第22話 地球人ハルト・山・ケル星人に接触

ハルトは携帯の点滅箇所を目指して深い山の中へと飛んだん。点滅サインが強くなる。

山の間の少しだけ開けた場所に山小屋を見つけた。「あそこか。」急降下、空から地上に降りた。まわりに民家はないようだ。窓から中を覗いた。「誰もいないな。」

「わー!!いるぞ。」

「わー、びっくりするだろう脅かすな!」

僕は振り返り、声の主は、可愛い女の子?おばさん?「えっーーーーー!」

「可愛い女の子でしょう!少年、君は私に喧嘩を売ってるのかね?」

「いいえ、売ってません。ごめんなさい、おばさん。いや、ごめんなさい。間違えました。綺麗なお姉さん。」

「まあ、良しとしよう。”綺麗”の言葉は響きがいい。よしよし。許そう。ところで少年、君は誰だ?ケル星人ではないようだが。さっきは瞬間移動で空から降りてきたようだが。」「そうです。地球人です。名前はハルト。ケブンを探しているんです。」「えっ!ケブン。また嫌な名前だなあ。」「お姉さん、いやいや、綺麗なお姉さんはケブンを知っているんですか?」

「あー、元カレだよ。」「元カレ?」「ケブンは地球のどこかのお姫様の手伝いをしに行って、それっきり帰らない。馬鹿な男だよ。」「お姫様の手伝い?その、居場所、ケブンの居場所を教えてください。時間がないんです。もうすぐこの地球は妖星ケルによって消滅します。」「妖星ケル?また、物騒な最終兵器をだしたね。ケル星もおかしくなったのかね。」「それはわかりませんがとにかく消滅は困るんです。大切な人を守りたいんです。お願いします。妖星ケルの回避方法はケブンが知っていると、ジルが言ったんで手分けして仲間とケブンを探しているんです。お姉さん助けてください。」「ゼリだよ。お姉さんじゃなくて。」

「ゼリさんですね。お願いします。ケブンの居場所を教えてください。」

「元カレを探すのなんか嫌なんだけど。これも仕方ないのかな。まあ、私も会って言いたいことが山ほどあるし。こんな綺麗な私を一人でほっとくなんて。すぐに戻るって言たのに。嘘つきケブン。それにそのお姫様にも文句の一つも言ってやりたいしね。わかった。道案内、するわよ。」

「ゼリさん、ありがとうございます。」「ところで少年君の名前は?」「ハルトです。」「ハルトか、いい響きだ。ところでハルトの大切な人は?可愛い女子?」

「まあ、可愛いんですが。彼女は僕じゃなくて僕の友達のことが好きで。もちろん、僕もその彼は、僕の大切な友達だし。」「ハルトも苦労してるんだね。でも好きになるのは自由だ。誰にも遠慮しなくていいさ。正直になることは簡単そうで難しいけど、ハルト、自分の気持ちには正直になりなさいよ。」「あー、はい。」

「でもそのライバル君は?どんな彼なの?」「しっかりしているけど、どことなく、つかみどころがなくて、小さいころからの幼なじみだけど、僕が守ってあげないといけないと思わせる、いや、そう勝手に僕が思っていた友達。僕が好きな彼女も、きっと僕と同じ気持ちで彼に接していると思っていたけど。あー、ゼリさん、この話はやめます。頭の中がぐるぐるしてきました。苦手です。それに二人とも僕の大事な幼なじみだから。」「そう。話してくれてありがとう。ちなみに名前聞いてもいいかな。」

「ワカとバル。」「ワカは地球人?バルは?バルはどっかで聞いたような。」「バルは、もしかしてケル星人?過去最強の破壊の塵の異名を持つバル?」「たぶんそのバルだと思うよ。ケル星にいたようだけど、ほんとは宇宙嵐モンズ星人だったみたい。そうジルが言ってた。」「ジル?もしかしてネズミの姿の?」「そうだよ。ゼリさん知ってるの?」「もちろんだよ。私達ケル星人は彗星として宇宙に散らばって宇宙の監視した報告先がジル。ジルは宇宙嵐モンズの王よ。」「えーっ!昨日からたくさんの情報が一度に入ってきて処理できない。僕の、地球人の脳では、ついていけないよ。」「ハルト、何かほんとに大変な状態が迫ってるってことだけは確かのようね。ジルが、ジル自身が地球にいるんだからね。」「そうなんだ。でもまずはケブンの居場所をみんなに知らせないと。ゼリ、場所はどこ?」「海に浮かぶ要塞。ベルシアよ。」

「ベルシア?」


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