第20話 地球人タク・海・ケル星人に接触

 タクが小さな島に降りたった。携帯に反応あり。ここは小さな島だ。1日で島中まわれる。

ジルの宇宙嵐モンズ星の携帯画面がGPS機能のように点滅ケル星人の位置を示している。

海岸線に屋根の低いカラフルな家々が見えた。この島のメイン通りなのだろう。僕はメイン通りを歩いた。レストランのオープンカフェには短パンにTシャツの地元の人々がたくさんいる。

時間は止まっているが、のどかで穏やかな空気感が伝わってくる。ネコもジャンプしたまま空中で止まっている。

ここは「みんな幸せそうだ。」

「そうだ。みんな幸せだ。」上空より声聞こえる。僕と同じくらいの少年が宙を浮き僕の目の前にゆっくりと腕を組み降りて来る。

「君は?」少年が僕に話かける。

「僕はタク。地球人だ。ケル星のケブンを探している。君は?ケル星人?だよね。」

「そうだ。僕はケル星人。だけど残念ながら

君の探しているケブンじゃない。それになぜケブンを探しているのか、それにこの時間制御は?誰の仕業なのか君は僕に教える義務があるのでは?君達のせいで僕はまた1人になってしまったよ。」声が小さくなり聞こえなくなる。僕は年下の少し生意気少年の口調にムッとしたが、急に時間が止まった世界で不安もあったのでは?少し同情した。「君、名前は?」「アビビ」「君はケブンの居場所知ってる?」「ケブンの居場所は知らない。ケブンは過去のケル星人だ。彼に何の用が?」「過去の?彼は生きているの?」「たぶん生きていると思うよ。」僕は少し生意気な、アビビが気になった。ケブンを早く探さないといけないけど本来のお人好しが出てしまった。それに僕の家業のせいもある。木材店で業者さんや林業、売れて買い手いろんな人達が出入りする。はじめましては、僕の得意分野だ。アビビを1人にさせれない。「アビビ、なぜまた1人なのか?君のこと教えてくれないか。」僕は直球に聞いてみてた。

“ここは島だ。海から来たもの全て受け入れる。そして僕のように空から落ちて来たものも、この島は、すべて受け入れる”「空から落ちて来た彗星の僕をこの島の人達は受け入れてくれた。大切な家族さ。」「この島の人達は、やさしいんだね。」「そうさ、その通り。それに僕はケル星人だ。彗星でこの地球監視のために降りた。僕らは定期的にこの地球や宇宙全体に彗星となって飛んで行き情報をケル星へ送る。帰れない。僕ら彗星はみんな、一方通行の任務を背負っている。たぶんタクが探しているケブンは大きな彗星。妖星だ。過去にこの地球を消滅させるためにケル星が送った彗星だよ。」

「そうなんだ。アビビ、何で素直に教えてくれたんだ。」「僕は人間の脳内の考えが読めるんだ。この地球で言うと超能力者さ。さっき、タクの心を読んだ。僕が生意気で、でも1人にさせない。そう思ってくれたんだよね。だから。」

「そうか、アビビじゃ僕らはもう友達だよ。」

「そうだな。」アビビが嬉しそうに笑いながら

「でもタク、妖星ケブンが見つからないとこの地球はどうなるんだ。まさか消滅?」「アビビそのまさかだ。妖星が迫っている。名前を妖星ケルって言ってたな。」「妖星ケル、それは、我々、ケル星での最高級の破壊力を持つ終わりのはじめの妖星の名前だ。」「終わりのはじまり?」「残念だが、妖星ケルからは逃げれない。タクには悪いが、地球は消滅する。」

僕はアビビの肩に両手を置き「そうはさせない。僕らには仲間がいる。みんなでケブンを探している。あと3日ある。大丈夫だ。アビビも手伝ってくれ。」「あー、僕も手伝うよ。」

「ありがとう、それに仲間に宇宙嵐モンズ人もいるよ。」「えー!」


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