第40話 時空空間ナスカの地上絵

ジルがふわふわ宙を浮きながらふざけたネズミになっていた。ケル達と談笑している。

緊張感がない。『大丈夫かジル。』

「大丈夫だー!バル聞こえているぞ。

お前も、みんなもそうだが、脳内で考えたことは電磁波で共有している。」

遅れてポップもワカ達生徒を引率して到着。

ジルが「みんな、到着したな。この地で何か感じたことはなかった?」

クレアが「アマゾン川全域に結界、弱い電磁波が、かけられていました。がこの結界は本気でかけた結界ではない気がして。」

ゼリが「クレア、よく気づいたわね。この電磁波はカモフラジュ用。地球人には強い電磁波だと思うけど。」

ジルが僕らを見回して、「ゼリの言う通りここアマゾンの電磁波はカモフラージュ用だ。少し北上したところにも古代宇宙の地球外生命体の跡がある。隠された強い電磁波を感じる。」

タクが「それ知ってる。学校で習ったあれか。ナスカの...?」

ケル人星人で地球の中2のミリが「ナスカの地上絵のことでしょう。」

ジルが「ミリ、よく勉強しているね。」

「ワカ姉さん、ジルに褒められたよ。」ミリは嬉しそうだ。

アビビも負けずに「僕は地球の学校行ってないけど、知ってるよ。彗星で地球に流れて来た時に、大きな鳥がいるって驚いたんだ。で、実際その上空に到達したら絵だったんだ。笑ったよ、ナスカの地上絵だよね。」

「そうだ、その通り。アビビも地球のことよく見てる、偉いぞ。」褒められたアビビも嬉しそうにタクを見た。タクの大きな手のひらがアビビの頭をなでる。

褒められた生徒達の照れた笑顔、放つ緩やか電磁波。少し羨ましかった。僕も欲しい。

「バル、脳内だだもてだぞ。」

ギルが笑う。「バル、子供みたいだぞ。」

「そうだな。褒めてもらえるように、頑張りますか。えへって。」

ジルがネズミから人間の姿に変身した。

「さあ、諸君、ナスカに移動だ。50億年前の記憶だと僕はそこに入口、起点に宇宙嵐モンズの電磁波を深く残した。入口、ナスカがその、場所かを確かめに行くぞ。」

『ジルのポンコツ。50億年前の記憶でも正確な場所ぐらいちゃんと覚えてろ。』

「バル、脳内の声は、だだもれだ。わたしは、ポンコツではない。さあ、急ぐぞ。」

僕らは浮上、数秒で地上絵に到着。ワカ達生徒はテンションが高い。「わーあ、教科書に載ってたナスカだー。」

ハルトがはしゃぎ絵に落書き、線を入れた瞬間。「ビリビリビリ!」ものすごい光と音が。ハルトが吹き飛んだ。「きゃーあ!ワカ、ミリの叫び声。」

ルナ姫はハルトの元に飛ぶ。と同時に治癒を始める。

ジルが「大丈夫か?ハルトは?ルナ姫。」

「大丈夫です。月人は治癒に関しては宇宙一の知識だと自負しています。」

「そうか、頼む。」

僕はアンを見た。固まって動けなかったようだ。

「アン、大丈夫?」

「大丈夫。情けない。同じ月人なのに私も治癒能力を持っているのに、ルナのようにすぐに動けなくて。」

「たぶん、ルナ姫はアン、君とは違って実践、戦闘地をくぐり抜けて生きてきたんじゃないかと思うよ。君は地球での高校生。環境によって行動は違ってくる。ただそれだけさ。」

ジルが叫ぶ。「ここではない。この電磁波は、敵のものだ。ブラックホールダーク部隊の時空空間基地だ。」

「わあー!助けてくれ。」

「きゃあー!」

ワカ、タク、治療中のハルトの地球人3人の姿が消えた。




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