第34話 妖星ケル・大予言

バムは遠くを見ながら「父と言ってもほとんど一緒に過ごしたことはないわ。彼はとても野心家で、言い換えると勉強熱心でいつも家族よりケル星のことばかり考えていたわ。でもある日を境に父は変った。」ジルが「そうか。当初ケル星はケルの管理下で統制が取れていた。他のどの星より信頼していた。しかし、ケルはケル星の歴史を見つけてしまった。誰もが自分の星は誰かの意志の元で作り出された星だと信じたくない。」

僕は「当たり前だ。ジル。それじゃ、まるでケル星が宇宙嵐モンズの奴隷の星だ。」

ジルが「そうだな。しかし、造った当初は、そこまで深くは考えなかった。」

ギルがジルを殴りそうになる。クレアもポップもケル星人みんな、机の上でグーの、こぶしを造った。」

僕は「ジル、君がどんな目的でこの地球を月をそして彗星の星、ケル星を造ったかは興味はないが、そこには生命が生まれ個個が育つ。生命体の個人だ。このテーブルのみんなだ。」

ジルが少し申し訳ない顔をしたが開き直ったんのか「私はこの宇宙の創造主だ。責任は感じるが与えられる環境の中で限られた時間を生きて欲しい。任務は使命は全うしてほしい。いや、そうするべきだ。」

ワカが「まるで地球の過去にいた独裁者のようね、ジル。そんなんじゃ、友達出来ないよ。」タクが「そうだ。ワカの言うとおりだ。」

ハヤトも「ジル、ひどいぞ。創造主で神様的立場だったらもう少しやさしくないとね。みんな、言うこと聞かなくなるよ。」

ジルの表情が硬く、「ハヤト、君の言う通りだ。ケル星、バムの父、ケルは気づいたんだ。ケル星の立場を。ケル星では人口が増え、星内でも統制が必要だ。しかし奴隷の星なんてみんなに、言えない。苦しんんだはずさ。しかも並行して我々宇宙嵐モンズに報告しなければいけない。一方通行、帰りのない彗星、毎月生贄のように出さなくてはいけない。星のみんなは”そのことに気づかず”任務仕事として当たり前に受け入れている。だから勉強熱心なケルは気づいた。そして彼の反乱がはじまった。そのころ、バル、お前はケル星人としてケル星にいた。学校の試験でバルの試験結果、エネルギー量の違いを見たケルは確信したと思う。このままじゃ、だめだと。今回、地球にバルがいることをわかって、この地球ごと消滅させようとしている。」

この島の主、妖星ケブンが「そのことは、月人ルナ姫からも聞かされていた。月人同士、地球人との共存派と戦い派。争っている時ではない。結局どちらも宇宙嵐モンズの手のひらの中だ。地球人も我々と同じだ。ただ地球人はそのことに気づいていない。めでたいことだ。」ワカが怒る。そしてミリが「ケブン、その言い方はワカ姉さん、地球人に失礼じゃないの。誤って。」ケブンが襟を正し「すまない。つい、言ってしまった。」アビビが「でも、結局、その奴隷って立場に気づかなければ、何もなかったことで、それが自分の星のためってみんな頑張っちゃうわけだよね。」

タクが「そうだな。知らなければな。それにみんな目の前のことで精一杯だしな。」

ハヤトも「そうそう、毎日の宿題とか。わーあ夏休みの宿題全然やってないぞ。どうしよー。ほんと目の前のことだけで頭はいっぱいだ。」

僕は「そうだな。僕も目の前のことだけかな。」クレアが「バルが言うと嫌味だよ。次期宇宙嵐モンズの王でしょ。」

「そうだけど、それもそれで複雑だよ。僕には異母兄弟がいて、ここに来る前に会ったんだ。彼は僕を差し置きこの宇宙を乗っ取るみたいだ。」

ギルが「我々ケル星人も宇宙全土を乗っ取ることは、できるはずだ。」

月人のルナ姫も「私ら月人も乗っ取れるかも。」

ジルが不機嫌そうな顔で「おい、おい、気づいたのはいいが、急に我々宇宙嵐モンズの敵にはならないでくれ。すでにダークサイドの敵がいることはわかっている。これ以上戦いはごめんだ。」

バムが「ジル、みんなの話を聞いて宇宙嵐モンズが標的になっているのはわかったけど、父、妖星ケルは本当にこの地球消滅させるのかしら?」

僕が答えた。「本気だと思うよ。」ケル星での妖星ケルの嫉妬のエネルギーは凄まじかった。それに彗星は一度スピードに乗ると誰にも止められない。」

ジルが「そうだな。」

妖星ケブンが「僕の時のような”宇宙メッセージ”は効き目がない。ケルは無視するだろう。その時は天罰が彼に下る。そうでしょう、ジル殿。」

「そうだな。その役目、バル、お前に任す。」

「えっ!」僕は話を続けた。「到達まで約1か月はある。破壊は避けたい。何とか地球大気圏外で軌道を外したい。それまでに、この地球が争いはなく、土地豊で平和な星だと分かれば。そして僕がこの地球に居ないことがわかるようにすれば軌道をはずせるかもしれない。」

「ルナ姫、君は至急アンの月人村に行ってくれ。地球人と戦う強硬派の説得へ。ギル、ポップ、クレアはケル星人を集めて、もし彗星が落下した場合、地球人を助けてくれるようにお願いしてくれ。」

みんなが「わかった。」僕は地球外で妖星ケルと対峙できるように準備をする。

ワカが「そう言えばテレビで昔20世紀に地球が隕石の衝突で破壊されるって大予言がやっていたけど、なんかそんな感じかな。今回の妖星ケル。」

「そうだな、そんな大予言あったよな。」

「でも外れた。」



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