第4話 僕の使命 彗星ケル
期末テストは午前で終了。ハルトは陸上部の部活へ行った。タクも家の手伝いがあると急ぎ帰宅。僕はギルと校門を出た。帰り際、美少年のギルは女子達に囲まれ「一緒に帰らない?」と誘われていたが、銀色の輝く髪をかき上げ
「またね。」と断って僕の方に向かって来る。
僕もギルほどではないが、イケてる方だ。
少し複雑な気持ちだ。
ギルが「待たせた。バル。」
「大丈夫だ。ギル、誰もいない。2人っきりだ。早く話してくれ。」
「わかった。その前にバル、本当に僕のことを覚えていないのか?。」
「わるいが、全く覚えていない。」
「そうか、我々の情報は正しかったとかいうことか。派遣の彗星が人口的に軌道を外された。それが君だ。バル。」
「ギル、彗星?我々とは?」
「バル、星の記憶が消えてる。はじめから話すぞ。僕らは、彗星を製造する星、ケル星人だ。僕らはこの宇宙に存在する星を管理している。バル、彗星は知っているだろう。」「あー、もちろん。そう言えば今朝テレビのニュースでも彗星が、この地球に大激突の可能性が大きいとかで、どの国も慌てているとか。」「そうだ。その彗星もケル星で製造した彗星だ。」「わるい、もう少し詳しく話しくれ。僕のことも含めて。情報とは?詳しく頼む。」
「そうだな。バルは17年前にこの地球に彗星として派遣されたケル星人だ。僕らはこの宇宙全体を監視している。星の異常状態。環境の急激な変化。戦争。異常生命体の出現や滅亡、
理由はいくらでもあるが、星自体の自滅。
“存在価値がなくなった星を僕らは消滅させる。これが我々の使命だ。”」とギルは誇らしげに言う。「星を消滅させる?神じゃ、あるまいし乱暴過ぎないか。それにそんなことが、本当にできるのか?」ギルは、当たり前のように「できるさ。無限に星があっても、この宇宙全体が保たれない。新しい星の誕生のスペース確保のためにも淘汰は必要だ。僕らケル星の彗星の役割は大きい。それにこの地球では、人間という生命体が支配しているが、未だに不老不死には至っていない。なぜだかわかるか?老いたら自然に死ぬ。そしてまた新しい生命が生まれる。それと同じだよ。僕らの仕事は。いや、使命は。」僕は言葉がなかった。その通りだ。
「ギル、僕は17年前にこの地球に彗星として来たんだよな。」「そうだ。本来なら火球として地球の大気圏に突入、その後地上に降り立ち調査がスタートする。本当にこの星、地球が消滅するべき星なのかをね。僕らは火球で大気圏突入後は、スライム化してその後地上の土を踏んだところで、その降り立った星の人をコピーする。この地球では人間の姿になる。今のこの姿にね。」
僕は「おおむねは把握した。それで、僕はなぜケル星の記憶ないんだ?」「正直今は、わからない。そのための調査をしに僕が来たんだ。本来の妖星ケルの激突、地球消滅まで時間がない。」僕は今朝テレビのニュースを改めて思い出した。ギルが続ける。「バルへの人口的に軌道修正は地球よりの発信を感知し
ている。地球上にこのような高度な科学力が有るとは思えない。別の星の力が働いている可能性がある。敵か味方かは不明だ。」
僕は脳内で整理した。確かに僕は小さな頃から
他の子とは違うと感じることが多かった。しかし、そんな時、必ず幼なじみのハルトとワカが僕を1人にさせなかった。孤独ではなかった。僕は普通だ。普通だった。普通の子供として過ごすことが出てきた。2人には感謝だ。本来の僕の星、ケル星の使命とは反するが。尚更、“この地球の消滅は僕が阻止しなければ。”
脳内にギルの声。『そうだな。』
今度は、言葉で「さっき、現れた奴のことも話もしたい。話が長くなる、バルこのまま家に行ってもいいか?それにさっきの奴は、男じゃないぞ。バル、君の彼女だ。」
「えっーーーーーー」
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