩していける。僕らにも勝算はある。しかし油断できない。Dは僕の脳内に侵入して来た。さすがにチップは埋めれていないようだが、脳内で意図的に映像を見せられた。これがAIによる生命体へのハッキングとしたら打つ手がない。」

アンが「脳内ハッキングってすごいわね。逆に教えて欲しいくらい。」

ゼリが「それは洗脳のようなもの。思いこませる方法ね。でどんな映像を見せられたの?」

「この表舞台、ジルが造り出した宇宙の星達を見せられた。それもお絵描きで幼いDがもうすぐこの星達は全部、自分のものになるってね。」

アンが「凄い技術ね。」

「たぶん、電磁波に映像を乗せて、僕の睡眠の呼吸の合わせて電波を耳から電磁波に変換させ、脳内まで届かせ映像をみさせる。それもDの都合のいい映像をね。」

ゼリが「洗脳の常套手段ね。」「まあ、そういうことだ。が、倒せない相手ではない。技術はあっても思考は人間寄りだ。機械人間D。」

ケルが「戦闘能力はどうかな?」

「かなり高いと思う。それにブラックホールのエンド、あの異常なハイレベルな高濃度の高い重力の出入り口を自由に出入りするってことは重力にも確実に体勢が整っていることを示す。やはり2割が生身の人間。残りは機械AIなんだと改めて思うよ。

しかしここは譲れない。まずは地球を取り返しに行こう。まずは監視カメラを不能にする。」


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