第19話 無時空の地球

飛び立つ前、タクがジルに「このまま飛び立ったら、家族が心配しそうだ。」

ジルがタクにみんなに答える。

「大丈夫だ。地球上の時間は止めた。”時は、進まない“。心配なく、前妖星ケルのケブンを探してくれ。地球は制御している。」みんなの顔が一瞬固まった。が、みんな無言まま飛びたった。月人のアンやクレアは問題ないが、以外とワカがあっさり1人飛びたったことが予想外でさびしかった。残ったのはジルと僕だ。「ジル、君はいったい何者だ?」ジルはネズミの姿からいつの間にかまた本来の宇宙嵐モンズのスライムの姿になっていた。「バルに伝えたいことはあるが今はその時ではない。今は君と君の大切な友人のためにこの地球を救う方が先だ。バル、そうだろう。集中しろ。君は次期宇宙嵐モンズ星の次期王だ。それはこの宇宙全土を支配することを意味している。自覚を持ってほしいな。」僕は短期間で僕のおかれている立場がコロコロ変わり脳内データー処理が追い付かない。ただし、明らかなことは僕は地球人ではない。ケル星人でもない。この宇宙の始まりの星、宇宙嵐モンズ星人だ。僕は、しっかりしなければ。地球の前の記憶、ケル星での破壊的な威力、力を誇示していた僕に戻らなければ。この性格は、たぶんモンズ星としての本来の気性だ。今は、この地球で地球人としての上書きの記憶が濃い過ぎて、気を緩めると本来の僕の性質迄変わりそうだ。”この地球はこわいな。”ジルが「そうだ、バル、この地球は怖い星だ。我々が最初に作り出した星だ。さっきみんなに話したように今の地球は他の星に比べて科学も生命体も進化していない。それはこの地球が”無時空”に存在している星だからだ。」「無時空?ジルそれはどういうことだ。」「さっきも言ったようにこの地球は始まりの星。起点だ。その点からすべての星が無数に枝分かれしてい行き、現在の宇宙の形が造られた。どの星もそれぞれが起点は自身の星だと思い、いや違う、思い込み、いやちがう、そう思考するようにプログラムされている。自己中心的な考えのプログラムだ。地球から枝分かれ巨大化する宇宙。どの星も後ろは振り向かいない。前に前に前進のみ。そうプログラムされている。地球は前進はするが加速する空間に存在しない。そのためすべてのスピードが遅い。生命体の進化も科学も動植物すべて。ただし間違えなく前進はしている。」「ジル、この宇宙の構造は理解した。それに枝分かれ、後から出てくる存在が進化の加速のスピードが大きいため結果的に地球が取り残されていることも分かった。しかし、今回、この地球の消滅させてはいけないと言い切る別の理由がジルあるのでは?それを教えてほしい。」僕はスライムのジルを正面からじっと見た。「あー、やっぱりバル、君には隠しごとは無理だな。そうだバルの言う通り別の理由がある。もちろん、バルの友人の家、星を守りこともそうだが、この地球のどこかに我々宇宙嵐モンズの時空。本来存在するべき故郷の時空への入口がある。それを見つけるため、けっして消滅させることはできない。バル、僕は、次期宇宙嵐モンズの次期王、君を見つけ出した。それに僕には時間が無いんだ。バル。」「僕らの本当の時空?」「そうだ、その異空間へ故郷の時空のへの入口を探さなければいけない。そのカギを120年前の妖星ケルのケブンが情報をデーターを持っている。もちろん妖星の回避方法も彼は知っている。」「どうしてジルがそのことを知っているんだ。」「ケル星が彗星としてこの宇宙の星の数を管理しているのは話した通りだ。その本来の目的は我々の宇宙嵐モンズ星への異空間、我々の時空への探索も兼ねていた。いや嘘だ。それが本来の目的だった。」僕は「じゃ、なぜ最初に時空移動して召喚されて地球にあると考えなかったのか?僕には不思議だよ。普通出口と入口は同じでしょう。」ジルが少し難しい顔で「地球に召喚された直後、空から声が聞こえたんだ。『本来の時空へ帰還したければ、起点と終点を見極めよ。終点のちに帰還の入口は存在する。』その声を信じ、枝分かれし巨大化するこの宇宙空間を星さえ、のみこむ宇宙嵐モンズと恐れられながら瞬間移動しながら宇宙をさまよった。そしてケル星から定期的に送信される星のデータを確認していた。そして今に至り、入口発見のメッセージがケブンから送信された。ただし、その情報は見えない敵?により阻まれ、時空を浮遊しやっと今、私の元に来た。」「ジル、長々と説明ありがとう。手短に言えばケブンをみつけて入口を聞き出し我々宇宙嵐モンズの時空へ帰還すれば任務完了。これでいいんだよね。」ジルが困惑した表情でスライムのカラダがだらーんと水状になり、ジルが小さく手を上げ「そう。そういうこと。」僕は「じゃ、ケブンを探してくるよ。3日後に。」ジルが「軽いな。バル。」

僕は「そうかな?じゃ、また。」僕はジルの残し、携帯の瞬間移動を使用、飛んだ。

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