第36話 大気圏外で待機

僕らは時空空間移動で、すぐさま成層圏へ到達。青い球体が小さく足元に。

「地球には悪いが足で踏みつぶしている気分だ。」

ギルが「バル、性格悪いよな。あんなにきれいな星を、踏みつぶすなんて、発想が侵略者的だよ。バル、君はほんとうに嫌な奴だ。」

クレアが間に入り「ギル、嫌な奴っていうのはやめなさい。バルはもともと、こういう性格でしょう。上に立つものはそんなもの。そういう独裁者的性格、嫌いじゃないわ。むしろ好きかも。」

バムがケラケラ笑う。「クレア、あなとも変わってるのね。ほんと恋愛ごっこも楽しそう。ねえ、クレア、あなたはバルとギルどちらが好きなの?」

「バルに決まってる。」

バムは「いいわね。そう、言い切れるって。でもどうやらギルもあなたのことが好きみたい。笑える。三角関係。リアル。」

クレアが「バム、からかうのはやめて。本気で怒るわよ。」

「はい。はい。どうぞ、勝手に。」バムが嫌な女子の顔つきに。

バムは続けて「ギルそういえば、君はバルのことが嫌いなのよね。どちらが強いか戦いごっこもいいんじゃない。どうせ、妖星ケルの到達まで時間はあるし。」

ジルがつぶやく「時に、真っ暗な宇宙空間ではすべての生命体は不安になる。すなわち、攻撃的になる。自然なことだ。しばらく君達の行動を見さえてもらうよ。」

そう言い残し大きなひかり。ジルは姿を消した。

バム達にはジルの言葉が聞こえていなかった。

バムは「そうだ、ギルとバル、戦ってかったほうがクレアをいただくっていうのはどう?いいアイデアでしょう。」ますますバムの顔が意地悪になる。

「バム、何、けしかけているの。」バーン。クレアがバムの肩を力いっぱい押す。

「おい、やめろ。クレア。」僕はクレアの手を握った。

”何”って、はっきりしたものはないが、時に若者はいら立つ。それをあえて止めてはいけない。一、二度ぶっかって砕けた方が気持ちがいい。

消えたジルの言葉が電磁波で僕らに伝わる。

なぜか苛立ち。なぜだ。妖星ケルを待っているからか。それとも不安定な場所のせいか。地球の土から足が離れ、宇宙空間立っているからか。足の裏に実感がない。宇宙では当たり前のことだ。僕は少し、地球人になりきっていたようだ。肌感覚までもが。地球人をおとしめることはしないが、地球人は平和すぎる。宇宙の暗い海を知らない。戦闘能力もない。地球人は。地球人は。頭の中が重い。

「Wooo-----!ギル、勝負だ。」

僕はいきなり光線をギルにあてる。かわされる。僕らは宇宙空間を上下に縦横へと自在に移動しながら攻撃した。悔しがギルも強い。僕が知るがケル星にいた頃よりずっと力をあげている。「くそ―」僕は「そろそろ本気出しますか。」決まり文句をいい、全エネルギーをギルめがけ発射。「バーン!!!」僕の光線をのみこむように大きな光線が発射され。音とともに宇宙空間に消えた。ジルが現れ。

「本気出しすぎだ。遊びは終わりにしろ。あと2分。妖星ケルが到着する。」

僕らは一列に宇宙空間座標78W34Nに立ち戦闘態勢を整えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る