第28話 ベルシアへ集合

僕はネズミの姿のジルを肩に乗せたまま飛行を開始した。僕の電磁波探知の能力でアン以外、みんな、まもなく南の海に浮かぶ要塞ベルシアに到着しよと、している。

「ジル、僕らは道草をとってしまった急がないとみんなを待たせることになる。急ぐぞ。」

「そうだなバル。私の力を少し解放するかな。」ジルが少し偉そうに言う。僕はさっきのラコーニのことが気になり、その前に「ジル待った。ラコーニのことを教えてくれ。僕の弟?で少し驚いたが、そのことはどうでもいい。それよりも“参戦”この言葉が引っかかっている。ジルどう言うことか、話してくれ。」僕の肩のジルのネズミの目が少し細くなる。「そうだな。地球に着陸してバタバタしすぎた。バルに内情を話す機会がなかったな。ベルシア到達まで少し時間がある。話そう。」「頼む。ジル。」「さっきも言ったがラコーニはお前の異母兄弟だ。ラコーニの母が先でお前は2番目だ。しかしバル、お前が先に生まれた。」

「ジル、僕は小さい時にケル星に移住したため、正直、宇宙嵐モンズ星の記憶はほとんどない。微かに母らしい、優しくあたたかい瞳の人が常にいたことは覚えているが。ケル星での記憶が強すぎて、宇宙嵐モンズ星の記憶は、上書きされておぼろげだ。」「そうか。まあ、当たり前だな。じゃ話すぞ。ケル星は我々が造った星だ。当初そのことを知っているものは、ごく僅かだった。今探している妖星ケブン。今、地球を消滅させようとしている最終兵器の妖星ケルだ。大半のケル星人達は、彗星として我々に宇宙全体の星達の情報報告の役目を当たり前に任務遂行してくれていた。それがケル星の自発的な任務、宿命だと誰も疑わなかった。ところが始まりの星、地球に不穏の動きがある。偵察には妖星ケブンが選ばれた。いや我々宇宙嵐モンズ星から彼を指名した。彼、妖星ケブンからの報告によると我々がずっと探していた宇宙嵐モンズ星の始まりの時空への入口があると報告してきた。」

「それで、それでジル、その後は?」

「そのあと、再度妖星ケブンから、“誤情報だった。”と連絡が入った。不審に感じた我々はその後、たくさんの彗星を地球に派遣したが、皆、途中消滅行方不明。そこで我々の切り札。バル、君をケル星人として地球へ送り込んだ。案の定、本来、君はケル星人ではないから、彗星として消滅せずに地球人へとなりすまし、今迄ただの高校生として存在できていた。バル、

ベルシアが見えてきた。もうすぐ到着だ。みんな、いるようだ。新たな展開が待っているようだな。」ジルの話を聞いて僕の体内のもう一つの電磁波が熱を帯び出した。

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