第30話 作戦会議

僕らは、広場からお城のような建物内に入っていった。ワカが、「外観は素敵な王子様とお姫様でも住んでいるような可愛いお城だったのに中は機械でいっぱい。イメージ崩れるー。」

ミリもすぐ様「そうですね。ワカ姉さん。両サイドの壁も機械で埋め尽くさていますよ。」

要塞の中は機械で完全制御されていた。

「まるで母船の中みたい。」クレアが言った。

ギルが「そうだな。僕らの母船と同じだ。」

大きな声でケブンが「そうだ。その通り。この城内は私が乗って来た母船だ。」

「えっー!」

ポップが「ケブンさん、僕らの母船は大気圏内に突入できないから地球に近い、宇宙空間で待機。そのあと彗星となり一人ずつ地球に到達したよ。」アビビが元気よく、「僕もポップと同じで1人で大気圏突入だったよ。」

「そうそう私も。」「僕も。」みんなハモって「なぜ母船で?」ケブンの元彼女のゼリが「みんなの母船もほんとは大気圏突入できるのよ。ただしワープが必要。それもかなりの光速でね。じゃないと摩擦で母船ごと吹き飛んで消滅。それにもともと母船は宇宙全体を循環しているケブン星の乗り合いバスのようなもの。例えば地球の彗星君たちを送り届けたら次はアンドロメダとかに瞬時に移動する。」僕はケブン星人の会話に入りそびれてしまった。肩のジルはあえて何も言わずに両サイドの機械を細かく観察しているようだ。「ねえ、バル君。」突然ゼリが僕の名前を呼んだ。「はい。なんでしょう。」ゼリは「バル君、そんない怖がらなくていいのよ。さっきから黙っているし、会話に乗り遅れたって顔に書いてあるわよ。大丈夫よ。バル君も参加しなさい。この中で最強のエネルギーを保持しているのはあなたよ。そうよね、元彼氏のケブン。」「えっー!!」みんながまたどよめく。クールなバムも「それって二人付き合っていたってこと?」ゼリがバムの肩に手を回し「そういうこと。でもどこかのお姫様にケブンをとられた。残念な女子なんだけどね。」みんな、「そうなの?」と聞きたかったが黙った。下手な言葉を言ってゼリに絡まれるのは目に見えた。鈍い僕でも黙っていたが。ただ一人空気を読めない子がいた。バムだ。「ゼリさん。それって他の女にとられたってこと?」ゼリがニコニコしながらバムの首を左右に大きく揺さぶった。やっと理解したバムは「ゼリさん、ごめんなさい。」ポンポン。ゼリは揺さぶるのをやめて、バムから離れた。そして耳元で「バム、ギルの鼓動が聞こえる。エネルギー源、取り換えた?まあ、今はいいわ。あとで聞かせなさいね。」少し空気を読んだクールなバムが「は、はい。」素直に返事した。そうして歩きながらの出来事が終わり、ケブンが「よし、着いたぞ。みんな席についてくれ。」僕らはまさに母船の中の大きなスクリーン付の会議室にはいって座った。「みんな、座ったかね。ジル殿もよろしいですか?」ジルが少し偉そうにネズミの姿なのに片手をあげ「よし、ケブン始めてくれ。」「はい。ジル殿。」ケブンは向きを変えて「では始めることにしよう。まずは今、この地球に向かっている妖星ケブンについてだ。彼は我々ケブン星の最終兵器だ。彼が来てるってことは、ケル星、最大のピンチのようだ。しかし彼にはこの地球を消滅させる事態に便乗してバル、君の消滅をどうやら狙っているようだ。それも本命はバル君だ。僕の肩からジルがピョン通り会議室のテーブルの上に立った。「みんな聞いてくれ。僕とそこのバルは宇宙嵐モンズ星人だ。今の現王が私、ジルだ。次期王はこのバルだ。「えー。」タクが叫ぶ。ワカの表情が硬い。好きな人の秘密を聞いたようで、表情が動かない。ハヤトは少し怒った表情だ。ケブンが「ジル殿あなたが来たということはこの地球に本来の宇宙嵐モンズ星の時空の入口がある、見つかったということですね。」「そうだ。その通りだ。そのためにこの地球の消滅はどうしても止めなくてはいけない。そうですね。ジル殿。」ジルがネズミの姿から人型に変身し話し続ける。「その通りだ。ところで本題だケブン。君はこの地球を消滅させるために120年前に彗星として選ばれた。しかし実際は消滅させていない。どうしてだ。何があった姫とは?誰だ。まさか月人?」「そのまさかです。月人の姫。」ゼリが横でイラついている。「ケブン、その姫が私からケブンを奪った悪いやつね。」「ゼリ、後でちゃんと説明するが、月人の姫と俺は何も関係はない。ただ少しだけ月の位置をずらして欲しいと願いがあった。それだけだ。月は東へ少し位置を動かした。ジル殿、他のみんなも知っていると思うがこの地球にはすでにたくさんの星の星人たちがいる。比較的に月人たちは目立たなく人里を離れて住んでいる。しかし、エネルギー量、パワーは他の星人たちよりはるかに能力は高い。ジル殿ここらはあなたが話すべきです。月人、ケル星、そしてこの地球、すべて宇宙嵐モンズが造りだしたものだ。」

みんなの声はなく、ただ、空虚な悔しさが、みんなのカラダの中を風としてサーッと流れた。

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