第23話 僕とアン

タク、ワカそしてハルトからケル星人との接触の連絡が入る。僕は上空から探索。僕はジルのケル星人探索機の携帯画面を見た。ぐるぐる画面が回っている。「ジル、壊れた探索機渡したな。遅れをとった。早く探さないと。」

「バル、お先。」えっ?上空、平行してアンが飛ぶ。「待って!アン」僕は大声でアンを呼んだ。僕にとってアンは黒髪の憧れの美少女だったのになぜか今は気持ちは高ぶらない。好きという感情は消した。今の僕は、もうただの地球人ではない。僕には使命が。友達としてみよう。心がざわつくが、そう意識して気持ちを抑えている自分がいる。僕はスピードを上げて、アンに並んで飛んだ。

「バルもう私のこと好きじゃないでしょう?」

しまった心を読まれた。月人は心を読むことが得意だ。「そんなことはないよ。いや、ちがう。そうだな、その通りだ。」

「でしょうね。地球的に可愛く言えば私が魔法をかけていたのよ。実際は月人の女子には

特質で相手を好きにさせる力があるの。もちろん、月人同士には効かない。バル、君自身は気づいていなかったようだけど私は初めからバルが地球人じゃないって分かっていたから、バルを君を利用しようと企んでいたのよ。バルはその罠に引っかかっただけ。本当に私のことを好きだったわけじゃないのよ。」

僕は飛行を止めて宙に立った。アンも止まって

宙に立った。

「僕がアン、君に操作されていた?それで君のことを好きだった?それはない。」

アンは綺麗な黒髪と綺麗な黒い瞳で大人びた横顔で僕に話し続ける。

「全て仲間を月人を見つけるためよ。」

「そうかな。僕は脳内操作された覚えはない。僕は正直にアンのことが好きだった。教室で遠くから君を見ているだけで幸せだった。少しでも話せた時は本当にラッキーでhappy だった。

僕は僕の意志でアン君のことが好きだったよ。

輝く長い黒髪、すいこまれそうな大きな黒い水晶のような瞳。君は綺麗だ。操作されて?その言葉さえねじ伏せるほど、やっぱり君は綺麗だ。好きにならないわけがない。それに地球人ではなく、宇宙嵐モンズの次期王としての僕の力で、アン、君の中にある心の水晶。僕には見えるよ。一つのくもりもない透明な輝く水晶のような心が。」アンの白い肌の色が微かに紅色に変わる。「ただ今は、誰のことも好きになってはいけない。今は、自分の欲は伏せる。今じゃない。今は、星のためこの宇宙全てのために僕は星の仕事を優先にしなければ、いけないし、そうしたい。勝手にアンのこと好きになって勝手に今は好きにならない、身勝手だ。悪い聞き流してくれ。」アンの瞳が遠くを見た。

「ところでアン、仲間は見つかった?」

「まだよ。私のように純血の月人は少ないの。私の育った村は、そう、ちょうど真下の山間の山深い村だった。人間は来ないし、村の存在自体も明らかにされていない場所。それこそ稀に道に迷って辿り着く人間がいると、悪いけどそのその人間は消滅。そこは月人だけで構成されていた村だった。バル、あれ、見て。」小さな小屋が見えた。人影が動いている。「アン、行くぞ。」僕らは急降下した。

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