第8話 ケル星の3人
ダッシュで走り僕らは家に着いた。『とても地球人ぽい。息が切れる。』ギルが脳内会話。
クレアも『久しぶりに足で地面を蹴って走ったかも。』僕は、口に出して「ここは地球だ。重力も以外とあるから、君達の身体には宇宙空間よりかなりの負荷がかかっているかもしれない。大丈夫か?」「あー、大丈夫だ。」ギルが片手を上げる。クレアも「とりあえず大丈夫。でもバル、君は全然平気そうだけど、悔しい。持久走戦は私の方が断然強かったのに。」僕はクレアが当たり前ように僕とのケル星でのことを話す。記憶がない分、違和感がないわけでは、ないが、これはこれでケル星での生活?ということで脳内はすんなり状況を受け入れている。
僕らは、僕の部屋に着いた。両親はいない。海外赴任中。これは設定なのか?部屋の中は広い。今更気づくのもおかしなことだが、改めて見ると生活感が全くない。小さい頃から両親は、いたようないないような、記憶が曖昧だ。ワカとハヤトの話しでは僕は、保育園の時にこの町に引越して来たようだ。2人の存在が地球での僕を孤立、孤独から救ってくれている。「そうだな。」ギルが言う。僕は暑い部屋の中のエアコンをつける。クレアが「バル、エアコン?温度設定は気にしないで。ほら、私達、ケル星人は、体感はほとんどないに等しいから。」ギルも「そうだな。地球人は、生命体的にまだ未熟だ。生きられる生命温度、エネルギー摂取もメインは酸素だけのようだ。そう言えばバル、バルのエネルギー摂取はどうなっている?」ギルは続けて「記憶が無くても生命体の組織まで地球人になっているとは思えない。クレア調べてくれないか?生命体研究所属だろう。」「そうね。いいわよ。ただしいつもの姿に戻るわよ。」「バル、座って。」僕は椅子に座った。クレアは人型スライムになった。クレアの透明のスライムの姿は無駄がなく美しかった。その姿に僕は懐かしさを覚えた。そして、クレアは淡々と僕の身体をスライムの両手の形を変形させスキャンしていった。「バル、あなたの身体、エネルギー摂取機能、全て私達ケル星人との同じ。一つだ脳内に気になる箇所かあるけど。このままオペしてもいい?」「いいよ。頼む。」僕は拒絶反応も無く、むしろ信頼さえ感じ、無条件でクレアのオペを受け入れた。僕の脳内にクレアのスライムが入り込む。
クレアが少し手こずっているようだ。ギルが「クレア大丈夫?」「大丈夫よ。」スライムの身体の目がキラキラ光り、オペを楽しんでいる。「ガチャン。」「はい終了。バルの脳にこれがあったわ。宇宙嵐モンズのかけら。」クレアはトパーズのかけらを僕の手の平に乗せた。ギルが、それを見ながら、黄色に近い透明の硬い石。宇宙嵐モンズは、トパーズの細か粒子とニッケルとが渦を巻いていて放電している。そしてその、かけらがまわりの物体につき刺さり宇宙空間でモンズの爪跡として跡を残す。モンズ自体まだまだ解明されていない事が多い。僕らケル星人でさえ、実体解明に至っていない。ただそのモンズを形成しているトパーズのかけらには磁気があり時空を移動する力があるとかないとか?」クレアが「それ、私も聞いた事がある。」僕は、クレアのオペ後、脳内がスッキリした気がして「ズッキン」電磁波と共に僕の脳内の記憶が動き出し、さかのぼり、はじめる。『ケル星での僕の記憶。流れ星。僕はこの地球を目指し、宇宙空間を真っ直ぐに進んでいる。隣りに宇宙嵐のモンズ?が僕と並んで流れ星となっている。』
僕は思わず「わあー!」”破壊の塵”の僕の流れ星の中に宇宙嵐モンズが入って来た。
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