第59話 古代宇宙嵐モンズ星入口・番人タク
タクが驚いた表情をしたが「ジル。やっぱりそうだったのか。両親も祖父母も僕の知る限りの家族は,このことを入口の番人のことは知らない。
僕には夢か現実か狭間の記憶が一つある。
小さい時だ。たぶん5、6才ぐらいかな。夏の夜。今日のように星がきれいな夜だった。
お風呂上がり、僕は一人で夜空を見ていた。さっきみんなで食べたあのバーベキューの場所。あそこでいつものようにスイカを食べていた。キラリ空が光った。
「流れ星。」
流れ星の光の帯は長く伸びてきれいだった。
ずーっと見てるとその流れ星は僕に向かって来た。」
ワカが「聞いてると自分に向かってくるって、まただけど、マンガのようね。」
ハルトが「そうだな、マンガの中じゃ、みんな主役だからな。タクのその光景もまさにそうだ。タクが主役のマンガ的な展開だ。」そう言いながら少しタクのことが羨ましそうだ。
タクが「みんな、マンガみたいだって言うけど、実際その場にいたらそんな考える余裕はないよ。だってびっくりして大好きなスイカ落としたよ。」
アンが「スイカ落としたこと覚えてるって、タクそんなに食いしん坊だったっけ?」
タクが「好きなものの記憶は覚えてるよ。忘れない。」
僕も「そうだな。好きなこの記憶。これは異なる種族、生命体でも”忘れない”って
共通している。ジル、そうお前が、造ったんだろう生命体を。それともお前自身が好きなものを”忘れたくない”っと。強い意志が働いて。」
「ポコン」人型ジルの^げんこつが無言で僕の頭に落ちる。
アビビがタクに「タクー。タクはスイカが大好きなのか?僕も好きだよ。」
ミリが「アビビ、食いつくとこそこ?おかしいよアビビ。」
アビビが「だって流れ星?当たり前じゃないか。僕らも流れ星、彗星でこの地球に来たんだからさ。」
ミリが「あっ、そうだった。私、ケル星人の彗星だった。」
2人のかけあいを見てみんな笑った。みんなで地球に居るせいか、みんな宇宙人だということを忘れていた。リアクションが地球人ぽい。
タクが「話を続けるぞ。そしてその流れ星は目の前に落ちた。眩しいほどの輝きの中に”ネズミ”が”ネズミ”がいた。ネズミはしゃべりだした。”お前の山のてっぺんに俺様の星への入口がある。お前も俺様の星の星人だ。来るべく時まで地球人として、今まで通りに過ごせ。地球の時間は短い。その時はすぐだ。その時まで入口の番人をしろ。”かなり偉そうな口調だった。そのあとの記憶がなくて、気づくと僕はベットの中。”あれは夢?”あとでお母さんが言ってたんだ。食べかけのスイカ残して寝てたんだって。だから今日のこの日までてっぺんの入口のことも自分が地球人じゃなくて、そこにいるジルが言う宇宙嵐モンズ星人ってこともすべて忘れていたんだ。でも嬉しいかも。僕がこのはじまりの宇宙を造った宇宙嵐モンズ星人、バルと同じ星人かあ。でも実感ないんんだがな。」
エルダが「そうだなタク。タクには悪いが、我々が良く使う手だ。他の星に偵察するためにその星の住人にさせる。しかも記憶操作をして。本人は本人の使命のその日まで全くそのことを疑わない。あまり良くよくない手だがな。よくあることだ。」
ワカが「こんな小さな地球でもそれに似たこと頻繁にあるよ。スパイ。これもマンガによく出てくるのよね。」
ハルトが「また、マンガか。」
みんなが笑う。
人型ジルが真面目な顔で腕組みをしながらタクを見た。
「タクよ。今日までよく入口の番人をしてくれた。礼を言うぞ。」
「ポコン」今度は僕がジルの頭にゲンコツ。「ジル、そこは”ありがとう”だろう。」
ジルはタクの方を向いて「ありがとう。」大声で言い切った。
僕はジルの頭をなでて「偉いジル。良く言えました。」ちょっと子供扱いした。ジルも少し嬉しそうだった。
僕はタクをチラリ見た。僕と同じ宇宙嵐モンズ星人か。確かに同級生の中でも背も高いし、身体能力もある。
僕は僕の細いカラダを見た。
ジルが「バル。カラダの大きさとエネルギー能力量は一致しない。お前のエネルギー能力量は
まあ今はいい・・・みんな行くぞ。」
ジルの声が響く。
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