第39話  アマゾン川の結界

僕らはジルの残した電磁波の線を追い、高速で瞬間移動。瞬間移動はカラダに負担がかかる。 ケル、ケブン、ゼリの大人3人は問題なく高速でジルの光線を追跡。

遅れて僕らギル、クレア、ルナ姫、アンとバムの6人追跡。最後にポップ先生、率いるワカ、タク、ハルトの地球人にケル星人生徒のアビビ、ミリの6人の3チームで移動中。ジルはブラックホールダーク部隊がまじかに迫っているとかなりの高スピードで古代宇宙嵐モンズの時空空間の入口を探しに飛んだ。ジルの緊張感は僕にも伝わってきている。しかし、正直、この緊迫した状況を僕は密かに楽しんでいる。

今こうして光の線を追いかけていると、なぜか地球での新幹線の体感を思い出す。

窓際に座り高速で変わる車窓からの景色、真下の線路が動くように見える変な感覚。ぼーっと見ているだけで時間が経過して、あっという間に目的地についてします。あのぼーっとしている時の感覚と、今こうしてジルの電磁波の光線を目で追いかけているこの状況が似ている。僕は何かのスポットに、はまったようだ。

しかし、黙って光速移動しているの妙に頭がさえてくる。なぜだ。不思議だ。

ここ数週間で新しい仲間や出会いがあった。自分の使命や地球やケル星、宇宙全体を考えるようになった。いや、そうせざる得なかったが、正しい。不謹慎だが楽しい。ワクワクする。いざ戦闘になれば、命を落とすかもしれない。きっと痛いだろう。想像もできないが。もし命を落としてもバムのように、ジルが生き返らせてくれるかもしれない、そんな希望、保険がある。だから、この状況を楽しんでいられる。

「バル、いやな奴だ。」ギルが僕の脳内に干渉する。同時にクレアも干渉してくる。「バル、もっと緊張感持った方がいいかも。バムを生き返らせるほどの力のジルが慌てているのよ。」

「そう、そうよ。」アン、ルナ姫も頷く。結局、僕の脳内をみんな干渉していたようだ。クレアが「バルあなたの考え、だだもれよ。」

「えー、そうなの。」「そうそう。」気難しいバムも笑ってる。

バムが続けて「そういえば、地球人に限らず、すべての生命体は高速で感じる体感は、その生命体ごとでスピードの速さは異なるけど一方向に早いスピードで移動している時は、その生命体の脳が一番リラックスしているとき。とてもいい思考回路が巡るときらしい。ただし、一人の時にと、条件がある。誰かと一緒だと一緒の人の電磁波が邪魔をして、うまく思考回路が回らないとか。どこかの星の博士がいってた。」

アンが「それ、わかるかも。スピードと孤独セットで脳内回路集中。」

クレアも「わかる。戦闘中、光速だからとても脳内クリアで集中してるのよね。」

ギルが「僕もクレアと同じ。」

ルナ姫が「バルのだだもれの脳内回路のことはみんな共感。一緒ってことね。不思議よね。みんなバラバラの宇宙人なのにね。」

僕は「そうだね。案外どの星の星人も同じ思考回路だったりして。」

バムが「それあたりかも。」

僕らは真面目なようで、ふざけた会話をしながら前方に大きな水の音の前でスピードを落とす。アマゾン川に着いた。「ビリビリビリ」電磁波の結界が。しかしこの結界は継ぎはぎだらけの弱い結界だ。ここに古代宇宙嵐モンズの時空空間の入口が本当にあるのか?

「ジルー!」大声で僕はジルを呼んだ。

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