第55話 ギラル星より帰還・日常へ

僕はラコーニに「全宇宙支配の野望はいいのか。」と聞いた。

「もちろん、あきらめてはいない。しかし、今しなければならないのは、キャプテンKを救うことだ。消滅したものは戻らない。バンパイアでもいい。キャプテンKが存在できるなら。頼む

バル、急いでくれ。半分を夜の世界。半分を昼の世界。」

「分かった。」僕は次元線のラインまで太陽を移動。その前に僕はジルとエルダを見た。

「もちろん2人とも手伝ってくれるよな。

さすがに太陽の移動は僕だけの力では無理だ。」

ジルが「そうだろう、そうだろうバル。僕が必要だよね。」ジルの目が明らかに僕をからかっている。

エルダも「バル、もちろん僕も力を貸すよ。

ここで君に恩を打っておくのも悪くない。」

エルダはやはり打算的だ。

「2人とも頼む。」

「じゃ、そういうことで。」

「せーいの。」僕ら3人は、最大限の力を出した。この全宇宙を造ったジルに関しては、片手でエネルギーを放出しているように見える。

エルダに関しても余力のエネルギーを残している。

僕はいっぱいいっぱいだ。

“彗星破壊の塵”の宇宙名がないてしまう。

僕らは灼熱太陽を次元線の中央に位置付けた。

太陽が固定両サイドの重力の次元が引っ張り合い完全固定される。

暗闇の中の生命体より聞こえる喜びの声。

これでよし。ミッションクリア。

地球は旧裏宇宙に属す。ラコーニのギラル星は旧表宇宙に属する。

二つの異なる星は次元が違うが、宇宙空間で受ける条件は同じとなった。

僕はかなり、疲れた。正直、平和で平凡な、少し寂しくてもかまわない。幼なじみのワカ達がいるあの、地球に戻りたい。少し休みたい。

目の前にラコーニがキャプテンKといる。

「バル。今回はキャプテンKを助けてくれて感謝しています。

僕は一番近くにいながら一番大切な人の窮地、命がなくなることを気づけなかった。上に立つものよして、良き友人、家族として失格だ。

しかし、どうしてキャプテンKがゾンビだとわかったのか教えてくれ。」

「そうだな、僕が最後にいた地球は、表面上は、生命体の大半は地球人の人間だ。

しかし、宇宙嵐モンズの目で見ると多種多様な種族が住んでいるのが見える。地球人という平和な星人の仮面をかぶり。キャプテンKのようなゾンビもいれば、月人もゴーストもいる。ゾンビにいたっては、みな特殊な匂いを放つ。キャプテンKにあった時に同じを感じた。それだけさ。それにこれは地球でよく言われていることだがドクターほど自分の家族の病状を見逃しがちだと。要するに近くにいる大切な人々はお互いがお互いを思いやりすぎて、相手に心配をかけないように隠す。だからこそ、ラコーニがキャプテンKの状況に気づけなかったことは、しょうがないことだったと思う。」僕はやんわりとラコーニに寄り添った。

ラコーニが「そうだな。今、こうしてキャプテンKが、バンパイアとして新たな永遠の生命体として生まれ変われたことを素直に喜ぶことにするよ。ありがとう。バル。」

ジルが「バル、ラコーニとは話せたか。みんなが待っているぞ。」

「ラコーニ、じゃあ、僕は行くよ。会えてよかった。」

「僕もさ、バル。今度会うときは再び敵かもしれないな。僕はやはりこの全宇宙を支配したい。じゃあ。」ラコーニとキャプテンKが僕らから離れる。

僕らも帰還「離陸。帰還開始。」

僕らはジル、エルダのエネルギー時空空間の宇宙船に乗った。行きは宇宙空間を飛んできたのに。僕は「ジル、こんな時空空間の宇宙船があるなら初めからのせてくれよ。」ハルトもジルもじーっとジルを見る。月人のルナに至っては

「ジルのけち」ってハキリ言った。

「そうだ。ジル、ケチだよ。どうして行きにこの宇宙船のせてくれなかったの?」

ジルに変わってエルダが「故障中だったんだ。ジルの持ち物は意外とアンテックなものが多いからな。」

ジルが「エルダ、アンテック。いい言葉だね。そう僕の持ちものはだいたい50億年から40億年は経っているからな。」

ハルトが「この宇宙船大丈夫?」コンコン。宇宙船の窓をたたく。

ジルがあわてて、「ハルト、窓は叩くものじゃないよ。優しく。優しくね。」

ルナも心配そうに見ている。

僕は「ジル、大丈夫なんだよな。これで地球まで戻れるよな。」

「大丈夫だ。」

ギルが「バル、これからだけど、どうするんだ?」

「僕は、地球に戻る。そして...」ジルを見た。

「ジル、地球にもどったらジルが探していた古代宇宙嵐モンズの入口を探すんだろう。」

「そうだ。入口は地球にある。」

「ギル、僕はジルとともに古代宇宙嵐モンズ。はじまりの宇宙嵐モンズに行くつもりだ。ジル、いいだろう。」

「そうだな。あの空間は宇宙のはじまりの秘密もある。バル、お前に教えるのもな?少し考えさせくれ。はじめの計画が変わってしまいそうだ。」

「わかった、ジル。僕はこの急激な変化と戦いで正直疲れた。少し休みたい。地球にもどったら時間をもとに戻してくれ。夏休み初日。僕は休息をとりたい。それに大好きなカブトムシ、まだつかまえていないしな。」

ハルトが「そうだ、カブトムシまだつかまえてなかったな。そういえばゼリさんにも見せてやろうと思ったがゼリさんは家の周りに山のようにいるって言ってたっけ。」

カブトムシ大好きの僕は「じゃ、タクの裏山じゃなくてゼリさんの所にいこうかな。」

ギルが「さすがにそれはまずいよ。タクが、がっかりするぜ。僕のとっておきの秘密の場所って言ってたしな。」

アビビも「僕もまだ、見たこともないんだカブトムシ。タクの家に行きたいよ。」

「そうだなアビビ。タクもアビビがいるとうれしがると思うよ。」

僕はルナを見た。「ルナはカブトムシ見たことある?」

「ないわ。それは何?」

「かっこいい虫だよ。」「虫ねえ。」

僕はエルダに「エルダはカブトムシ見たことあるの?」

「ないな。名前もはじめて聞いた。それにブラックホールダーク星にはいなかった。しかし、それほどバルが好きだとするとそのカブトムシは強いか?」

「もちろん強いよ。でもやっぱりカッコいいが先だよ。」

「ふーん、そうか。」

ジルが「そろそろ着くぞ。着陸。」僕らは地球のケブンの要塞ベルシアに着陸した。

みんなが宇宙船に集まる。「バル。」一番にワカが僕に抱き着いた。チラリとハルトが僕を見た。「お帰り。大丈夫?ケガしてない?」まるでいつものお母さんのように僕に甘い。

「ワカ、僕は大丈夫だ。ワカこそ、大丈夫だったかい?」

「ポップ先生やミリたち、みんながいたから大丈夫だった。敵の攻撃もなかったよ。」

「それはよかった。」

「ところでみんな、聞いてくれ。これからこの地球の止まった時間を動かす。

僕らは、みんな疲れている。しばしの休息、日常に戻る。みんなどうかな?」

「バルがそう言うんだったら。いいよ。」

「2か月、僕はジルとともに古代宇宙嵐モンズ星の入口を見つけ、はじまりの宇宙嵐モンズ星に行くつもりだ。一緒に来たいものは2か月後にまた会おう。

一度解散だ。」そして地球の時間が動き出した。みんなはそれぞれの星、居場所へ帰還した。


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