第11話 ジルと僕

僕はネズミの姿のジルに「ジル、僕が宇宙嵐モンズ星人と言うことはわかった。時間軸がそれぞれの空間、星で違うこともわかった。改めて聞くが、僕が次期王とは?誰が決めたんだ。」「モンズの核が決めたんだ。」「モンズの核?」「モンズの核は、まさに言葉の通り。星の内部中央にあるエネルギーの塊だ。特にかたちはない。しかし、意志はある。」「かたちがないとは?」「モンズの核は尽きることないエネルギーだ。地球人の人間で言えば心臓部のようなものだ。僕らモンズは、そのエネルギーの核から生まれる。地球人のような血のつながりの家族構成はない。だからモンズ星はみんなが家族といえば家族だ。クレアが「私達のケル星は、どちらかといえば地球に似てる。単位は、家族だしね。」ギルが「モンズの核に何か決定権はないのか?」「そうだな、あるとすれば、モンズ星の王を決めるぐらいだ。それに僕達の星は自由だ。どこかの銀河系に族しているとか、何もない。しばられない。それに自由はもっとも気楽で幸せだが、不幸なことかもしれない。」ジルの声が小声になり最後がうまく聞き取れなかった。」クレアが「だから突然現れたり、消えたり、星ごと飲み込んだり。それで内部構造はどうなっているの。嵐の渦はトパーズとニッケルの粒子のようだけど。」ジルは「そうだ。渦の構成はその通りだ。その中にこの地球と同じくらいの大きさの星がある。そこにみんな住んでいる。」クレアは続けて「景色は?住んでる人はどんな生命なの?私達みたいにスライム?それとも今のジルみたいにネズミの姿なの?」僕はジルが困っている気がして。「クレア、そんなに、たくさんの質問は?宇宙最強の星、宇宙嵐モンズにも秘密があるだろう。なあ、ジル。言えないことも。」ジルが「バル、その通り。モンズのすべては、話せない。そうだな、姿だけは、教えるね。この地球人に近い。」

クレアが「そうなんだ。でもジル、君のネズミの姿は?」少しまじめな顔つきで「僕は、特別なんだ。」クレアが「ジル、特別って何?どういうこと?本当は、ジルが、王様だったりして?」ギルが「クレア、いい加減に詮索とおしゃべりはやめた方がいいよ。おしゃべりの女の子はノンノンノンだよ。」少しふくれた顔のクレアだがジルに話し続ける。「それで、ジル仲間のバルともあったし、これでジルの任務は完了?」「まあ、そういうことになるな。」ギルが「なんか不思議な感じだ。バルがケル星の僕らの仲間だと思って、探しに地球に到達したのに、そのバルがケル星人では、ないってさ。正直動揺してる。たぶん地球人のワカやハルト、タク達もバルの本当のこと知るとかわいそうに僕以上に動揺するのが見える。」僕は、小声で「そうだな。」さて僕はどうしようか。脳内で、既にに答えは出ている。僕の脳内に静かに電磁波が流れる。脳内潜入会話。『ジル。君の本当の正体は?』

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