第35話 とりあえず妖星回避
タクが「それぞれの事情で立場で複雑だけど要は地球を残せば、OKだよね。」
ワカが「そうよね。」シンプルだ。
ケル星のみんなもそうだと頷く。
ケブンもジルも頷く。
僕は脳内回路がだんだん整ってきた。
クールダウン。喉が渇く。
「ルナ姫、のどがカラカラです。水をいただけますか?」
ケブンが「これは気づかなくてすまない。みんなさん、長旅で到着されたばかりだった。
「うまい。」
「おいしい。」みんなの喉に水がしみているようだ。
ワカが「おいしい。この水は?」
ケブンが「ここは海に浮かぶ人工要塞ベルシア。水は我々ケル星の彗星より取り寄せです。彗星内273Kの良い水です。」
ルナ姫も「私は月人ですが、この273Kの水は気に入っています。」
ハルトも「うまいな。カラダに染みる。」
ケル星人たちは自慢げに特にクレアは「でしょう。ケル星の水は宇宙一おいしいのよ。」
ゼリさんも「染みる。ケル星に戻ったみたい。ねえ、ケブンどうやって取り寄せているのよ?」
ケル星に定期的に地球近くの軌道を通過する彗星に運んでもらってる。大気圏外から落下。あとは瞬間移動でここまで。」
「さすが。ケブンやるね。」
「水は大切だからな。カラダを造るもとでもあるしな。」
ルナ姫が「月は月人にはこの水がなくなり。月は砂漠となり、生命体が住めなくなりました。水は大切です。」
「そうだな。そうだった。」ジルが思いだしたように言う。
「そうだ。思い出したぞ。地球を造った時の初めの時空空間入口を。水だ。大きな水が湧き出るその場所が古代宇宙嵐モンズの帰還の入口だ。」
僕は「急に思い出すなんて、ジル、おじいさんみたいだぞ。」
「バル、言っていなかったが、私は地球カレンダーで言うと50憶年は軽く、生きている。生存している。この地球や月、ケル星をほぼ同じ時期に造った。ケル星については当初からケブン達と同じ進化系が存在していた。そして月にもルナ姫やアンのような今と変わらない頭脳の生命体を存在させた。しかし、この地球だけは進化のスピードをあげなかった。10万年、20万年前、ゆっくりと時間をかけて人を造り上げて行った。」
タクが「どうして地球だけ進化を遅らせたの?」
「特に、意味はなかった。ただ、そうなっただけ。もしかすれば、地球が月だったかもしれない。地球人が月に移住であわてていたかもしれないし、ケル星が地球で文明、科学力すべてゆっくりだったかもしれない。地球は辺境の地だからな。逆を言うと始まりの地だ。」
タクが「ジルがまた、ややこしいこと言い出した。要するに地球も月もケル星もおなじってことだよな。」
ジルが「その通り。」
僕は脳内回路を巡らせた。”シンプルに”
ジルの目的は古代宇宙嵐モンズの帰還の入口を見つけること。これは湧き出る水の場所を探せば見つかる。
ルナ姫。彼女はアンと月人の強硬派と合えば和解はできそうだ。
ワカ、タク、ハルトは地球の消滅を絶対阻止。
アビビ、ミリは地球に馴染んでいる。地球の消滅を絶対阻止派だ。
ギルに関してはケル星人としてのプライド。宇宙嵐モンズの言うことを聞く奴隷の星ではなく主権星であることを望んでいる。もちろん、クレア、ポップ、妖星ケブン、ゼリも同じだ。
バムはジルが新しい心臓部を変えたからうまく生きれる。望みは、今最大の問題の彗星、妖星ケル。父との和解が望みだ。妖星ケルとの通信手段を今すぐ見つけないといけない。地球到達迄そう時間はない。
ジルが僕の脳内に入った。「シンプルによくこの多様な状況を整えることができたな。バル、褒めてやるぞ。」
「ジル、君に褒められてもうれしくないぞ。」
僕はみんなに聞こえるように「僕は妖星ケルの軌道修正のために地球の大気圏外へ行きます。ここから先、地球に残るみんなにお願いがある。大きな水が湧き出る場所。そこを探してほしい。そこがジルが探している古代宇宙嵐モンズの帰還の入口だ。頼む。」
ワカすぐ「いいよ。私探すよバル。バルも大気圏外がんばってね。」
ミリが「ワカ姉さん、私もお供します。」
タク、ハルト、アビビが「僕らもいっしょに。」
ポップが「では生徒たちは私が、先生が引率します。」
ケブンとゼリも「私達も古代宇宙嵐モンズの帰還の入口探しで地球にいます。」
ルナ姫はアンのいる月人村へ。
そして僕とギルとバム、クレア、ジルと5人は大気圏外で妖星ケルとの対峙。
水のおいしさを喉に残し、僕らはそれぞれがなすべき場所へと飛んだ。
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