第12話 地球人になりきる

僕とジルのみで電磁波脳内会話。『僕らの宇宙嵐モンズの誕生は、この地球と深く関わっといる。』『バル、君の正体?ないよ。何もない。』ジルが話しだす。「みんな聞いてくれ、僕は宇宙嵐モンズの次期王を見つけ確保した。ギル達、彗星の製造星のケル星の君たちには悪いが、これで僕の任務は終了だ。このまま直ぐにでも帰還したいが正直、仲間が迎えに来るには、地球時間で365日。約1年かかる。その間、僕はこの地球にとどまることにする。それに地球人になりきって地球の生活を楽しみたいしね。」クレアが「ジル、宇宙嵐モンズの力と科学力をすれば、正直今すぐにでも時空空間移動や電磁波、第8の力で呼べるんじゃないの?」ジルが少し上向いに「そうだ。その通りだ。しかし僕はしばらく、この星で地球人をしたいんだ。僕の強い意志でね。」そう言ってネズミの姿のジルの身体から電気のショートした臭いと煙が上がり、やがてネズミのジルの身体は地球人の姿に。しかも透明感のある透き通った美しい肌のに輝く金色の髪。新緑の緑の光る瞳。そして「えーっ!」僕ら、3人は叫んでしまった「子供?」ジルは小学生くらいの子供になってしまった。僕は「ジル、君は子供?だったのかな?」クレアとギルも「まるでバルの弟みたいにそっくり?」ジルが恥ずかしそうに「いや、これはこの地球に到達するまでに、たくさんのエネルギーを使ってしまった。その結果この姿にしか、今のエネルギーは残っていなかったためだ。」クレアが「生命体研究所属の私としてはジル、君のエネルギー源が気になる。」ジルは「今は言えない。気にするな。姿は子供でもこの地球上であれば私の思うままだ。時間操作も、地球人の感情も体内操作もすべてできる。能力はそのままだ。」僕は「それは、つまりこの地球上では”神”と呼ばれる存在?では?」ジルは「細かいことは気にするな。今は。」僕は続けた「ジル、その力はモンズ人は誰でもできるのか?」ジルは「あまり答えたくはないがある一部のモンズ人はできるな。」「僕は?僕はどう?」ジルは「わからないな。バルは地球での生活、ケル星での生活、それぞれの星の免疫がありすぎてミックスされている。それにまだ、本体の星、宇宙嵐モンズに帰還していないからな。力はまだ発動されないかもしれないな。」僕は内心ほっとした。急に地球人じゃないとか脳内と言うより、地球人的に言えば感情が追い付いていない。しかし別のもう人の脳内、別次元にある僕の脳内は”理解している”が今はあえて、そちらの次元の扉は閉めていることにする。ギルが「バル。頼む。君がモンズだと分かったが、今はケル星の任務を遂行してくれ。地球時間の9月に妖星ケルがこの地球を消滅させる。この地球の価値を判断してくれ。別の意味でこの地球からすれば僕らケル星人も”神”的存在だ。地球人をワカやハルト、タク達を知ってしまったから。今は間違えがあってはいけない。この星に存続の価値があるのか否か。妖星ケル、120年に一度の審判の時は近づいている。ケル星人には、地球人のような”情”はない。「そうだな。」僕はわかっている。ケル星での記憶が戻った僕にはわかる。

妖星到達は9月だ。僕は続けて「1か月半、時間はまだある。」ジルが「そうだ。来週から夏休みだな。ワクワクするぞ。地球の夏は楽しいからな。」クレアが「ジル、私達でも知らない地球の夏?夏休みをジルがなんで知っているのよ?」ジルはすました顔をして「細かなことは、気にするな。楽しそうな気がしただけさ。」クレアの目が細目になって明らかに何か疑っていたが「へーっそうなんだ。」と流した。そして夏休みまでの数日があっという間に過ぎた。

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