第9話 記憶とモンズ

記憶が完全に戻った僕は、机の上にモンズのかけらを置いた。「ギル、迷惑をかけてしまった、ようやく記憶が戻った。クレアもオペありがとう。君の腕は確かだ。」褒められてうれしかったのかクレアは「当たり前じゃないのバル。私を誰だと思っているの。ケル星の姫にして最強のクレア様よ。」「そうだったな。」クレアが続ける。「それに、私の結婚相手が記憶喪失のままだと私も困るしね。それに、地球人にバルをとられそうだし。」最後が小声になり、聞き取れなかったが「まあ、いい。これで本来の僕が現れた。」僕自身の立ち振る舞いもすべて変わった気がするが、今はケル星人同志このままでいいだろう。ギルもいつの間かスライムに変身していた。懐かしい姿だ。ギルもこちらの方が僕には、しっくりしている。そして僕もスライムに。僕らは、本来の姿で現状、並びにこれからのことを話し始めた。ギルが話しだす。「そういえば、ギルは参謀的ポジションだったな。話してくれ。参謀。」「まず、現実にバルの軌道を狂わせた犯人はまだ見つかっていない。しかし、この地球上にいる。このことは確かだ。しかし僕らは本隊の妖星が地球到達前にこの地球の価値を報告しなければいけない。未熟で無知な未開発的な地球人がこのまま宇宙の一員として存続できるのか、または消滅か。正直、時間はあまりない。バルの記憶喪失のせいで調査がされていない。」僕は「悪い、いくら記憶がなかったと言え、任務を遂行できなかったすまない。」クレアが「仕方ないじゃない。ケル星や宇宙空間じゃまだしも、時間は戻らないしね。この地球ではね。残念だけど。」ギルが「そうだな、この星、地球には他の星とは違う。何かがあるのは間違いない。時間操作も僕らのような地球外生命体を受け入れない。この地球は太古の昔から変わっていない。外部を拒み続けている理由?影の地球の星の支配者がいるはずだと僕はみている。その支配者は・・・」僕は手を上げ、ギルの言葉を遮った。「たぶん、もし、その陰の支配者がいるとしたら、大ばか、もしかすると宇宙のどの星の生命体よりも高度な頭脳なのかもしれない。この地球は我々と基準が違い過ぎる。ここ地球は。」バーン!大きな音が聞こえた。僕ら3人は、慌てた。「なんだ。今の音は」クレアが体の中から剣を抜く。僕ら3人は、構えた。「敵か?」ゴソゴソ、机の上で何かが動く、小さなネズミのようだ。「こらー、ネズミじゃないんぞ。モンズだ。モンズ様だ。それに俺様は大ばかじゃない。天才だ。天才モンズ様だ。」僕ら3人は机の上に顔を寄せた。「えっーーー!」「君、誰?」クレアがさっきバルの身体からオペでとったモンズのかけらが無い。ギルが「まさか?モンズのかけら?」そのネズミのような生き物は腕組みをして

「そうだ。俺様がモンズだ。宇宙最強。宇宙嵐のモンズだ。」

「えっーーーーーー!」僕らは、大声でハモった。

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