第42話 時空空間 救出移動 

僕らはナスカの絵の中に入った。ジルの目から光線がでる。

画面表示。「目的地設定。ナビします。」機械音声がみんなの脳内に電磁波で流れる。僕らは、全員光の中に消えた。と同時にカラダがスライム化した。人型の形が一瞬にしてなくなった。僕やケル星人のギル達はもともとスライム化できるため問題ない。月人のルナ姫、アンはこの状況をパニックすることなく受け入れた。この順応性に僕は驚いた。

ジルが「地球人と月人は最初に造った星だ。他の星達と違い特別だ。原始の造った当初の形のままだ。人型だ。物理上スライムにも変化できるように操作はしていたが思っていた以上に順応していてびっくりしている。多分彼らの身体能力が優れているせいかもしれないな。いいことだ。造った私は天才だ。なあバル。」へらっとしたジルが脳内に入り込む。

「わかった。ジルそんな、まぬけな顔を見せるな。」

ふざけたジルはほっといて、僕はみんなが心配だ。

「ルナ姫、大丈夫か?」

「バル、大丈夫よ。こんなグニャグニャのカラダで目も耳も口もないのに人型のときと同じように見えるし、こうしてバルの声も聞こえて話せる。笑えるけど不思議よね。」

アンも「地球だったら、この姿、宇宙人”キャーって”騒がれそう。ほんと夢みたいなマンガの世界にいるみたい。ほんとの夏休みの冒険みたい。でもちっとだけ、スケールが大きいかも。ワカ達を助けに向かっているのになぜがワクワクしている。みんなと一緒だからかな。ほんと数日前にタクの山でみんなとカブトムシ採っていたことが遠い過去のように感じる。」

「そうだな。ワカ達、みんなを救出して、ジルの古代宇宙嵐モンズへの入口を見つけることができたら、カブトムシ採りの続きがしたいな。」

「そうねバル、ワカが言ってたけど小さい時からカブトムシが好きだったの。」

「その通りだ。小学校の時、ハルトが学校に持ってきたんだカブトムシ。あまりのカッコよさにじーっと見てたらハルトが全部バルにあげるってもらったんだ。

その後にワカとハルトが自分で”捕まえるのが断然楽しいよ”って初めて自分の手で捕まえた時のうれしさと楽しさは忘れられない。アンも絶対楽しいと思うよ。タクの山でまだアン捕まえてなかったよね。」

「うん。」

「地球に戻ったら続きをしよう。ルナ姫、君も一緒にね。」

「そう、そうね。」ちっとこわがってる感が伝わる。「ルナ姫大丈夫だよ。絶対楽しいよ。」

ギルが絡む「カブトムシって、そんなにいいのか。」

「うん。僕は大好きさ。これが終わったら、一緒に採りに行こうぜ。ギル。」

アビビも男子のケルやケブンまでも「行くぞー。戦闘かー」

「違うよ。虫。カブト虫だよ。」

「カブトムシ。たくさん採った人が勝ち、勝負しようぜ。」「おーう!」男子の変な盛り上がりで全員参加の約束をした。

「ゼリさんも参加ですよね。」

「バル、カブトムシは山奥の私の森にはざわざわいるぞ。害虫だー!!」

「ゼリさん、なんてことを。カブトムシに失礼ですよ。」

ゼリさんは大人対応。「そうか。そうか。カブトムシに失礼だな。じゃあ、私も参加だ。」

「さすが、ゼリさん。」

「ミリ、楽しいぞ。ワカはカブトムシ好きだぞ。」

「ワカ姉さんが。じゃあ、私も参加。」と返答。

「よーし、全員参加だ。カブトムシー。」

僕らは盛り上がりながら、真っ暗な時空空間を移動。

ジルが「そろそろだ。」緊張感が伝わる。

みんなの脳内にジルの声が響く。

「画面に緑の3つの点滅が見えるだろう。そこに3人はいる。敵、ブラックホール部隊本隊とともにな。」

みんなのスライムのカラダが引きしまる。

「目的地到着。」ナビが消える。

僕らのカラダは人型に変身した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る