第6話 ケル星人?僕の日常
僕らは、ワカ達、女子の誘いに乗り、カフェで人気のデカい天然氷のイチゴが乗った、かき氷を頼んだ。ワカがやたらと、はしゃいでいる。
かき氷、食べるのは小学生の夏祭りぶりだ。
確か、ハルト、ワカと・・・まあ、それはいいとして。
隣のアンの微笑みはいつもと変わらない。“気のせいか?“だったのか?
ギルの登場で僕は脳内が少し混乱した。人間じゃなくて地球人じゃない。遠い星の流れ星?僕が?破壊の彗星?ケル星?結婚相手が決まっている?どれもこれも普通の高1にとっては設定としてムチャぶりだ。しかし現実に目の前にギルがいる。それにさっき、学校の窓の外に人が浮んでいるにを見た。見てしまった。
しかし、僕はまだ信じることができない。この地球のこの学生のノリ。居心地がいい。ワカが目の前でゲラゲラ笑っている。
可愛い女子達がいっぱいいる。みんなギル狙いだけどね。それに僕の好きなアンがいる。間違えなく、ここが僕の居場所だ。
「そうなんだ。」女子にあーんしてかき氷を食べていたギルが僕の席に来た。「ギルまた頭の中を覗いたな。」「わるい、バル。つい君の脳内がぐるぐる回っているようでちょっと覗いてみたくなったんだ。ほんとわるい。それにしても女子達は、どうしてこんなに僕に騒ぐんだろう?」「コツン」僕はギルの頭を叩いた。「嫌味な奴め。ギルがイケメンだからだろう。」「へえーそうなんだ。」ニヤッとしながらギルの目が笑っている。「ばーか。」僕はもう一度「コツン」ギルの頭を叩いた。僕はたぶん。
今はいいや。来るべき時が来ればその時に。
僕のダメ性格がでる。ただ今は居心地のいいこの場所にいたい。ワカが僕を呼ぶ。
「バル、かき氷、あーんさせてあげようか?」
ワカの目が明らかに僕をからかっている。
2人でふざけているところへ、僕の大好きな黒髪のアンが無言で自分のかき氷を持ってきて「あーん。」僕の口に運んで来た。僕は条件反射で口を開けて「パック。」食べてしまった。
みんなが一斉にフリーズする。僕はやらかしてしまったようだ。ワカが僕の背中を
「バッチン」と大きく叩いた。
「バル、何やってるの?アンの冗談よ。
間にうけてかき氷食べるなんて、信じられない。」ワカは、半分怒って半分笑って僕の背中をバチバチ叩いた。普段無口のアンが「ごめんなさい。まさか、バルがほんとうに食べると思っていなかったから。」なんだか可愛い、大好きだなんて思っていたアンに、はめられた気がした。いや、間違いなく、はめられた。
何かが、少しずつ暴露されてきている。そんな気がする。ドロドロしたものが少しずつ動き出す。人間するのもめんどくさい。特に女子は何を考えているのか?方がいいかもしれない。いつもの無責任な僕の性格が顔を出す。僕は嘘はつかない。つけないといったほうが正しい。嘘をつくと心が落ち着かなくなり、乱暴になる。”いかん。いかん。”誰かの口癖を真似たような言葉を僕は発した。嘘つくより僕は逃げるを選ぶ。「ヤッホー」きれいな顔立ちの男子が?いや間違えた。女子だ。女子が僕とギルの前に立った。ギルの顔が引きつり、真っ青だ。「クレアだ。」小さくギルが名前を呼ぶ。僕も目をぱちくりさせてクレアを見た。やっぱり思い出せない。
僕らの前に仁王立ちのクレアが「クレア登場。」自分で自己紹介をしている。
アンの目が一瞬、赤に変わった気がした。ワカや他の女子達も美形の戦闘服のクレアに興味津々だ。僕は、記憶が戻らないまま、このあと、また面倒なことが起こりそうな気がして。人間するのも大変だ。
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